2014年を振り返って 

■ 今年ももうすぐ終わりです

 今年もベスト記事というほどたくさんの音源を聞いていません&聞き込めていませんが、購入した主に新譜音源を振り返りつつ、来年に向けての抱負なども述べたいと思います。購入した音源のリストはこちら

 個人的にはブラッケンデス/ウォーブラックメタルを中心に熱い1年でした。Diocletianの3rdアルバムは地獄デスメタル - Incantation>的な感じが素晴らしいです。ゴリ押しではなくズンズンきます。最高です。Teitanbloodの2nd、こちらは呪詛をぶちまける感じの轟音と不穏のコンビネーションが高次元でまぐわっていて素晴らしかったです。Nuclearhammerの2ndはずいぶん風変りしたウォーブラックでインダストリアルノイズな側面と突貫ウォーブラックをミックスしていて、神秘的な雰囲気がありながら獣性を感じるという一筋縄ではいかない内容でしたが、それをリスナーに受け入れさせるだけの説得力が備わっていました。この3枚はこの系統が好みであれば避けては通れない重要盤だといえるでしょう!

diocletian_gesundrian.jpg teitanblood_2.jpg nuclearhammer2.jpg


 Autopsyの7thですが、復帰後はコンスタントにアルバムを出していてすべてが力作ぞろいなのは本当に敬服そのものです。一方でもともとAutopsyの音を北欧で再現していると話題になったMorbus Chronの最新作は先輩バンドすべてをなぎ倒すがごとく、とんでもないアルバムを作ってきました!今年のデスメタルアルバムの中でこれ以上に完成度の高い作品があったらぜひ教えてください。それくらい素晴らしいものでした。一方で、ブラジルのBehemothのマテリアルの再発、これはすごいです。いわゆるプレブラックとでもいうべきものですが、直接デスメタルやスラッシュメタルの影響を反映していない内容でめちゃくちゃ原始的、原初的な邪悪さがあります。近年、こういう南米ものの再発がありますが本当にありがたいことです。

autopsy7.jpg morbuschron2.jpg behermoth_c.jpg


 さて、ここまでブラック/デス周りで名盤/良作が相次いだものですが、ブラックメタルの新譜としてはまずBlack Ciliceの2ndのCD再発盤が素晴らしかったですね。アナログ徹底主義で困ったものだったのでありがたい限りです。As Light Diesの3rdはまさかの日本のレーベルからリリースされるとは思いませんでした。ストーリーのあるゴシックなブラックメタルで面白い内容でした。Nadiwrath / Preteen Deathfukのスプリットは前者は全く知らないギリシャのバンドでしたが、後者に関しては今までよりへヴィな作風に代わっていまして、ちょっと残念でもありましたが力作だったと思います。Preteen Deathfukは今までベースに日本人の方がヘルプで入っていたのですが脱退されたとのことで残念ですね。

blackcilice2.jpg as light dies3 nad_pre_sp.jpg



 国産といえばまず何と言ってもSex Messiahのコンピレーションでしょう!もうみなさん買われましたか?素晴らしいとしかいいようがないというか日本のバンドでこの音が出せるなんて・・・今までアナログしか出していなかっただけに本当にありがたいリリースです。Infernal Necromancyの新しいデモ、名曲"冨獄"の余韻も残しつつ、もう少し勇壮な作風になっています。その結果としてあの涙腺を刺激するメロディは減退していますがこれはこれで素晴らしい。それからGorugothの再始動となったKoozarのアルバム、これも今年の国産ブラックの名盤といえる素晴らしいノイズブラックでした。

secmessiahc.jpg in.jpg koozer.jpg


 他にも国産といえば今年インタビューを受けていただいたAmpulhetaのデモも素晴らしかったですね。新しいアルバムはいつリリースされるのか期待されます。CrucemのEPも前作に比べて非常にメロディックな方面に舵を切って一皮むけたというか風格まで漂ってきたような気がします。前作の怪しげな感じも好きなのですがこれはこれでアリアリです。Funeral Sutraのデビューデモは個人的にはあまり記憶に残りませんでしたが、今後の活躍に期待ということで。

ampu2.jpg crucem_ep.jpg fune.jpg



■ その他

 今年はインタビュー記事を掲載したり、コラムなどにも少し力を入れた一年でした。今年中には間に合わなかったのですがとある企画が進行中ですので来年にご期待ください。こんなブログで掲載していいのか躊躇われる大型企画です。

 子供が1歳になっていろいろ忙しくなりました。ライブに行く回数も減り、また新譜の購入枚数も減り、さらに言えば聞き込む時間も減り、ブログを更新する時間も減り…、なかなか今までのような楽しみ方ができなくなってしまいましたが、環境に合わせて楽しみ方を変えていこうと思える良い一年でした。

 来年もよろしくお願いいたします。ではよいお年を!
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Unbroken Spirit : Lascowiec (2011) 

アメリカのBBHシンパ系ブラックメタルバンド、Lascowiecの1stアルバムを紹介。
ドイツのHammerbund Kunstschmiedeよりテープリリースされ、のちにポーランドのWerewolf Promotionよりlim.1000でCDリリースされた。本稿は後者を紹介している。

lascowiec1.jpg

以前紹介した初期音源コンピの延長線上に存在する1stアルバム。
当時「1曲1曲の尺が短いBranikald」と紹介したが、
今作もまたその作風になっていてその筋は大喜びな内容。

アルバムジャケットが冬の厳しい森をイメージしていることに引っ張られる形で、
非常にコールドなブリザードを体感するようなノイジーなブラックでありながら、
さらにそういう体感面とは違う方向性の説得力を感じるサウンド。
アメリカ発っぽくないというかBBHの影響力というか。

#08はちょっとRAC/NSBMっぽい作風にガラッと変えて、
「抵抗の意志」が何に向けたものなのか気になるところだ。
なお#09は北欧神話の地名を指すタイトル。

Encyclopaedia Metallum - Lascowiec
タグ: Lascowiec    Branikald  USA  2011 
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Apocalypse In Your Heart : Totalselfhatred (2011) 

フィンランドのデプレッシブブラックメタルバンド、Totalselfhatredの2ndアルバムを紹介。
フランスのOsmose Productionsよりリリースされた。


Apocalypse in Your HeartApocalypse in Your Heart
(2011/03/04)
Totalselfhatred

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以前、1stを絶賛したTotalselfhatredの2ndというわけだが、
2011年に購入してからかなり長い間記事にかけないでいた。
はっきりいって当初、「がっかりした」のが正直なところだからだ。

事前に膨らんだ期待の大きさは1stの良さに比例したものであり、
決してこの2ndがダメダメであるわけではなかったのだが、
1stの音質面含めたトータルバランスのすばらしさに対して、
どうもこの2ndはまとまりに欠けるきらいがあったのだ。

正直、楽曲センスを顧みると勿体ないとしか言えない作品なのだが、
「We`re excited to announce that our second album "Apocalypse in your heart" will be repressed & completely re-mixed.」
と公式Facebookアカウントに記載が!
これはもしかしたら2ndの楽曲が生まれ変わるチャンスかもしれない。

Encyclopaedia Metallum - Totalselfhatred
タグ: Totalselfhatred    Finland  2011 
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Berserker Savagery : Intolitarian (2012) 

アメリカのノイズブラックメタルプロジェクト、Intolitarianの1stアルバムを紹介。
SSPのサブレーベルであるAudial Decimation Recordsからリリースされた。

Intolitarian.jpg

Satanic Skinhead Propagandaのオーナーによるノイズプロジェクト。
むしろSSPのオーナーの音源だと聞いて飛びついたのでまさかノイズブラックとは。
というかほぼノイズグラインドっていうくらいブラックの要素は少ない。

SSPと長い付き合いをしているRecord Boyさんによると、
彼は「インダストリアル/ノイズ・ミュージシャンが本業」らしく、
それにウォーブラック/グラインドの要素を取り込んでいる作風になっている。

1曲20分越えで2曲、計44分の轟音地獄。
まさしくアングラ音源としてふさわしい瘴気を備えている音源だが、
それだけに敷居も高く、特にノイズの素養がなければ聞いていられない。
タグ: Intolitarian  USA  2012 
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Soleil Noir : Akitsa (2004) 

カナダのブラックメタルバンド、AkitsaのEP盤を紹介。
メンバーがオーナーのTour de Gardeからテープでリリースされた。
今回紹介するのはのちにAutistiartili RecordsからリリースされたCD(lim.500)である。

SoleilNoir.jpg

アルバム名はSun Wheelの類義語であるBlack Sunのフランス訳であり、
ケベック民族主義を掲げる彼らにとってネオナチと同じオカルトシンボルを用いて
ケベックプライドを主張する音源となっており、ほぼNSBMといってよい。

サウンド面ではハーシュノイズすれすれのガビガビさと、
薄っぺらいプリミティブサウンドということでは一貫するも、
単調なミサントロピックBMからパンキッシュなものまで自由でNSBMライク。

CD盤はラストトラックに20分弱の無音のブランクの後に、
スキンズの代表曲、 Ian Stuartの"Patriot"のカバー。
まさにNSBM好きならピンポイントな音源といえるだろう。

Encyclopaedia Metallum - Akitsa

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タグ: Akitsa  Canada  2001-2005 
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Heavy Rocks : Boris (2002) 

日本のエクスペリメンタル/ストーナーロックバンド、Borisのたぶん5thアルバムを紹介。
日本のQuattroよりリリースされた。


Heavy RocksHeavy Rocks
(2002/04/26)
BORIS

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このアルバム、知り合いからとても強く勧められてお借りしたのだが、
天邪鬼なわたくしは強く推されるほどに抵抗感を感じ、
今の今までろくに聞くこともなく放置していた。

その後、業界関係の人からも当然のごとく勧められ、
とても素晴らしいバンドが日本にいて、
しかもその作品の中でも70年代ストーナー的良さが抜きんでいると聞いた。
(おまけにラインナップにはゲスト参加でMerzbowのAkita氏の名前も)

数年後、ようやく重い腰を上げて聞くに至り、
今までのすべての"押し"の声に賛同する。
いまさら「海外に比肩しうる~」みたいな修飾も不要だろう。

Encyclopaedia Metallum - Boris
タグ: Boris  Japan  2001-2005 
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