Ariettes Oubliees : Les Discrets (2012) 

フランスのシューゲイザー/ポストブラックメタルバンド、Les Discretsの2ndアルバムを紹介。
ドイツのProphecy Prod.よりリリースされた。

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Alcestとスプリットを出して知名度を高めての1stから2年、
メンバー的にもドラマーのWinterhalter、そしてかのAudrey Hadornが在籍しており、
そろそろLes Discretsらしさとやらを明確に打ち出すべき2nd。

しかし当時、「どうせあの時のAlcest以上の物は出せないよ」と、
実はこのアルバムを手に入れた当初はほとんど聞かないまま積んでいたのだが、
いまさらのように耳を傾けてみると美しい創作が広がっていた。

バンドの中心人物であるFursy Teyssierは実はアニメーターらしい。
なるほどこのアーティスティックで非日常的な童話的サウンドはそういうことなのかと。
シューゲイザー/ポストブラックとしてどうかというと若干退屈な音楽性だが、
まるで絵本をめくっていくかのような情景美とその変化という体験としては素晴らしい。
タグ: Les_Discrets  Alcest  France  2012 
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Satan's Shitfuckers : Bömber (2011) 

チリのブラッケンドスピードメタルパンク、Bömberのコンピレーションアルバムを紹介。
アメリカのOld Cemetery Recordsよりlim.1000でリリースされた。

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日本のプレブラック好きが高じてSabbatAbigailともスプリットを出して、
この日本でも知名度が急上昇したチリのバンドの初期音源集で、
デモ音源と、エクアドルのNSBMバンドLapidaとのスプリットの二枚から引用。
ちなみにそのデモタイトルは"First & Last Demo, FUCK OFF!!"で、
デモを乱発するアングラシーンに警鐘を鳴らしてるんじゃないかっていう反骨さが良い。

デモの方はMotorheadVenomの中間くらいの、
モータードライビングさといかがわしさの同梱的なスピードメタルパンクで、
D-Beatクラストな要素も入っている。

スプリットの方は録音状態が異なっていてかなりプリミティブな仕上がり。
作風的にもデモ音源よりオールディーズな印象を持った。

全体的にジャケットから漂っていた苛烈で地獄なサウンドという期待から外れたが、
スピードメタルパンクとしてなかなか聞かせる内容であった。

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タグ: Bömber  Chile  Sabbat  Abigail  2011 
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Raiders Of Revenge : V/A (2000) 

ポーランドのブラックメタルバンド、GravelandとRACバンドのHonorのスプリットを紹介。
アメリカのResistance Recordsよりリリースされ、今年にポーランドのWitches Sabbath Recordsからも再発された。

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前にGravelandはNSBMではない云々みたいな話もあったが、
このレーベル、思いっきり白人至上主義のもので
スプリットのお相手も生粋のRACバンドでどうなってるの。

という突っ込みは置いといて、まずHonorは1989年に結成したRACバンドで、
RAC自体はあまり聞いたことが無いがへヴィメタル好きでも通用するサウンド。
ヴォーカルスタイル的にはまさしくスキンズ的でNSBMを聴く人なら慣れたもの。

一方でGravelandはまさしくこの00年頃の彼らの作風を反映させた、
決して走ることの無い実直なペイガンブラックをプレイしていて、
Bathoryの5thアルバムあたりの作品にミサントロピックな要素が追加されたような感じ。

このスプリットを手にするということは何らかしらポーリッシュシーン、
もしくはどちらかのバンドに興味がある人であるということだから、
十分満足できる作品ではなかろうか。

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Endstilles Reich : Endstille (2007) 

ドイツのファストブラックメタルバンド、Endstilleの5thアルバムを紹介。
スウェーデンのRegain Recordsよりリリースされた。

Endstille ReichEndstille Reich
(2007/10/29)
Endstille

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2000年に結成されて以来、ほぼ1年に1枚とコンスタントにアルバムリリースしている。
個人的にはこの一枚しか持っていないバンドでもあるが近年も精力的に活動しており、
地元ドイツでの人気もなかなか高いようだ。

事前に戦争をモチーフにしたファストブラックと聞いていたのと、
バンド側のステートメントにもアグレッシブなブラックだとあったのだが、
ちょっと意外なくらいファストなブラックにメロウなトレモロリフを絡めた作風で、
特に#2の表題作は佳曲であろう。

逆に言えば#2以外の曲の弱さが作品を通して気になるところで、
地道な活動に裏付けられたストレートなアルバムとして評価したい一方、
そこまで記憶に残る曲もないというのが正直なところだ。

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s/t : Borrowed Time (2013) 

アメリカはデトロイドの正統派へヴィメタルバンド、Borrowed Timeの1stアルバムを紹介。
ドイツのHigh Roller Recordsよりリリースされた。

Borrowed TimeBorrowed Time
(2013/11/05)
Borrowed Time

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以前、2010年に発売されたデモで完全ノックダウンされた経験から、
発売即購入したもののその時点ではあまり手ごたえを感じず。
多分、あのデモと比べてシケシケな哀愁をあまり感じない楽曲が多いせいかと。

1曲目からすぐにBorrowed Timeっぽさは伝わってくるのに、
どうもプラスチック造型のようなそんな気もしてきてしまうのだ。
いや、確かに正統派HMとして非常にかっこいいのだけれども…。

と、そこで#6 "Of Nymph and Nihil"ですよ!
これは完全にあのデモ準拠のしっけしけ哀愁メタルゥ!!!
しかし個人的にはこの一曲しか記憶に残らなかったとも言える。

人によってはパワーアップした!と受け取る人もいると思うが、
個人的には期待外れだったと言わざるを得ない一枚。

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[Live] Black Sacrifice Vol. 011 Satanic Warmaster Japan Tour in Socore Factory (大阪) 

今回のBlack Sacrifice、通称ブラサクはブラックメタルの大物、Satanic Warmasterの来日ツアー。
ついにブラサクもここまでビッグネームの外タレが来るように。
主催者のゼロ次元氏の継続した努力あってのものです(パチパチパチ)

個人的にはSatanic Warmaster贔屓ではないのだけれども、
むしろイベントとしての敬意をこめて今回も大阪公演で参加させてもらいました。

ちなみにレポートにはしていないけど先月のFAREAST DEATH CULT(旧ハマソニ)も見に行っていて、
同じ箱でしかもFuchoCataplexyを既に見ていたと言う。
でもあのときはFuchoは深夜、Cataplexyは朝の6時とかだったから、
今回は万全のコンディションで臨めるぞ、ということで。


1. Sex Messiah

トップバッターは地元大阪のブラックメタルバンド、Sex Messiah
ヴォーカルはあのTerror Squadの宇田川さんなのだが、
何しろ今まで音源を全てアナログリリースというダイハードなバンドなので、
存在は知っていたけど聴いたことが無かったと言う人もいたはず。

サウンドは日本のバンドには珍しい北欧/フランス系でないブラックメタル。
ベスチャルかつ邪悪な南米ブラック的で、
かつドゥーミィなテイストも持つ本気系ブラックメタルサウンド。

自分はこれで二回目だったのだが、今回の方がかなり燃えた。
多分会場の音作りにも関連すると思うが低音が魅力のバンドなので。

実はこの日、初のCD音源ということで2012年までのディスコグラフィ盤をリリース。
自分は会場到着即物販で購入したもののその後瞬殺だったらしい。
このライブ聴けば当然後から欲しくなった人もいるだろう。
そろそろ依託が始まるらしいのでレコードショップを遂次チェックしよう。


2. Fucho

2バンド目のFuchoはメタルサイドではあまり縁がなかったバンド。
確か元々はフォロワーだったかなんかだったが、
スタイルをドゥーム/スラッジの方に切り替えてからオリジナリティが出たバンド。

このスタイルはとってもかっこいいのだがライブで聴くと眠くなるのですよ。
どよよ~ん、どぅ~ん。
最前列で見ていたせいでヴォーカルの音が聞こえにくかったせいもあり、
なおさらどよよ~んとしてしまいました。
なんだか申し訳ない…。


3. Cataplexy

はい、FEDCで先日は始発もすでに動き出している状態でも
頑張って最後までしがみついて見て本当に良かったと思えるカタプ。
新任ヴォーカリストが外国人の方だったんですね、というのもその時の驚き。
前任のM.Curselord氏のパフォーマンスが本当に好きだったのですが、
新任の方も非常に迫力のあるパフォーマンスです。

今回は最初から最後までカタプサウンドに心酔できました。
今更、特に書くことが無いのですが一つだけ。
彼らにはこのライブハウスの横幅は狭すぎるとだけ。
もっと横幅が広いところの方がもっとダイナミックなパフォーマンスが見れるだろうな、と。

今後の活動も超楽しみですね(3rdアルバム)


4. Satanic Warmaster

さてメインですが最前にいて背中から感じる会場の圧力も一気に高まり、
メンバーが出てきたらボルテージは最高潮。
久しぶりにブラックメタルのライブでモッシュも起きてた(っぽい)。

実は彼らの音源は3枚しか持ってないので知ってる曲は3曲くらいだったけど、
やはり大物バンド、パフォーマンスがとにかく優れていて、
ライブ映えするというかこれぞショウだ!っていうのを叩きつけていて、
これに関してはジャパニーズブラックメタルがもっとも見習うべきところかもと思いました。
(とても偉そうですいません…)

どうやらトラブル?でセットリストに変更を強いられていて、
毎曲ごとにカンペを見る社長の姿もなかなかかわいらしかったのだが、
それでもしっかり1時間パフォーマンス仕切って終えたのは凄かった。

結局持ってなかった1st, 2ndアルバムも買うことになるそんなライブ。


さてはて最後に、ですが今回もブラサクほんと素晴らしかった。
「継続は力なり」じゃないけど進行含めてどんどん進化してるイベントだと思う。
もちろん日本のバンドも外タレに負けないパフォーマンスを見せている。

それだけにもっと動員あっても良かったと思うし、
それが今の日本のこの界隈の現状なんだろうか…。
単なる一人の客として心配すべきことではないかもしれないが…。

継続して他流試合もして見えてくることもあるだろう。
その成長がまた一つ一人一人の体験を意味深いものにするのだとしたら、
それをサポートすることが自分の体験に還ってくる事もあると思うのだ。
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