2013年を振り返って 

■ ベテランバンドの活躍

 何と言っても今年は贔屓にしているベテランバンドの新譜が多くリリースされ、とてもうれしい一年でした。Darkthrone - The Underground Resistanceは前作までのメタルクラスト的アプローチから更に正統派メタルからのアプローチも加えて、人によっては怪作と捉えられたようですが個人的には快作でした。また、Sodom - Epitome of TortureAutopsy - The Headless Ritualの二枚に関してはベテランの意地、気炎をヒシヒシと感じる良作で、ここまでくると音楽というより生き方を聞いているようにすら感じました。

1.jpg 2.jpg 3.jpg


 Exhumed - Necrocracyは後期Carcassトレースという感じで、ちょっと残念な方面に向かっていますが去年の来日公演はさすがでしたし次に期待!Helloween - Straight Out Of Hellに関しては購入動機が腐れ縁という感じだったので、その内容の良さに喜びがエンハンスされました。

4.jpg 5.jpg


 他に今年のベテランのリリースではAmon Amarth - Deceiver Of The Gods、Carcass – Surgical Steel 、Cathedral - The Last Spire、Inquisition / Obscure Verses for the Multiverse、Rotting Christ – Kata Ton Daimona Eautouあたりは購入意欲はありますが、まだ手に入れていません。特にCarcassに関していえば国内盤にするかどうか悩みまくってそのまま年越しに突入です。この中で今一番欲しいのはむしろInquisitionですけどね。かなり評判がよいので早く聞いてみたいです。


■ 今年のブラックメタル
 
 ブラックメタルにおいてはCultes Des Ghoules - Henbane、Impious Baptism - Wrath of the Apex Predator、MasseMord - A Life-Giving Power Of Devastationはいずれも良作だったと思います。Cultes Des Ghoulesはクトゥルー神話系ブラッケンデスで、名作だったHäxanから更に深化しています。Impious Baptismはオセアニアウォーブラックの系譜を感じさせてくれました。本当にオセアニアウォーブラックは熱い!Massemordはノルウェーのバンドではなくてポーランドの方ですが、Furia人脈だけあって上質なポーリッシュブラックでした。

6.jpg 7.jpg 8.jpg


 新鋭としては日本のHidden Marly ProductionからリリースされたウクライナのZavid'(Заводь) - Крізь коло і п'ять кутівはとても素晴らしいメロディックブラックでした。1stも同じく再発されていてこちらも素晴らしかった!メロディの優れたペイガンブラックが好きなら2枚とも是非買いましょう。それから日本のCrucem - demoは一部の国内ブラックの神秘性重視に対するアンチテーゼが痛快でしたが、それでいて彼らのサウンドには90年代ブラックを経由しつつ、しっかりと神秘性が宿っていた良デモでした。神秘性はバンドの売り方ではなくて、音そのものに宿るということを叩きつけてくれます。一方でEvil - 2nd demoは前のデモと違って「ウケる方に置きに来ている」ように感じてしまい、その初期衝動の減退感からあまり楽しめなかったのは残念でした。日本の学生さんバンドはよく大学卒業の節目に色々問題が発生しがちな印象なので頑張ってもらいたいものです。(海外の事情はどうなのだろう?)

10.jpg 11.jpg 9.jpg


 ブラックメタルから飛び出している作品としてはheaven in her arms : COHOL - 刻光 (split)は強いていえば収録曲数くらいしか非のつけようがない良作だったと思います。特にCoholは1stアルバムのときより、音と世界観、共に深みを増してきたと思います。「説得力がある音」とはこのことを言うのでしょう。それから、日本のLongLegsLongArms(3LA)からリリースされた(初リリースにしてとんでもないものをリリースしてくれました)Khmer : After Forever - splitもHIHA/Cohol同様に既存の音楽性を踏襲しつつ、さらにそこに安住することのない野心を強く感じました。そうそう、Khmer好きに今年リリースとして紹介しておきたいのがDodsferd : Chronaexus - Desecration Rites (split)です。まあDodsferdはいつもの彼ららしい作品ですが、ChronaexusはKhmerと方向性が非常に似ていて単純にとてもカッコいいです。国内ディストロにも入荷しているので宜しければ。なお過去作はアンビエントブラックっぽかったようで、未聴ではありますが責任はとれません。

12.jpg 13.jpg 14.jpg


 そこそこ残念だったのは手に届く前の期待値が凄い高くなっていただけにVhöl - s/tでした。メンバーが非常に豪華で、しかもやっていることがブラッケンロールと聞いていたのでどんなものかと思っていましたが、想像していたような内容ではなく、結構小難しいことやろうとしている感じでした。こればっかりは音源が悪いのではなく試聴しないで買ってしまう私が悪いのです。


■ その他のジャンルの新譜

 デスメタルではやはりMessiah Death - The Way of Immortalは素晴らしかったですね。去年のVoiddの再発に引き続き、日本の初期デスメタルシーンを語るに外せないバンドの再発で非常に価値があるものでした。一方で来日したことでも話題になったPortal - Vexovoidに関してはライブ同様にやっぱり「何が何だかわからんが何か凄い」アルバムでした。まだ手元に届いて三日の巨人大虐殺 - Muhakaに関してはさすがに聴きこみこそ全く足りていませんが確実にヤバいです!

15.jpg 16.jpg 17.jpg


 その他のジャンルの新譜で気に入ったものといえばパンキッシュなスラッシュメタル勢で、ブラジルのAtomic Roar - Metal Mayhem、ドイツのMotor - Motorです。前者は何と日本のDeathrash Armageddonよりリリースされたもので、さすがDxAxさん、日本の南米化を企んでいるだけあります。とっても南米!なメタルパンクです。後者は「マスターボリュームが小せぇ!」という感想が先に出てきますが、非常にかっこいいドランクモーターパンクです。純ヘヴィメタルとしてはBorrowed Time - s/tにとっても期待していました。去年出たコンピレーション"Arcane Metal Arts"を今年手に入れてめちゃ感動したからです。が、そのときほどの手ごたえは正直なかったのはこの手のジャンルに私の造詣がないからでしょうか。

18.jpg 19.jpg 20.jpg


 昨年に引き続きちょろちょろと聞いている日本のハードコアパンクにおいては、Proletariart - 孤立する否定の精神Oledickfoggy / 凡テ奈落ノ代理サマは上半期のまとめ記事にも書いた通りで素晴らしい内容でした。後はライブに行ったらタダでいただけたPecking Order - 2nd demo、これはThink Again好きなら絶対ハマること受け合いのメタリックなハードコアでガッツリハートを鷲掴みされました。ちなみにOledickfoggyの新譜シングルとThink AgainのEPは結局買いませんでした。2バンドとも近々フルレングス出すんじゃないかなーと期待しています。


■ 行ったライブ

TTF(Exciter、Violator、Jurassic Jade、Hellbringer、Riverge、Blind Hate) @ 2/9 in 江坂MUSE (大阪) 
 毎年恒例のイベントだったけど相変わらずスラッシュ大好きおじさんが沢山いてとても楽しいライブです。一番印象に残ったのは実はHellbringerだったりします。ブラジルのViolatorも迎え撃った日本勢もカッコよかった。Exciterは最後まで見れなかった…トホホ。

KEEP AND WALK presents. (ISOLATE、inforest、Cohol、etc...) @ 2/23 in HOKAGE (大阪)
 Coholが素晴らしすぎて他の記憶がかなり薄れているけれども、沖縄のInforestも良かった記憶があります。物販買えばよかったと思うけど終電やばくて出てきちゃいました。

Oledickfoggy ワンマン @ 3/9 in KINGCOBRA (大阪)
 噂には聞いていましたが、参加して初めてわかる彼らのライブの楽しさ、そして激しさ!下手なメタルのライブより観客の暴れ方もやばいし、いつもならそういうときに逆に冷めちゃいがちな自分も燃えました。またワンマンいきたいなー。

Was,Is&Always(Think Again、Bacho、Burning Sign、etc...)@ 5/18 in Clapper(大阪)
 一人でハードコアのライブ行ったのは初めてで、会場にも誰も知り合いいなくて寂しかったという思い出が強いですが、Think Againではどちゃくそアガったし、Bachoは初見だったけどとても心にしみる音楽をやっていました。あとBurning Signは嫁さんの知り合いの人がメンバーだったと後で知って驚きました。

The Spring is Gone Tour 2013(The Crown、Gorod、兀突骨、etc...)@ 6/13 in Pangea(大阪)
 あの噂の呼び屋さんがやってるライブで、とにかく出演バンドの数が多くて、今となっちゃThe Crown、Gorod、兀突骨、Hypocrasしか覚えてないのは、そのバンドに申し訳ない感じです。しかしながらThe Crown最高でしたし、兀突骨もすごい良かったけど帰り際に物販売り切れてて残念無念。せめてHypocrasのEPは買いましたが生の方がよかったです。

Serpent Sermon Tour 2013 in Japan(Marduk、Taake、etc...)@ 9/6 in 難波ロケッツ(大阪)   これまた例の呼び屋さんで、相変わらず出演バンドめっちゃ多かったですね。結構気に入ったバンドも多く、せめて物販でも…と思っていたのに来日バンドの音源、全然置いてないの。これは正直残念!Taakeの音源なんてどこでも買えるんだよー。どうやら会場ではTaake見に来ましたっていう人多かったけど、私はあくまでMardukでした。クラーイストレイピーン!最高でした。会場ではDMPの日本支部の中の人と会ったので「Archgoat呼んでよ!」って言った記憶あります。ちなみに帰宅中の地元でリーマンに声かけられて「今日、Taake見に行ったんすか!?」って言われて、「ええ、Marduk見に行きました」みたいなへそ曲がりな解答しました…。

MadDangerSoup vol.3(Aspirin、Coffins、Doraid、illya、Pecking Order、etc...)@ 11/23 in 小岩BUSHBASH(東京)
 偶然、友人の結婚式で関東に帰省するタイミングでillyaの中の方からお誘い頂き、見に行ってきました。とにかく私の中でillyaのライブだけは見たいと思っていた矢先のことだったので渡りに舟というやつでした。とりあえず生illya最高でした。当日はギターが一人だったので「灯を消さないようにー!」が無かったことだけ残念でしたね。久しぶりのDoraid、多分2012年のグラバス以来でしたが、やっぱりどういう舞台でもDoraidはDoraidでした、すばらです。Pecking Orderは既に述べた通り、このライブでデモを貰いましたが、帰りの時間の問題でライブでは聞けなかったのが残念です。

PORTAL x COHOL Japan Tour 2013(Portal、Cohol、Vampillia)@ 11/28 in Conpass(大阪)
 年内最後のライブはこのライブでした。Vampilliaはいつも通りのパフォーマンスですばらでした。Portalは「なるほど!よくわからん!」という感じをライブでも味わえました。異形な出で立ちにみんな写メとっているのが何とも滑稽で、ああいうのは日本特有なのかなと感じました。しかしライブ前にCoholの至さんがメンバーを夕飯に連れ出すの見ちゃってネタバレ感半端なかったです。そのときの印象は心の中にしまっておきます。しかしなんといってもこの日はやはりCohol。2月の時とスケールが違いましたね。パフォーマンスが凄い。お約束じゃない自然発生型モッシュピットの形成は、彼らの凄さを物語っていました。素晴らしかったです。


■ 来年の抱負

 今年は7月に子供が生まれまして、音源の購入量、そしてライブの回数も減ってしまいました。これからは量より質を大事にしないといけません。が、シーンのサポート、これだけは微細なものであっても続けていきたいと考えています。どういったものがサポートになるのかを考えようかとは思っています。

 あと、何だかよくわからないもののジャケ買いは続けていきたいなあと思います。そういうものもメジャーなものもひっくるめて、インプレッションを垂れ流していくブログとして来年も引き続きお付き合いいただけたら幸いです。

 それでは佳いお年を!
その他  /  tb: 0  /  cm: 0  /  △top

Holocaustik Metal Sexxxekution Whoreslaughters : V/A (2008) 

日本のAbigail、シンガポールのIronfist、元フィリピンのDeiphagoの3wayスプリットを紹介。
タイのSlava Productionsよりlim.666でリリースされた。

va_abigail

日本が世界に誇るAbigailは非常にロウなサウンドプロダクションで
いつも通りのブラッケンスラッシュをプレイ(5曲)。
邪悪というよりどことなくいかがわしさを感じさせるAbigailの真骨頂!
Bulldozerのカバーも「らしさ」が存分に出ている。

Ironfist(あの方ではない)はこのスプリットが初見だが、
Sabbatともスプリットを出しており日本の大御所と交流があるようで、
志向性もそちらに近いがちょっと音が軽くて勿体ないと思う。
彼らはNuctemeronをカバー。

さてDeiphagoがこのスプリットを購入した一番の理由だが、
若干彼らの2ndと比べると曲の外形が浮かび上がってきており、
そこまでめちゃくちゃなことにはなっていないのはちょっとだけ残念。
彼らがカバーしたのはHellhammerで意外!

Encyclopaedia Metallum - Abigail
Encyclopaedia Metallum - Ironfist
Encyclopaedia Metallum - Deiphago
タグ: Abigail  Ironfist  Deiphago  Various_countries  2006-2010 
Black  /  tb: 0  /  cm: 0  /  △top

Filipino Antichrist : Deiphago (2009) 

元フィリピン、現コスタリカのウォーブラックメタルバンド、Deiphagoの2ndアルバムを紹介。
アメリカのHells Headbangers Recordsよりリリースされた。

deiphago2
(ジャケは複数あるみたいです)

血管ぶち切れ脳みそ爆発系の轟音ウォーブラックメタルを聴きたいならコレ!
ノイズウォーブラックといっても良いくらい何やってるか解らず、
アウトラインが見えてこないまま圧倒され続けて気が付いたら終わっているほど。

初期BeheritBlasphemy、そしてカバーも収録されているSarcofagoの影響を感じるが、
それらと比べてもこの轟音まみれっぷりは抜きんでいる。
勿論だから素晴らしいというわけではないのだが凄過ぎるアルバム。

多分これをライブで再現されても強烈なグラインドコア以上に呆気にとられそう。
しかし本当にライブが見れるようなことがあったら見てみたい。

Encyclopaedia Metallum - Deiphago
タグ: Deiphago  Costa_Rica  Philippines  Beherit  Blasphemy  Sarcofago  2006-2010 
Death  /  tb: 0  /  cm: 0  /  △top

The Tomb Within : Autopsy (2010) 

アメリカはカリフォルニアのデスメタルレジェンド、Autopsyの再結成EPを紹介。
イギリスのPeaceville Recordsよりリリースされた。

Tomb WithinTomb Within
(2010/11/01)
Autopsy

商品詳細を見る


1995年に解散して、2008年に再結成し2曲入りシングルをリリースした後、
本格スタートとして2009年より再始動しての初音源。
まとまった曲数(5曲)の入った音源としては久々の作品。

再結成したバンドがあまりに過去と変わっていたり拍子抜けすることも多い中、
Autopsyはやっぱり違う、本物のデスメタルレジェンドであり、
音質などを除けばまるで90年初頭の彼らの音源を聴いているような感覚。
何も錆ついていないし、何も変わっちゃいない。

この5曲、粒ぞろいでどれも佳曲だが、特に#02"My Corpse Shall Rise"は名曲。
このとき翌年のフルレングスを控えていたわけだが、
その期待度も嫌がおうにも高めた先行EPだ。

Encyclopaedia Metallum - Autopsy
タグ: Autopsy  USA  2006-2010 
Death  /  tb: 0  /  cm: 0  /  △top

「年間ベスト」に関して思うこと 

 今年から「年間ベスト」はやらない。

 ネットが広まる以前、「年間ベスト」という文化は一部の閉鎖的な集まりを除いて、ほぼ評論家だけがやっていたものだろう。しかし、ことメタルのような音楽において、評論家が評論家たらしめる要素である「専門性」の定義は曖昧である。これは恐らく学問としての音楽として成立しないということ(音楽理論で言えばクラシックの域から超えているものはないとか)と、もう一つは売上という絶対的評価が下しにくい点にあると推測する。しかし多分に情緒的な要素が含まれるからこそ、たとえテクニックが未熟でも、録音技術に乏しくても素晴らしいものがになりうるのが面白さでもある。

 しかし、そのような「専門性」の定義の曖昧さによって、誰しもネットというパブリックメディアを通じて評論家になることができるようになった。だが、誰しもが評論家になる必要はない。

 確かにオピニオンリーダーは生まれる。とあるディストロのオーナー曰く「取り上げられればその音源がよく売れる」サイトはある。客観的に見て、聴いている音源の数が非常に多く、かつその体験を消化して言葉に出来ている人である。しかし、一つ言えることは、そもそも一個人で購入できる音源、そしてそれを消化できる音源の数は、経済的、時間的制約が大きい。時間的制約に関して言えば、個人の”消化”能力に依存しており、先述したオピニオンリーダーたるサイトはそれに優れている。恐らく聞いてすぐに「仕分け」できる人だ。私はそれは難しい。(本当は信頼できる国内ディストロに是非「年間ベスト」をやってもらいたいのだが、人間関係や商売の関係で難しいのだろう…)

 となると、この文章を書いた意図は「一部の優れた人以外は年間ベストなぞ書くな」ということでは、勿論ない。それはすなわち「オピニオンリーダーはなるべき人がなるから目指す必要などなく、好きな音楽を好きなように語ればいい、それはすなわち「評論」に陥ってはならない」ということだ。「評論」は見る人がいるからやるのであり、「感想」は思いの丈の吐露である。後者こそ私はガンガン見たい。だってメタルは情緒的なものだと思うから。

 ということを思ったので、今年から「年間ベスト」はやらないことにした。とはいえ、このブログは自分の音源消化と過去音源の振り返りを目的にやっているので、今年を振り返る記事を後で書きます。

 あ、ブログをやっているそこのあなた、あなたの年間ベストは是非見せてくださいね、評論じゃないやつを。
タグ: column 
その他  /  tb: 0  /  cm: 0  /  △top

Supreme Black Force Of German Steel : Moonblood (2004) 

ドイツのカルトブラックメタルバンド、Moonbloodのブートレグアルバムを紹介。
"Not On Label"で誰がやったか不明なブート。(ブート嫌いの人には陳謝)

moonblood

前身バンド含めて1990~2000年に活動していたカルトブラックメタルバンドで、
リリースは全てカセットかLP、しかも少数リリースと、
カルト性を後生大事に保って解散したため世の中にブートレグが出回っている。
そのブートの中でも今回の紹介するものが一番よく出回っており、
これならDiscogsで500円ちょいで出ている。

内容としてはDarkthrone直系の直球リフとコールドリフを織り交ぜたものだが、
あれよりも意図的にアンダーグラウンド臭漂わせている音の使い回しが面白い。
それなのに中期Bathoryのようなエピック/ヴァイキングな勇壮さも感じさせ、
とても面白くも、危うさも感じるギリギリのバランスがカルトっぽい。

多分、これ以上少しでもクサくしてもカルトっぽさがないし、
これ以上にシビアにしても逆に普通のブラックになりかねないという辺り、
このバランス感覚がこのバンドのカルトブラックとして優れている点ではあるまいか。

Encyclopaedia Metallum - Moonblood
(この音源はブートのためリストに記載ありません)
タグ: Moonblood  Germany  2001-2005  Darkthrone  Bathory 
Black  /  tb: 0  /  cm: 0  /  △top

Pure Black Evil : Evil (2011) 

ブラジルのNSBM/プリミティブブラックメタルバンド、Evilのコンピ盤を紹介。
ブラジルのHammer of Damnationよりlim.1000でリリースされた。

evilc2

このコンピは比較的近年リリースされた音源からのコンピで、
一部のみ未リリース音源も収録されており、
近年の彼らのサウンドを聴くにはちょうど良いことになっている。

イントロで随分音が良いが、その後続く音源は音質も方向性もまちまち。
志向性としてはよりペイガンブラックの方面にかじを切ったと言えるだろうが、
初期音源から比べるとだいぶ「まとも」な音に仕上がっているのではないか。
そして結構メランコリックで純粋にかっこいいと思えるものが揃っている。
(相変わらずリズムがずれるけど)

Moon Bloodのトリビュート盤に収録されていたカバーも入っていて、
結構気合入っていてカッコいいし、
もう少しアルバム編集の上で全ての音源の音質も統一すれば二重丸だったのだが。
まあそのバラバラ感もまたEvilっぽいと言えるのではなかろうか。

Encyclopaedia Metallum - Evil
タグ: Evil  Brazil  Moon_Blood  2011 
Black  /  tb: 0  /  cm: 0  /  △top

Chaos To Unleash A New Age : V/A (2006) 

ブラジルのNSBMバンド、Evil / Thallium / S.A.R.の3wayスプリット盤を紹介。
ブラジルのGates to Valhalla Recordsよりカセットでリリースされ、CD盤はアルゼンチンのDark Hidden Productionsよりリリースされた。

Chaos_To_Unleash_A_New_Age

Evil以外のバンドは全く知らないが全てブラジル勢のスプリット。

イントロ含めて3曲提供のEvilは初期よりBranikaldっぽさがかなり増しているが、
若干東欧ペイガンメタルっぽいメランコリックなリフを混ぜているのが特徴で、
このアルバムを手に取る人にならもっと長く聞いてみたいと思わせるのに十分。

4曲提供のS.A.R.はRAC混じりの典型的なNSBMサウンドで、
でもAbsurdみたいな妙に耳を引くサウンドというわけでもなく、
イギリスのネオナチ系RACバンドのBrutal Attackのカバーをやっているが、
カバーの出来も含めて4曲全て残念に聞こえる。

同じく4曲提供のThalliumS.A.R.の後でイントロから期待させてくれるが、
その後から始まる楽曲がまたいただけない…というかドラムなんじゃこりゃ。
曲は悪くないだけにこれならドラムマシン使ってほしいなあ。
このバンドはNSBMコンピのThe Night and the Fog IIでも曲出してるけどそっちは幾分マシ。

という訳でEvilの実質2曲のためのスプリットで良ければ手に入れても良いのでは。

Encyclopaedia Metallum - Evil
Encyclopaedia Metallum - S.A.R.
Encyclopaedia Metallum - Thallium
タグ: Evil  S.A.R.  Thallium  Brazil  2006-2010 
Black  /  tb: 0  /  cm: 0  /  △top

Pagan Fury : Evil (2004) 

ブラジルのNSBM/プリミティブブラックメタルバンド、Evilの初期音源集を紹介。
ロシアのHexenhammer RecordsStellar Winter Recordsのサブレーベル)よりリリースされた。

evilc

バンド結成の1994年から1996年まで3年間にリリースされたデモ音源のコンピ。
とかく音源をリリースしているこのバンドの最初期のサウンドを聴くことができる。

バンドメンバーは当時、The Pagan Frontにも所属していた生粋のNSBMバンドで、
この頃の彼らはIldjarnBranikaldの間くらいのミニマルさを持っているが、
更にポーランドのVelesなどのブラックメタル勢の"地味さ"も抽出して配合されているのが特徴。

人によってはこの音源はポンコツ度合いの愛敬を通り越してダメだと言う人もいるが、
私も繰り返し繰り返し聞こうとも思わないけれどもたまに聴くととても良い。
この尋常じゃない初期衝動のにじみ出てくる"危うさ"は他ではなかなか聞けるものではない。


Encyclopaedia Metallum - Evil
タグ: Evil  Brazil  Ildjarn  Branikald  Veles  NSBM  2001-2005 
Black  /  tb: 0  /  cm: 0  /  △top

【2013年 下半期】 購入音源リスト  

今年購入した音源を挙げていきます。(順不同)
⇒ 店、もしくは個人とトレードなど含む

2013年 上期はこちら

【今年リリース物】
Atomic Roar - Metal Mayhem
Autopsy - The Headless Ritual
Borrowed Time - Borrowed Time
Crucem - Demo
Death Horn - It Pierces Through A Brain
Exhumed - Necrocracy
Helloween - Straight Out Of Hell
MasseMord - A Life-Giving Power Of Devastation
Messiah Death - The Way of Immortal: Complete Collection of Messiah Death
Motor - Motor
Pecking Order - 2nd DEMO
V/A - 刻光
V/A - Khmer/After Forever
Vhöl - Vhöl
Zavod' - Крізь коло i п'ять кyтiв

(12/26追加)

Pandemonium - The Ancient Catatonia
V/A - Steel Murderers / Endless War
巨人大虐殺 - Muhaka

(12/29追加)

Evil - Legenda neskrotných živlov
Triumph, Genus - Všehorovnost je porážkou převyšujících
PEK - Preaching Evil

【過去リリース物】
Astrofaes - The Eyes Of The Beast
Besatt - In Nomine Satanas
Bulldozer - The Final Separation
D-Clone - Creation And Destroy
Deathhammer - Phantom Knights
Deiphago - Satan Alpha Omega
Devoid - 幻
Diocletian - Annihilation Rituals
Furia - Marzannie, Krolowej Polski
Game Over - Heavy Damage
GoatPenis - Inhumanization
Goatwhore - A Haunting Curse
Grand Belial's Key - Mocking the Philanthropist
Immolation - Unholy Cult
Imprecation - Theurgia Goetia Summa
Revenge - Scum.Collapse.Eradication
Riverge - Raid For Reverging
Royal Arch Blaspheme - II
Scanner - Hyper Trace
Suffocation - Suffocation
V/A - Weltenfeind
Weltmacht - The Call To Battle
Zavod' - Ягна
Zuriaake - Afterimage Of Autumn

あと3枚が年末までに届く予定ですが、
それと合わせて半期で44枚とだいぶ数が少なくなりましたね。
やたらめったら買っても聞けるものでもないので良かった。

気が向いたら年末までにベスト今年の振り返り記事なんぞを書いてみようと思います。
その他  /  tb: 0  /  cm: 0  /  △top

Écailles De Lune : Alcest (2010) 

フランスのシューゲイザーブラックメタルバンド、Alcestの2ndアルバムを紹介。
ドイツのProphecy Productionsよりリリースされた。

Ecailles De LuneEcailles De Lune
(2010/03/26)
Alcest

商品詳細を見る


このバンドは初期EPか1stアルバムかどちらが好みか聴かれることが多い。
私は1stアルバムの方が好きなのだが、
それはこのバンドにブラックメタルらしさを求めていないが故である。

この2ndにおいてはAmesoeursの1stの音楽性が合流したという印象で、
1stで見られた一種のメルヘンな寓話の様相に対して、
若干アーバンでリアルに感じる耳触りがどうも肌に合わなかった。
当時、Amesoeursの1stはむしろ好みだったわけで、
となると何でこれをAlcestでやるんだ?っていうところに違和感があったのだろう。

とはいえこの収録曲を実際生で聞いた時は感動してしまったため、
自分の耳なんて、脳みそなんて、ああ当てにならないものだなあ。

Encyclopaedia Metallum - Alcest
タグ: Alcest  France  2006-2010 
A-D-P Black  /  tb: 0  /  cm: 0  /  △top

DEAR DAILY LIFE : Acrostix (2010) 

日本のメタリックハードコアバンド、Acrostixの1stアルバムを紹介。
日本のBlood Sucker Recordsよりリリースされた。

acrostix1

三重は四日市にあるハードコアパンクの聖地"Vortex"のオーナーのバンドで、
元々はクラスト(Amebixとか)志向だったようだが、
この1stアルバムではかなりメタリックなジャパコアらしいハードコアになっている。

日本語で叫ばれるヴォーカルの単純にして真髄である熱さが伝わる、
これこそ"激情"と呼んだ方がいいんじゃないかというくらい真っ直ぐな初期衝動、
そしてメタルサイドの観点でいえばスラッシュメタルあたりが好きな人には直撃しそうな、
メタリックでどことなく叙情的なリフがたまらない一品。

1曲目は気がつけば「さーくりふぁーいす!」と叫んでしまう。
ライブでもぶちあがること間違いなしの名曲だ。

Acrostix Official
タグ: Acrostix  Amebix  Japan  2006-2010 
Harc Core  /  tb: 0  /  cm: 0  /  △top

Inquisitors Of Satan : Deathspell Omega (2002) 

フランスのブラックメタルバンド、Deathspell Omegaの2ndアルバムを紹介。
フィンランドのNorthern Heritage Recordsよりリリースされた。

deathspell2

特にネームバリュー的に名前が売れたのはこのアルバムの次の3rdだと思うが、
それに対してこのアルバムは神秘性、哲学性という点は薄く、
トラディショナルなブラックメタルとしての質が高いという印象だ。

そもそもこのバンドのメンバーはHirilornのメンバーによるものだけあって、
かなり涙腺を刺激するようなリフを挟みつつ、
このアルバムを最後にバンドを離れて好きな音楽に没頭したShaxul氏らしい、
スラッシーで乱暴で冒涜的なアグレッシブパートが良い具合に混ざり合っている。

確かに3rdはブラックメタルという音楽を一つ上の準位に引き上げた感はあるが、
人によってはこのアルバムの方が好きだという人も多いのではないか。

Encyclopaedia Metallum - Deathspell Omega
タグ: Deathspell_Omega  France  Hirilorn  個人的良盤  2001-2005 
Black  /  tb: 0  /  cm: 0  /  △top

Blackwater Park : Opeth (2001) 

スウェーデンのプログレッシブデスメタルバンド、Opethの5thアルバムを紹介。
イギリスのMusic for Nationsよりリリースされた。

Blackwater ParkBlackwater Park
(2001/03/13)
Opeth

商品詳細を見る


このブログの"Progressive"カテゴリーを見てもらえれば解る通り、
基本、私はProg-Metalに対して理解があまりないのだが、
それでもこのアルバムは素晴らしいと思う…、
というよりきっとプログレ要素でない部分に対して評価しているのだろう。

前作と比べるとますますデスメタル要素以外の部分のクオリティが増しているが、
プログレ的複雑難解な音楽というより、
むしろ叙情的でメロウなサウンドに酔わされているのではなかろうか。

"Prog-Metal"の知的さというのは二つパターンがあって、
一つは「雑学の押し付け」的な知識のボリュームによる知的さ、
もう一つは本当の知識の深さを指す知的さ。
このアルバムの感じる知的さとはもちろん後者を指す。

Encyclopaedia Metallum - Opeth
タグ: Opeth  Sweden  個人的良盤  2001-2005 
Progressive  /  tb: 0  /  cm: 0  /  △top

Petrified Breath Of Hope : Ohtar (2006) 

ポーランドのブラックメタルバンド、Ohtarの2ndアルバムを紹介。
アメリカのForever Plagued Recordsよりリリースされ、後にポーランドのWerewolf Promotionから再発された。

ohtar2

1stアルバムのバランスのとれたメロウブラックにして、
この2ndアルバムも1曲目の出だしから期待感はマックスだったのだが、
メロウブラックとしては残念ながら失速してしまったアルバムでもある。

ジャケットにこんな写真を持ってきてその態度は外向的攻撃かと思いきや、
そのサウンドはミサントロピックであり内向きに変わったように感じる。
特に6曲目の"Insomnia"においては歌詞だけ見ているとデプレに見えるほど。

いわば音楽的に"地味"になったという感覚の中で、
その危険思想の発露は逆にジャケ写という形で押し出されただけに、
前作に見られた奇跡的なバランスの良さが失われたと言わざるを得ない。

Encyclopaedia Metallum - Ohtar
タグ: Ohtar  Poland  2006-2010 
Black  /  tb: 0  /  cm: 0  /  △top

When I Cut the Throat : Ohtar (2003) 

ポーランドのブラックメタルバンド、Ohtarの1stアルバムを紹介。
アメリカのSupreme Artよりリリースされ、後にポーランドのOld Legend Productionsから再発された。再発盤では2000年のデモ"Wolfschanze"も収録されている。
今回、紹介するのはこの再発盤の方です。

ohtar1 ohtar1_2

FullmoonDiathyrronSelbstmordNecroによるバンドで、
いわばポーランドのアンダーグラウンドの重鎮のコンビ。

Fullmoonのスタイルを更に深化させたようなメロウなブラックメタルで、
非常に優れたメロディラインとプリミティブブラックの粗暴さが、
ガッツリ四の字で戦っている形でバランスをとった傑作である。

リフ一つとってみれば甘いと感じるほどのメロウなリフに関しても、
楽曲1つ、アルバム1枚で取りあげてみると決して"甘口"ではないのが特徴。
このバランス感覚の良さが素晴らしい。

NSBMにおいての名盤として取り上げられるのも納得の1枚。
デモ音源の方も素晴らしいので是非、再発盤をお勧めする。

Encyclopaedia Metallum - Ohtar
タグ: Ohtar  Fullmoon  Selbstmord  Poland  個人的良盤  2001-2005 
Black  /  tb: 0  /  cm: 0  /  △top

Intolerance : Primigenium (2002) 

スペインのブラックメタルバンド、Primigeniumの2ndアルバムを紹介。
フランスのDrakkar Productionsよりリリースされた。

primigenium

1992年に結成された、スペインでは最古ブラックメタルバンドの一つで、
活動の時間分だけ培われてきたオリジナリティを保有するグレイトなバンド。

つまりノルウェイジャンともフレンチともジャーマンとも似て非なるサウンドで、
いや、似て非なると言うより様々な要素のハイブリットとでもいうべきか、
メロウなプリブラからブラッケンデスまで様々な配合がなされており、
それらが良さを失わないまま仕上げられているのがお見事。

しまいには7曲目にBlasphemyの"Demoniac"がカバーされており、
それがまた原曲通りで無くしっかりとこのバンド色に染まっていて、
それでいて「余計さ」を感じさせないのも素晴らしい。

もっともっと評価されていいアルバム、バンドだと思う。
ちなみにこのバンドは現在Alhazの一人バンドだが、
彼はスペインのBlackSeed Productionsのオーナーで、
最近の作品はそこから出している。

Encyclopaedia Metallum - Primigenium
タグ: Primigenium  Spain  Blasphemy  個人的良盤  2001-2005 
Black  /  tb: 0  /  cm: 0  /  △top

Neglect.Forget.Remember : N.I.L. (2011) 

アメリカのブラックメタルバンド、N.I.L.のEP盤を紹介。
アメリカのRegimental Recordsよりlim.1000でリリースされた。

nil

Krieg、Twilight、The Royal Arch Blasphemeといったアメリカの重鎮ブラック人脈バンド。
1stは未聴だがブラックメタルというよりダークなミニマルドローンだったようだが、
こちらはそれなりにブラックメタル然している。

バンド名はNihilism Is Liberationの略で、つまり「虚無主義とは解放だ」の通り、
何処となく空虚でヒトを拒絶するようなサウンドで、
キャッチーとは全く対極の存在であろう。

聴き方によってはミニマルなスラッジコアのような音にも聞こえるのだが、
そっち方面はあまり明るくないため、
この音源に関してもそれなりの聴き方しかできなかった。

Encyclopaedia Metallum - N.I.L.
タグ: N.I.L.  Krieg  Twilight  The_Royal_Arch_Blaspheme  USA  2011 
Black  /  tb: 0  /  cm: 0  /  △top

La nueva legión : Maleficio (2009) 

コロンビアのブラックメタルバンド、Maleficioのデモを紹介。
コロンビアのLegion Tarantula Productionsよりリリースされた。

maleficio

どっかのレーベルでおまけでついてきたデモ音源で、
何しろコロンビア産ということで崩壊系ブラックを想定してみたが、
実際聴いてみると音質こそかなりのロウプリミティブだが、
やっていることは意外とまともなブラック。

どこかで聞いたことがあるほんのりメロウなリフで、
絶叫系ヴォーカルが比較的淡々と絶叫する、
あまり動きのないブラックメタルという感じ。

いかんせんコロンビア産というだけで期待を寄せてしまったため、
想定していた内容ではなく残念。
Blasphemiaみたいなの期待しちゃったんだよね。


Encyclopaedia Metallum - Maleficio
タグ: Maleficio  Columbia  2006-2010 
Black  /  tb: 0  /  cm: 0  /  △top

Are You Dead Yet? : Children of Bodom (2005) 

フィンランドのメロデスバンド、Children of Bodomの5thアルバムを紹介。
フィンランドのSpinefarm Recordsよりリリースされた。

Are You Dead YetAre You Dead Yet
(2005/09/15)
Children Of Bodom

商品詳細を見る


4thアルバムは結構好きで良く聞いただけにこのアルバムも発売日に購入。
そして聞いてすぐに封印したという記憶しかないのがこのアルバム。
久しぶりに聞いてみて何がダメだったかと思ったのだが、
結局、Panteraっぽいアプローチがダメだったんだと解った。

アメリカの成功を夢見たギターヒーローのアプローチは、
ヨーロッパから挑戦しては敗れ去った屍たちと同じ道を歩んだことになる。

そう、私はPanteraが苦手であり、当時のモダンヘヴィネスっていうのが嫌いであり、
このときは既に何がモダンなのかわからなくなっても、
やっぱりそのアプローチは受け付けなかったのである。

だからこのアルバムが好きという人も当然いるだろうと思っている。
趣向の問題なのだ。

Encyclopaedia Metallum - Children of Bodom
タグ: Children_of_Bodom  Finland  2001-2005 
Merodic Death  /  tb: 0  /  cm: 0  /  △top

Mocking the Philanthropist : Grand Belial's Key (1997) 

アメリカのブラックメタル/NSBMバンド、Grand Belial's Keyの1stアルバムを紹介。
ベルギーのWood-Nymphよりリリースされた後、数度の再発を経て、
最近はDrakkarから再発されたものが良く出回っている。

Mocking PhilanthropisMocking Philanthropis
()
Grand Belial

商品詳細を見る


「全く北欧ブラックメタルと縁もゆかりもないブラックメタル」とバンドが言う通り、
安易なトレモロリフなど使わずに実直なメタルらしいリフを使って、
それでいて非常に邪悪なヴォーカルを軸にあくまでブラックメタルを貫いている。

90年代初頭からアメリカで活動していたバンドとして、
そのプライドがサウンドにあらわれているオリジナリティある作品だ。
正直、日本でももっと評価されてしかるべき音源だと思うのだが。

彼らはNSBMにジャンル分けされることもあるのだが、
いわゆるアンチシオニズムを掲げているバンドであり、
一見ふざけたアルバムジャケットにもその意思が含まれているのだろう。

Encyclopaedia Metallum - Grand Belial's Key
タグ: Grand_Belial's_Key  USA  1996-2000  個人的良盤 
Black  /  tb: 0  /  cm: 0  /  △top

1990 - 1994 the First Three Demos : Arghoslent (2008) 

アメリカのデスメタルバンド、Arghoslentのコンピ盤を紹介。
フランスのDrakkar Productionsよりリリースされた。

arghoslent_c

以前、NSBMコラムでも触れたGrand Belial's Keyのメンバーがやっている、
思想的にはかなり右寄りのデスメタルバンドの初期音源集で、
具体的には1991~1993年のデモのコンピレーションである。

GBKでもそうなのだが彼らの音源はド直球なメタルリフを入れているのに、
何とも言えない邪悪というか悪意というか、
人を寄せ付けない危険なオーラが漂っているのが特徴。
かつGBKよりデスメタルらしい曲進行である。

音源の質としては後の1stアルバムに劣るが、
既に彼らの輪郭はしっかり形成されていたことを知る上でも、
資料的な価値も含めてファンなら手に入れるべきコンピだろう。

Encyclopaedia Metallum - Arghoslent
タグ: Arghoslent  Grand_Belial's_Key  USA  2006-2010 
Death  /  tb: 0  /  cm: 0  /  △top

Demonoir : 1349 (2010) 

ノルウェーのブラックメタルバンド、1349の5thアルバムを紹介。
ノルウェーのIndie Recordingsよりリリースされた。

DemonoirDemonoir
(2010/04/27)
1349

商品詳細を見る


前作4thがかなり肩すかしの作品だったらしく(未聴)、
今作もファンにとっては不安の大きい作品であっただろうが、
名手Frostさんのドラミングに引っ張られて中々の出来。
前作からプロデューサーをつとめているTom G. Warriorもテコ入れしたのか。

アグレッション豊かに90年代のBMというより00年代のファストブラックのノリで、
サウンドプロダクションもよく1st同様に正統なアプローチで暴虐度を高めている。

しかしこのバンドは出来は良いとは感じさせるものの、
心の底から熱くさせると言うかのめり込ませるなにかが足りないように感じる。
印象的なリフがないのだろうか。

Encyclopaedia Metallum - 1349
タグ: 1349  Norway  Satyricon  2006-2010 
Black  /  tb: 0  /  cm: 0  /  △top