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Warhymns : Zygoatsis (2009) 

Zygoatsis_demo.jpg タイのウォー・ブラックメタルバンド、Zygoatsisのデモ音源を紹介します。
タイのSick Chainsaws Productionsよりlim.222でテープフォーマットにてリリースされました。2010年にフランスのArs Funebris Recordsよりlim.200でやはりテープで再発されています。

 音源一本一本に対する思い出ってありますよね?大量買いして埋もれちゃってこんなん買ったっけ?みたいなものも多いのですが、逆に出会い方とかで結構印象が変わったりとかも。私はこのテープ、Deathrash Armageddonさんの実店舗で購入させていただいたものなので、それが凄い記憶に刻まれていまして。通販でお世話になり、本ではインタビューさせてもらい、函館の実店舗にお伺いさせていただくのが夢だったのです。そして急遽、強行日程で1泊2日で函館旅行に行くことになり、妻とは現地で夜に合流すると。一人で日中過ごすことになったのでこりゃ行くしかない!と。そして買わせてもらったうちの一つがこれなんですね。ウォーベスチャルな音源で10本の指に入ると思っているZygoatsisの唯一のフルアルバム "S.K.U.D. (Satanic Kultus - Unholy Desecration)" はもちろんDAさんのリリースでしたから、この出会いは個人的にめちゃくちゃ意味深いものだったのです。

 自分語りが増えたのは年のせいかもしれませんが、閑話休題、内容の方に話を移します。タイトルからして確信犯的な作品ですが、デモ音源らしい音質の悪さもあってか、1stアルバムのような何もかも蹂躙する迫力には欠け、その分ロウでライブ感のあるデモになっていると思います。知っている限りですが#4 "Zygoatikal Epidemic Assassination" はこの音源以外では聞くことができないはずで、その点でもコレクションに加えたい1本と言えることでしょう。あの1stアルバムへのマイルストーンの一つなのですから。

 そうそう、Zygoatsisは最近どうしているのかと思ったのですが、Avaejee氏の死後、2016年に
Weerabhatra氏というギタリストが加入するも、今度は私がやっているディストロでもよくお世話になっているInhuman Assault ProductionsのPatiwat氏が2018年に脱退しています。んでなんと後任はあのフィリピンのKorihorの現行メンバーであるElohim氏なんだそうです。完全に余談ですがKorihorは今年、デモ音源をInhuman Assault Productionsからリリースしているんですよ(笑)。東南アジア勢力の活気を感じさせますね。ということはZygoatsisもそろそろ新しい音源を、だなんて期待もしちゃいます。
タグ: Zygoatsis  Thailand  2006-2010  デモ 
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Skull Grinder : Autopsy (2016) 

Autopsy_Skull_Grinder.jpg
 アメリカはカリフォルニアのデスメタルレジェンド、Autopsyのミニアルバムを紹介します。PeacevilleよりLPでリリースされ、2019年には帯付きのCDで再発されました。本稿はその再発CD盤です。余談になりますが本当に"OBI"という日本語での名称が定着しましたよね。そしてこの再発に当たりどうやら日本盤もあるようでDiscogsで妙な値段がついているのですが、慌てて手持ちを確認しましたが安心の英国産でした。

 さてはて私はオールドスクール・デスメタルのマニアというわけではないですが、昔から好きなバンドだけは熱心というほどでもない程度にフォローしておりまして、当然その中にこのバンドも入ります。しかしこのミニアルバムは存在を知らず、何をあろうことか昨年「Amazonにオススメ」されましてそれで気付かされた次第です。時期的には復帰後、3作目にあたる7thアルバムの後に制作された音源だったようですが、あのアルバムと比べるとAutopsyらしい作品という印象で、程よくドゥーミーで程よく疾走し、「ん?なんじゃこりゃ?」という違和感なく7曲28分聞き通していられる作品になっています。

 ただただ…このミニアルバムを聞いていると昔の作品をもっと聞きたくなってしまうのも事実ですね。今までの作品をぎゅっと丸めて、尖っているところをやすりで削ったような印象を受けるのです。音楽を聴くにあたって、安心感のようなものを求める人にはむしろ嬉しいポイントだと思いますが、私はやはり違和感を大事にしたいので他の音源よりちょっとプライオリティは下がってしまいますし、それがあえてのEPでのリリースになったのかな、なんて思います。最後に手のひらをかえすようで恐縮ですが、そもそもAutopsyというバンドが復帰して、新作を出し続けていること自体、敬服しますし、これからもずっと彼らの新作を追い続けたいと思ってやみません。
タグ: USA  Autopsy  2016 
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Blood Upon The Soundspace : Blasphemy (2018) 

Blood Upon The Soundspace 説明不要、ウォー・ブラックメタルのパイオニアにして絶対的存在、Blasphemyが1989年に名作デモ "Blood upon the Altar" をリリースしたちょうどその頃のリハーサル音源が収録されたものです。もちろん安心のNuclear War Now!リリース。

 よくBlasphemyはデモか1stアルバムか、どちらを選ぶかで分かれることが多くて、前者だとBathoryとかの影響をモロに受けたような作風に惹かれ、後者だとウォー・ブラックメタルそのもののカオスな音像に惹かれて、ってなると思います。筆者はどちらも好きっていう逃げに出るのですが、このリハーサル音源は目ん玉飛び出るような驚きでしたね。

 収録曲自体は4曲は1stアルバムのもので、デモからは1曲のみ(名曲 "War Command") なので未発表曲が含まれているわけではなく、"War Command"は安心の作風なんですけど、1stアルバムからの楽曲がこのリハーサル音源ではかなーり感触が異なります。南米のプリミティブなハードコアを聞いているような無茶苦茶さです。あまりにも感覚が違うものだから1stアルバムを聴き直してみたところ、そちらにはオカルトな雰囲気がかなりあって、こちらは全くない。ひたすら音の暴力、蹂躙です。音作りとかもしくはSEとかが練られていない中での原初的な作風なだけで、だからこそこの音源が陽の目を見るまで30年近くを要したのでしょうが、にしてもですよ。

 この再発に感謝としか言いようがないですね。
タグ: USA  Blasphemy  2018 
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Genesis Khaos Disseminations : Conjuration (2016) 

Conjuration.jpg  アメリカはポートランドのウォー・ブラックメタルバンド、Conjurationの1st EPを紹介します。アメリカのUnholy Black Abyss ProductionsとタイのInhuman Assault Productionsの共同でlim.250でテープにてリリースされました。

 このバンドはこの音源のみしか出しておらず、マニアな方でないとあまり聞いたことのないバンドではないでしょうか。私もInhuman Assault Productionと私のウォーベスチャル本とファンジンの代わりにトレードしたときに1本だけ入手したもので、1本だけならと、ディストロにはアップせずに自分のコレクションに追加したものです。

 このウェブジンを愛好いただけているならばエクアドルのNihil Dominationは土石流ウォーブラックとして大好物な人も多いのではないかと思います。あのバンドは残念ながら解散して、中心人物のBlasphemous氏(アー写でとんでもない五寸釘バンドかましてて、Black Goat Terrorist 666のオーナーでもある)はその後にBaphometic War Commandなんてバンドを立ち上げていましたが、それもデモ1本で終わってしまいました。

 これはもう続かないかな、と半ばあきらめて記憶から薄れていく中、さてこの音源ですよ。聞いてすぐ「これは土石流ウォーブラックの系譜!」と確信いたしました。あの流れってDeiphagoの系統ともちょっと異なり、こっちの方は音がぐちゃぐちゃでドバドバで跡形もなくなる様な暴虐さはまさに土石流っていう感じなんですよね。後でアーカイブスで確認したら、さもありなん、Baphometic War Commandで氏とコンビを汲んでいたD.B.氏のバンドではありませんか。この「繋がった」感ってパズルを解いたような爽快さがありました。

 たった10分弱の音源ですが、Nihil Dominationのことが忘れられない人にはお勧めな一本です。

タグ: USA  2016 
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