Blackground : Kalterit (2016) 

フィンランドのブラックメタルバンド、Kalteritのミニアルバムを紹介。
日本のDeathrash Armageddonよりリリースされた。

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 フィンランドのトレンドスローター軍団ことSadokistに在籍するSadist Stalker氏により独りブラックメタルバンドである。何せ「90年代こそが本当のリアルであり、現在のカセットテープやらアナログレコードにも唾を吐いて、CD媒体をサポートすべき」だと言っている連中だから、独りバンドでもさぞかし…と思って聞いてみるとこれが面白い。

 Sadokistでも展開されているブラック・スピードメタル成分も感じられるが、それよりスラッシュメタルの影響下にありながら邪悪さが飛びぬけて演出面においてもオドロオドロしさが光り、シンセサイザーの使い方も懐かしく、単調なトレモロリフによって強引に推し進められるスラッシーなナンバーは90年代前半のブラックメタルを忠実に再現していると言えよう。特にフィンランドのブラックメタルらしさといえばUrnあたりが思い浮かぶスタイル。

 急にメロディックなリフが挟まったり、イーヴィルなハードコアにも近い楽曲もあったりするなど、とにかくあの頃のサウンドを詰め込んだミニアルバムで、イントロを含めないと4曲20分弱程度の収録時間であるものの、90年代リスペクト全開さが様々なカラーで現れていて素晴らしい。

 どうしても80年代のエクストリームメタルというものがオールドスクールと評されがちではあるが、既に90年代も20年以上前のことであり、今後ますます90年代をリスペクトした若手バンドも地下で増えてきそうだと感じさせる。

Encyclopaedia Metallum - Kalterit
タグ: Kalterit  Sadokist  Urn  FInland  2016 
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ABC Butchers Co. Ltd. : Butcher ABC (2016) 

日本のオールドスクールデス/グラインドコアバンド、Butcher ABCの1曲入りシングルを紹介。
日本のObliteration Recordsよりリリースされた。

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 はるまげ堂オーナーにしてButcher ABCのリーダーであるNaruさんの御厚意で、先日のDeiphago来日にて二日間メンバーと帯同させてもらったわけだが、その時の話は後日談としていずれポストするとして、二日目の物販スペースにてこのシングルを買わせてもらったのだ。「一曲しか入ってないけど良いの?(笑)」と聞かれたのも記憶に新しいのだが、説明不要のお肉屋さん、ジャケットには「100%人肉」と遊び心が素晴らしく、再生してみればいつものButcher ABC節が炸裂してたった一曲、されど一曲だ。

 思えば2015年11月から本を書き始めてからというもの、自分が聞くのはどうしても「ウォー・ベスチャル」に絞られてしまっていた。好きで聞いていてもやはりそればかりとなってしまうと慣れが生じてしまう。さて本を書き終わってからというもの、他のジャンルを聞いてみてもオールドスクール的なエクストリームさからの「物足りなさ」を感じてしまい、素直に楽しめないジレンマに悩まされていた。

 そんな中、Butcher ABCのオールドスクールなデスラッシュ・グラインドサウンドはそのようなジレンマを蹴飛ばしつつ、更にもう一度、目を見開かせてくれるような感覚を抱かせてくれる。デスメタルやグラインド、そしてスラッシュメタルをもっともっと聞きたくなるのだ。優れたサウンドは聞いた人の背中を押す何かがある。もっとも押された先は崖の下ってこともあるのだけれども。

 今年の夏にリリース予定のフルアルバムからの先行シングルとのことで待ちきれないですね。

Encyclopaedia Metallum - Butcher ABC
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