Carelian Satanist Madness : Satanic Warmaster (2005) 

フィンランドのブラックメタルバンド、Satanic Warmasterの3rdアルバムを紹介。
ドイツのNo Colours Recordsよりリリースされ、その後も複数回リイシューされている。

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このブログでもたびたび申し上げている通りフィンランドのトゥルーなブラックとは、
BeheritArchgoatのようなレジェンドバンドの繰り出す音であり、
Hornaを端に発する第二世代フィンランドブラックのそれとは異なると思っているゆえ、
私はこのバンドをどうしても穿った見方で見てしまう。

それでもここまでのビッグネームの来日に対して見向きもしないわけにもいかず、
改めてこのバンドについて見直す時期が来たと思ったのだ。
(この項を書いているとき、既に公演1日目が終わっている)

さてこの3rdアルバムは世間的にも名盤と捉えられているであろう一枚だが、
聴いてみるとやはりDarkthroneの4thアルバムあたりの影響を感じるし、
またその他ノルウェイジャンブラックのメロディックな面を踏襲していると思う。
但しそれらが全て違和感なく取り込まれていることに大きな才能を感じるし、
彼がミュージシャンとしての才覚を持っていることの証左であろう。

歌詞やジャケット、ブックレットなど彼の作品にはナチをモチーフにしている事も多い一方で、
インタビューでは再三、NSBMではないと主張しているが、
恐らく個人的な見解としては彼は何らかの演出にナチを使っているだけだと思われる。
つまり彼にとってはテーマは自分のやりたい音楽の副産物にすぎないのではないか。

こんな風に書くと「トゥルーではないエセブラックメタルだ!」と言いたいのかということになるが、
そういうつもりでもなくてブラックメタル"ミュージシャン"としての一つのスタンスであろう。
そういう意味ではライブパフォーマンスなどは逆にとても楽しみであり、
さてはて私は明後日11/2の大阪公演に行く予定である。

Encyclopaedia Metallum - Satanic Warmaster
タグ: Satanic_Warmaster  Finland  Horna  Archgoat  Beherit  2001-2005 
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Jane Doe : Converge (2001) 

アメリカはマサチューセッツのカオティックメタルコアバンド、Convergeの4thアルバムを紹介。
アメリカのEqual Vision Recordsよりリリースされた。

Jane DoeJane Doe
(2001/09/04)
Converge

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このバンドを知ったのはBetween the Buried & Meにハマった時で、
順番としては完全に逆じゃねえか!と突っ込まれそうだが、
そのときは最近出てきた"ニューメタル"バンドの中の1つだと思っていた。
まさか1990年に結成していて、このアルバムも2001年に出ていたとは!

その後、このバンドがそのシーンの中での重鎮であることを知っても、
天の邪鬼である自分は素直に耳を傾けることが無かった。
このアルバム褒めておけば"音楽通"的なポジションだろ?って思っていた。

今改めて聞いてみるとハードコアの粗暴さとポストロックの知的さが融合して、
非常にカオティックであるのに一本筋の通った質の高いアルバムだと思う。
#08"Heaven in Her Arms"はあのバンドの由来であろう素晴らしいチューンだ。

しかしやっぱり素直に聴くことができなかった。
このバンド自身というよりどこからか「これすげえだろ?」と幻聴が聞こえるからだ。
ただ単に天の邪鬼なだけだ。
タグ: Converge  USA  BTBAM  HiHA  2001-2005 
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The Eyes Of The Beast : Astrofaes (2000) 

ウクライナのブラックメタルバンド、Astrofaesの2ndアルバムを紹介。
ウクライナのOriana Musicよりテープでリリースされ、後にフランスのOaken ShieldからCDリリースされた。

astrofaes2.jpg

Hate Forest、Drudkh、Khorsなどのウクライナ重鎮ブラックのメンバーが参加しているバンドで、
ジャケットが雪山の風景でネイチャー系ブラックかと思いきや、
結構地味でプリミティブなブラックメタルでThuriosの咆哮が実に邪悪。

一部ではNSBMと紹介されることもあるがDrudkh同様に、
ヒーゼニズムの類の歌詞は入っているがその手のレイシズム的アプローチはない。

地味ながらたまに挟んでくる妙にメロウなパートがきらりと光り、
ザ・ウクライナと言わんばかりのブラックメタルに仕上がっている。
やはりウクライナのブラックメタルは全く侮れない。

Encyclopaedia Metallum - Astrofaes
タグ: Astrofaes  Ukraine  Hate_Forest  Drudkh  Khors  1996-2000 
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Songs to Leave : Forgotten Tomb (2002) 

イタリアのデプレッシブブラック/ゴシックメタルバンド、Forgotten Tombの1stアルバムを紹介。
今はなくスウェーデンのSelbstmord Servicesよりリリースされ、近年所属レーベルのAgoniaより再発もされている。

Songs to LeaveSongs to Leave
(2012/03/13)
Forgotten Tomb

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今となってはデプレッシブ/スーサイダルブラックのクラシックな一枚になったアルバム。
ジャケットが全てを表わしているかのように人の内面をディープにえぐる絶望を表現。
完全にメランコリックな作風をブラックメタルナイズドすることで絶望感がでている。

ちゃんと聞いてみると結構ドゥームメタルな要素があったりして、
そこがまたその雰囲気を助長してまあとにかくデプレッシブな作風だが、
Burzumの流れをしっかり踏んでいると実感するのと、
とにかく楽曲の完成度として他の並なデプレブラックとはまるで質が違う。

後に彼らはゴシックブラックの方面に向かっていくわけだが、
既にこの頃から様々な影響や要素をしっかり消化して、
作品として仕上げることに長けているアーティストなんだと感心した。

Encyclopaedia Metallum - Forgotten Tomb
タグ: Forgotten_Tomb  Italy  Burzum  2001-2005 
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Satanic Blood : Von (1992) 

アメリカはサンフランシスコのカルトブラックメタルレジェンド、Vonのデモ音源を紹介。
自主リリースによるテープリリースした後、様々な非公式での再発が相次ぎ、
2003年にNWN!で初めて公式的にコンピの一部として再発されたが、
今回紹介するのはオランダのHammerheart Recordsが2011年に再発したもので、
曲目はオリジナルに完全準拠の8曲収録である。

vondemo.jpg

Watainのバンド名の由来の曲もあったり、
Dark Funeralが1stアルバムでカバーした曲もあったり、
2nd-Wave BMの有名なブラックメタルバンドに大きな影響を与えた音源である。
どうやらBurzumVargが広めたらしい。

スタイルは実際、BathoryやらCeltic Frostやらのヨーロッパ1st-Wave BMとも異なり、
いずれの曲も短尺で淡々としたブラストをベースにミニマリズムに徹している。
リフの種類も少なくそこには感情の高まりなど無くただ単に黒く邪悪なだけである。
そしてそこが猛烈にカルト的な異彩を放っている。

ちなみにこれを含む2枚のデモの作った後、一度バンドは活動停止しており、
2010年に復活したものの中心人物のGoat氏が離反して、
Von Goatを結成(ほぼソロプロジェクト)、
Von自体はVenien氏が継続する形になった。
個人的にはバンドを継承しているのはむしろVon Goatの方だと思う。

Encyclopaedia Metallum - Von
タグ: Von  Von_Goat  USA  1991-1995 
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1st Demo : Pecking Order (2012) 

日本は千葉のクロスオーバー系ハードコアバンド、Pecking Orderのデモ音源を紹介。
自主リリースのデモだがしっかりプレスされている。

peckingorder1.jpg

ハードコアのイベントを見に行った時、目当て自体は違うバンドだったのだが、
このバンドのイベントだったようで入口で2ndデモを頂いた。
この日はとにかく目当てのバンドだけ見て用事のため退散したが、
帰宅後に何ともなく荷物に入っていたデモを再生して面食らい、
後日、この1stデモを入手したと言う訳だ。

ベースは元Confused Mindの人らしく、ギターの刻みも完全にスラッシュメタル、
同時にこの勢い、熱気はハードコアを源にするもので、
なるほどクロスオーバースラッシュハードコアなのだが、
思い出すのはCryptic Slaughterのような古きクロスオーバーではなく、
むしろThink Againのようなレイジングジャパコアと呼ばれる類のもの。

スラッシュメタルとハードコア好きが手に入れない理由が無い素晴らしい内容。
(なんせ\300だよ!)

公式サイト(魔法のiランド)
タグ: Pecking_Order  Think_Again  Japan  2012 
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И Берем Плодовете На Нашето Нехайство : Aryan Art (2009) 

ブルガリアの"BulgAryan"ブラックメタルバンド、Aryan Artの3rdアルバムを紹介。
ポーランドのWerewolf Promotionよりテープリリースされた後、フランスのThor's Hammer ProductionsとメキシコのDeath Cult RecordsよりCDでリリースされた。

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ブラックメタルファンジンの記念すべき1号にインタビューが掲載されたNSBMバンド。
従来、Alexander氏の独りバンドだったが今作ではギタリストが参加しているらしい。
そのせいもあってか2ndアルバムまでと比べると若干作風が変化している。

元々フレンチNSBMライクなブラックメタルサウンドだったのだが、
そのスタイルに加えてBBHライクなモノクロームなミニマリズムサウンドと、
そしてBurzumライクなデプレ手前のプリブラが合体した感じ。

このスタイルの変化によって彼のブルガリア民謡の造詣がより深く反映されており、
その物憂げなサウンドが特にメランコリックに胸に突き刺さる。
最後のボーカルレスの楽曲はちょっとInfernal Necromancyっぽいなあ。
と思ったらインタビュー記事にも本人が好きな日本バンドだとコメントがあった。

ちなみにこのアルバムの後は新曲1曲のみスプリットで出して(未聴)、
まだ新作の方は出ていないのだが活動の方はどうなっているのだろうか。

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タグ: Aryan_Art  Infernal_Necromancy  Bulgaria  2006-2010 
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Grim March To Black Eternity : Argar (2004) 

スペインのブラックメタルバンド、Argarの2ndアルバムを紹介。
ドイツのSolistitium Recordsよりリリースされた。

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以前に1stアルバムを紹介したが、そちらと同様にEmperor1stフォロワーサウンド。
基本的に彼らの1stの延長線上というか同じクオリティを保っていて、
Emperor1stライクなシンフォブラック好きにはたまらないだろう。

彼らはまず演奏がしっかりしていて捨て曲も無いのがポイント。
シンセサイザーの使い方もやりすぎない程度の存在感がニクい。
また1stアルバムより若干メロくてエモーショナルなパートもあったりして、
そのあたりのくすぐり方も実にうまい。

個人的にはシンフォブラックというものに食傷気味な時期もあったりして、
素直に受け入れられない時期もあったが、
しっかり聞いてみるとさすがのクオリティだと唸ってしまった。

彼らはこのアルバムを最後に解散。
メンバーであるUr Profanum氏の独りバンド、Grim Funeralは若干スタイルを継承しているが、
クオリティとしては幾分落ちていてその後は追っていない。

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タグ: Argar  Spain  Emperor  2001-2005 
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人のために生きるか 自分のために生きるか : 屍 (1999) 

日本のファストコアバンド、の1stアルバムを紹介。
日本のMCR CompanyよりCD/12"LPでリリースされた。

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先日、小岩BUSHBASH presents 「SALAD DAYS」にて活動停止した
小生、現場には行くことができず現地販売のライブCDの購入をお願いし、
家でこのアルバムを聴きながら思いを馳せていたのであった。

元々、このバンドの存在を知ったのは2011年のことで
とてもじゃないけど大きい顔してこのバンドが好きだと公言できないが、
その2011年のライブで完全に心を奪われてしまった。

その時に味わったのは陰鬱なネガティブファストコアに移行した後のスタイルで、
もっとストレートなジャパコア系のファストコアをプレイしていたこのアルバムは、
完全に後追いで後から聞いたものである。

以前のファンジン(自分も参加した)に掲載されたインタビューの中では
「仏教的アプローチ」という言葉があったが造詣が足りず解らない。
しかし…

 人の痛みも感情も情けも愛情も、
 何も感じられなかったら
 他人のことを考えずに、
 どれだけ楽に生きられるだろうか?


インナースリーブに掲載されている文言だ。
この悲痛な叫びは外向的な情を持っているからこそ出るものだ。
その後、EP "自我と煩悩"以降、内向的な作風になっていく。

そしていつかこのブログでも紹介するであろうライブCDのラストトラックは
この1stアルバムのタイトルトラックを持ってきている。
つまり彼らは戻ってきたのだ。

輪廻であろう。

つまりこの活動停止は終わりであり始まりなのだ。
タグ:   Japan  1996-2000 
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Causa Fortior : Eschaton (2006) 

ギリシャのブラックメタルバンド、Eschatonの1stアルバムを紹介。
ギリシャのNykta Recordsよりリリースされた。

eschaton1.jpg

以前、2ndアルバムを紹介したことがあるバンドで、
あの時点ではこの1stアルバムは持っていなかったわけだが、
届いてみればちょっと驚き、気に入った2ndとは作風が異なっていた。

2ndはかっちりした平凡なメロブラで、その平凡さがある意味素晴らしかったのだが、
この1stはドタバタに勢いで進むメロウなブラックメタルで、
ちょっとドラムのリズムがあぶなっかしいところが逆に琴線をくすぐってくる。

なるほど2ndに比べて随分とこちらの方がギリシャっぽいブラックメタルだ。
少なくとも日本ではほとんど人気なさそうで売れ残りも目立つし、
上記の文句にピンとくる人は結構オススメです。

Encyclopaedia Metallum - Eschaton
タグ: Eschaton  Greece  2006-2010 
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s/t : Eole Noir (2010) 

ベルギーのロウブラックメタルバンド、Eole NoirのEP盤を紹介。
フランスのThor's Hammer Productionsよりlim.200でリリースされた。

eolenoir.jpg

バンド名から察するにベルギーのフランス語圏バンドで、
かのPagan Frontに所属していたSombre Cheminと2回スプリットを出しているが、
このバンド自体は特別NS思想はなく、そのかわりニーチェ的な思想の様である。

ジャケットのとおりモノクロームに支配された淡々とした曲調で、
フレンチブラックに見られるメランコリックなブラックメタルをプレイしているようで、
しかしながら更にどこか人を突き放したようなミサントロピックさが特徴。

たった2曲の収録で両方、10分越えの大作、
しかも1曲は完全インストという構成も突き放された感があって、
一つのコンセプトとして成立しているのだと無理やり頷いてみる。

Encyclopaedia Metallum - Eole Noir
タグ: Eole_Noir  Sombre_Chemin  Belgium  2006-2010 
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Likpsalm : Grifteskymfning (2011) 

スウェーデンのブラックメタルバンド、Grifteskymfningのデモ音源を紹介。
スウェーデンのAncient Recordsよりリリースされ、今年、Darker Than Blackから再発された。

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Svartrit、Kaos Sacramentumのメンバーが一部絡んでいるバンドで、
上記のバンドに近いスウェーデンのメロディックブラックメタルの系譜をたどっている。

しかしデモ音源らしく籠ったサウンドプロダクションのためもあってか、
メロディラインとは裏腹にプリミティブで怪しげな雰囲気も醸し出している。
(本当かどうかは知らないがテープレコーダーを森に持っていって録音したとか)

個人的にはメロメロしすぎていない邪悪さが漂っているタイプに惹かれるので、
Svartritより好みだったりする。
問題はこのデモの後にまだフルレングスが出ていないことだが…。

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タグ: Grifteskymfning  Svartrit  Kaos  Sacramentum  Sweden  2011 
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Armageddon Cobra : Ammit (2009) 

チリのブラッケンスラッシュメタルバンド、Ammitの5thアルバムを紹介。
チリのTyrannus Recordsよりlim.1000でリリースされた。

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1991年から活動する古参ブラッケンスラッシュメタルバンド。
個人的にはノータッチだったが海外ディストロでまとめ買いした時に何気なく購入。
実はこのチリのレーベルから引っ張ってくるのはかなり大変だとかで運が良かった。

内容は1stのあたりのBathoryVenomを合わせたような音で、
いかがわしさ、邪悪さ、そしてノリの良さが同居した、
ブラッケンスラッシュとしては理想的なものに仕上がっている。

またアルバムを通して楽曲のヴァリエーションが豊富で、
なるほどベテランブラッケンスラッシャーだけあると納得できる一枚。
なかなかにオススメなアルバム!

Encyclopaedia Metallum - Ammit
タグ: Ammit  Chile  Bathory  Venom  2006-2010 
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