Suicidal Salvation : Black Altar (2013) 

ポーランドのブラックメタルバンド、Black AltarのEPを紹介。
ドイツのDarker than Black Recordsよりリリースされた。

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以前2ndを紹介したが今作は素直にグレードアップ。
元々音楽的な側面にフィーチャーしたブラックメタルをやっているという発言もあったが、
単なる邪悪さではない重厚な世界観を表現したものになっている。

今回は明確にセッションドラマーがいるようだが正確なドラミングで、
シンセサイザーやSEの使い方も実に巧み。
どうやらFuriaMassemordのNihil氏が参加しているようだ。

但し音の分厚さ、曲の展開など少々疲れるところもあり、
そこに関しては「隙の無さが敬遠されるかも」と2ndアルバムでも指摘したとおりだが、
更にそれも進化しているところはまさに「個性」というやつなのだろう。
そういう意味ではEPくらいの尺はこのバンドにはちょうどいいのではなかろうか。

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Wisdom & Hate : Baptism (2004) 

フィンランドのブラックメタルバンド、BaptismのEPを紹介。
フィンランドのNorthern Heritage Recordsよりリリースされ、2014年に再発もされた。

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HornaSatanic Warmasterにも参加経験のあるLord Sargofagian氏のバンド。
このブログを前から見ている人はわかる通り、
自分があまり得意でない"フィニッシュブラック"の路線であるメロウブラック。

上記バンドに比べても同等のクオリティは感じるしなるほど人気があるのは頷ける。
但しやはりメロディ含めて"まとまっている"感が強く、
時にあざとさまで感じてしまうほどのメロウなトレモロにどうしても食傷気味に。

そのあたりはSargeistが奇跡的なバランスを保っていたのに対して、
これらのバンドはどうしてもなかなか受け入れづらいというのが本音。
何年も聞いてたらいずれ慣れるかと思っていたが。。。

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Dialectica Transcendental : Forgotten Winter (2009) 

ポルトガルのシンフォニックブラックメタルバンド、Forgotten Darknessのデモ音源を紹介。
ドイツのNordsturm Productionsよりリリースされ、2014年にはSlowDriver Productionsより再発された。

Forgotten_Winter_1.jpg

以前のデモから激変、いきなり宇宙ブラックメタルへと変貌を遂げた。
というか#01に至っては宇宙を連想させるダークアンビエントで8分!
#02では以前のデモと同じシンフォニックなシンセを混ぜているが大分まとまりがある。
いや、まだチープなシンセ音がバンドサウンドに対して浮きすぎているのだが、
今回は宇宙ブラック的な浮遊感が何とか設定として生きてきている。

作品の半分くらいはスペース/ダークアンビエントもどきだが、
前作に比べて「なんじゃこりゃ」感は全くなくなっているし、
ジャリジャリノイジーなギターで疾走するパートがちょっとかっこよくて悔しい。
まああのデモの後で聞いているから反動が大きいせいでもあるが。

どうやら現在もしぶとく活動していてそれどころか
https://slowdriver.bandcamp.com/album/vinda
作風もどんどん変わっていって結構本格的な路線を歩んでいる。
理想と現実のギャップを地道に埋めていったと思うと感慨深さがある。

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Cold Mysteries And A Black River Lighted By Candles : Forgotten Winter (2006) 

ポルトガルのシンフォニックブラックメタルバンド、Forgotten Darknessのデモ音源を紹介。
ポルトガルのDungeons RecordsよりCD-Rでリリースした。

Forgotten_Winter_demo2.jpg

全く入手経路を覚えていないが国的にBubonic Prod.から以前爆買いしてたときの
おまけか何かで入手したのだと思う。

シンフォブラックといってもシンセサイザーの音階がわざとかそうでないかズレていて、
結果的に不協和音が気になってしょうがないロウブラックみたいなことになっている。
これが意図的なのか全くわからないがそのギリギリ外してくるのが気になってしまい、
全く本来の音楽として耳に入ってこない作品だ。

もしかしたらものすごくアヴァンギャルドなことをやろうとしているのかもしれないが、
それにしてはチープさが前面に出すぎてしまっていて、
もうこれは残念な作品としか思えない。
どうやら今はBandcampでNYPらしい…。

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Nekrolog : Forgotten Darkness (2007) 

ドイツのブラックメタルバンド、Forgotten Darknessの2ndアルバムを紹介。
ドイツのEwiges Eis Recordsよりリリースされた。

Forgotten_Darkness2.jpg

1stアルバムから連続しての投稿ということで比較が主になるが、
路線をファストブラックからデプレブラックにしちゃったの?というくらい、
ミドルテンポを多用する哀愁たっぷりな作品に仕上がっていて、
音の仕上がりも金切声に聞こえないくらい低音にチューンされている。

結果としてとても聞きやすいアルバムに仕上がっていて、
特に#02 "Hass" はこの系統であれば名曲と言って良いのではなかろうか。
今聞き直すとプレColdworldみたいにも聞こえる。

ブリザード感の著しい減退は彼らの個性をも失ったような気もするが、
哀愁メロディブラックの佳作である。

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Nacht aus Blut : Forgotten Darkness (2004) 

ドイツのブラックメタルバンド、Forgotten Darknessの1stアルバムを紹介。
ドイツのEwiges Eis Recordsよりリリースされたのち、Art of PropagandaからLPで再発された。

Forgotten_Darkness1.jpg

同じドイツのNargarothにも毛色の近いファストブラックだが、
こちらの方はよりテンションが高く何よりヴォーカルの金切り声が前面に押し出されていて、
寒々しいブリザードリフに対して妙に熱いという両極端な作品。

しかしやはりドイツ産なだけに時折垣間見れるミドルテンポの哀愁漂うメロディは、
楽曲のハイテンションさに対していいアクセントになっていて、
曲の展開も工夫されていることが伺える。

Dark FuneralImmortalを足して2で割って、
ドイツ産らしさを添えたというとなかなかそれっぽい内容な気もする。
上記でピンと来ればお勧めの音源ではなかろうか。

なお再発LPはAbsurdのカバーがボートラとして入ってるらしいがそちらは未聴。

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Re: War Black Worship - vol. 3 

前回 → Re: War Black Worship - vol. 2

■ 十章: Nuclear War Now!

blasphemy_live.jpg Yosuke Konishi氏はアメリカはカリフォルニアにて自身のブラッケンドノイズバンド、ErebusのデモリリースとしてレーベルNuclear War Now!を設立する。1999年のことである。この時点では決して現在のようなレーベル活動を目論んでいたわけではなく、単純に自身のデモリリース起因だったようだが、やがて自身の音楽活動の限界と他者の作品リリースに考えが達し、2001年のバンクーバーにおけるBlasphemyのライブをMDプレイヤーで録音したものを、バンド側に掛け合ってライブ音源としてリリースすることになる。これが公式リリースとして初のNuclear War Now!のレーベル活動となった。

 この2001年という年は例えばOsmose Prod.もAngelcorpse、Blasphemy、Sadistik Exekution、Mystifierといったバンドのマテリアルの再発をリリースしており、ヨーロッパでも何らかの機運が高まっている時期であったし、Blasphemyが一時期的にでも再結成によるライブ活動を行ったこと自体、その何らかの機運とリンクしていることは間違いない。

Kult_Razor.jpg もしくは恐らくこのブログの閲覧者ならよくご存じであろう日本のDeathrash Armageddonもまた初リリースとして2002年にフィリピンのKorihorの作品をリリースしている。この音源ジャケットはあのGoat SemenのErick Neyraがデザインしたことで有名であり、いかに世界中でこのような同時期のムーブメントが勃発したかお分かりいただけるであろう。もしくは第八、九章でそれぞれ述べたように東南アジアと南米にそのようなつながりがあったこともまたトレンドと無関係だった地域の"同志関係"がうかがえるのだ。

 恐らくこれは北欧を起点とした2nd wave BMにおいてその勢いに陰りがみられたこと、もしくはよく言われるジャンルのポピュラー化、コマーシャル化による本質の衰退に対してアンダーグラウンドに引き戻そうというムーブメントが局所局所で勃発し、1st wave BMの流れを汲むバンドマテリアルの再評価が進んだのではないかと考えられる。その中で最も存在感があった、さらに言えばマテリアルのチョイスにアンダーグラウンドかつカルトなセンスがあったのがYosuke Konishi氏であり、Nuclear War Now!だったのである。Blasphemyが彼にライブ音源のリリースを許可したという事実自体が非常に興味深いものなのだ。もしくはDeathrash Armageddonもそうだが、極めてレーベルオーナーの個人的な趣味を動機としたリリースや再発がこのジャンルの再興を促したことはまさにこのジャンルの性質を表していると言える。

blasphemy1.jpg その後、Nuclear War Now!による重要な再発音源を以下に並べる。
  • VON - Satanic Blood Angel (2002)
  • Sarcofago - I.N.R.I. (2004)
  • Impurity - The Lamb's Fury (2006)
  • Reencarnacion - 888 Metal (2006)
  • Blasphemy - Fallen Angel of Doom (2007, 2015)
  • Conqueror - War.Cult.Supremacy (2011)

 特にRoss Bay Cult関連の再発は共同で行っており、Blasphemyのライブ音源リリースの後もアンダーグラウンドにおける交友関係は長く続いている。


■ 十一章: 志を受け継ぐ者たち

 Nuclear War Now!を中心とした過去音源のリリース群による再評価に呼応するがごとく、その志を受け継ぐかのように新しいバンドが出現する。それらをサポートした重要なレーベルはもちろんNuclear War Now!Deathrash ArmageddonOsmose Productionsの他に、ドイツのIron Bonehead ProductionsDunkelheit Produktionen、アイルランドのInvictus Productions、アメリカのHell Headbangers RecordsOld Cemetery RecordsDark Descent RecordsSatanic Skinhead Propagandaが候補として挙げられるだろう。

 そしてそれらrのレーベルがリリースに関与した"志を引き継いだバンドは以下の通りである
 
sadomator.jpg
    ヨーロッパ
  • Sadomator (ex-Sadogoat) (1998-)
  • Embrace of Thorns (1999-)
  • Anal Blasphemy (2002-)
  • Blasphemophagher (2002-2012)
  • Bestial Raids (2003-)
  • Proclamation (2003-2012?)
  • Teitanblood (2003-)
  • Pseudogod (2004-)
  • Wargoat (2006-)
  • Demonomancy (2008-)
  • Goatblood (2011-)
  • Witchcraft (2013-)

black witchry
    北米
  • Ouroboros (1997-2010)
  • Axis Of Advance (1998-2007)
  • Black Witchery (1999-)
  • Revenge (2000-)
  • Nyogthaeblisz (2002-)
  • Martyrvore (2002-)
  • Necroholocaust (2003-)
  • Amputator (2005-)
  • Nuclearhammer (2005-)
  • Antediluvian (2006-)
  • Nocturnal Blood (2008-)
  • Weregoat (2009-)
  • Abysmal Lord (2013-)

witchrist.jpg
    南米
  • Seges Findere (1999-)
  • Goat Semen (2000-)
  • Nihil Domination (2003-2013?)
  • Hades Archer (2005-)
  • Wrathprayer (2006-)
  • Bloody Vengeance (2009-)

    オセアニア
  • Diocletian (2004-2015)
  • Witchrist (2006-)
  • Heresiarch (2008-)
 
Genocide_Shrines.jpg
    アジア
  • Nechbeyth (2001-)
  • Zygoatsis (2003-)
  • Damaar (2004-2006)
  • Infernal Execrator (2005-)
  • Battlestorm (2007-)
  • Nocturnal Damnation (2010-)
  • Genocide Shrines (2011-)
  • Blasphmachine (2012-)


 これらのバンドを並べたのは一つは各地域から新しいバンドが出てきているということ、そして特に前述した2002年前後に多く結成されていることだ。この事実は過去のマテリアルの再発が促したシーンの活性化を表していると言えよう。なお、上記バンドリストは特定レーベルが関わったバンドという限定に基づいており、このジャンルの重要なバンドを全て網羅的に示しているものではない。しかしかなりの有名なバンドを網羅していることは確かである。

 また更に00年代後半から現在まで、アクティブなバンドを俯瞰的に見てみると、実はvol.1で触れた各バンドの要素が混在化されていったようなスタイルのバンドが増えていることがわかる。決してトレンドに振り回されず、自己のスタイルに進化ではなく深化していった結果としての、近いベクトルを持つ各スタイルの共鳴が図られているのである。例えばニュージーランドのDiocletianでいえば、オセアニアブラックメタルとしてのBestial Warlustのスタイルをベースとしつつ、Incantationスタイルを合わせたものになっているし、フィリピン(現在はコスタリカ)のDeiphagoはBlasphemyのスタイルをベースとしながら、さらに南米ベスチャルスタイルを融合というより掛け合わせたような感じでとにかくダーティーで破壊的なスタイルを確立している。

■ 十ニ章: 最後に

 最も1st wave BMの直系だといえるスタイルでありながら、シーンのオーバーグラウンド化を嫌って地下に潜った結果、ブラックメタルのサブジャンルとして認識されてしまったWar/Bestial Black Metalであったが、その後、再評価が進むような各"個人"の動きがそのアンダーグラウンド性を保ちながら世界中に広まり、重要な過去音源の再発のみにとどまらず、新たなバンドの始動や、もしくはArchgoatやBeheritのような重要バンドの再結成に至った。

 War (Black) MetalのパイオニアであるBlasphemyは、その重要な過去音源の再発という起爆材においてもやはりNWN!の行動と共に共鳴しており、過去から現在に至るまでこのジャンルにおいて最も重要なバンドであるということは言うまでもない。

 最後にそのBlasphemyの発言から引用してこのコラムを閉める。


 ―Would you say Blasphemy is Black Metal, Black/Death or something else?
 Blasphemy: Only Black Metal.
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Evil "2nd demo" のリマスタリングver. 

以前、当ブログでインタビューさせていただいたEvil
2nd demoをリマスタリングしてYoutubeに公開したそうです。



インタビューでも
ちょっとやりすぎた(音をチープにしすぎた)かな、と反省していて(笑)、出来ることならリマスタリングしたいですね。
と仰っていたので、まさに有言実行ですね。

もちろんリマスタリングの方もやりすぎることなく、
曲の雰囲気はそのままにクオリティが底上げできているように感じました。
是非視聴してみてください。
タグ: Evil  Youtube 
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