Terror Squad : Artillery (1987) 

デンマークのスラッシュメタルバンド、Artilleryの2ndアルバムを紹介。

Terror Squad (24bt) (Dig)Terror Squad (24bt) (Dig)
(2008/10/28)
Artillery

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これは酷いジャケットなのだが最高にかっこいいリフの塊のスラッシュアルバム。
1stの荒々しくおどろおどろしい雰囲気は無くなり、
また3rdほど様式美の感じる作風でもなく、
純粋なスラッシュメタルとしてはこれが彼らの一番の作品ではなかろうか。

刻みまくりのリフでツインギターが唸りまくりで超かっこいいし、
複雑な演奏をぎりぎりこなしてる感もまたくすぐられる!
Flemming Rönsdorfのヴォーカルも素晴らしい存在感。

これはヨーロピアンスラッシュメタルアルバムの名盤だろう、グレイトォ!
日本のTerror Squadもこのアルバムから名前をとっている。

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タグ: Artillery  Terror_Squad  個人的名盤  Danmark  1986-1990 
Thrash  /  tb: 0  /  cm: 0  /  △top

The Desecration : The Legion Of Doom (1994) 

ギリシャのブラックメタルバンド、The Legion of Doomのデモ音源を紹介。
2002年にアメリカのVinland Winds RecordsからDigi-MCDで再発された。

legionofdoomdemo.jpg

後にNSBMとカテゴライズされることもあるバンドで、
Vinland Winds RecordsもNSBMレーベルなのだが、
この頃の彼らはそのような思想の現れた音源ではなく、
古代ギリシャを歌詞に扱ったド直球なプリミティブブラックである。

とにかくDaimon氏のヴォーカルが邪悪なのが特徴で、
後に見せたメロディックでドラマティックな旋律はなく、
結構スラッシュメタルの様相も見せるようなオールドスクールなタイプ。

後の彼らの音源のような完成度の高さはまだなく、
どちらかというと資料的価値の高いデモ音源といえるだろう。

Encyclopaedia Metallum - The Legion of Doom
タグ: The_Legion_of_Doom  NSBM  Greece  1991-1995 
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Garbage Daze Re-Regurgitated : Exhumed (2005) 

アメリカはカリフォルニアのゴアメタルバンド、Exhumedのカバーアルバムを紹介。

Garbage Daze ReregurgitatedGarbage Daze Reregurgitated
(2005/10/03)
Exhumed

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[祝、来日決定!!]
Cannibal Corpseの来日ツアーのゲストで来日します!


このアルバムの時、Matt Harvey以外はメンバー総入れ替えだった。
当時のことは知らないがツアー生活に疲れたとかレーベル移籍とか色々あったらしい。
結局このラインナップではこのカバー作品しかリリースされず、
昨年の復帰ではおおよそ元のメンバーに戻っている。

カバーアルバムとしてのスタンスは基本は彼らのルーツを知ること。
Master、Led Zeppelin、Metallica、Sadus、Pentagramといったメタル勢はもちろん、
AmebixやGBHなどメタルからハードコア、クラストまで幅広くカバーしており面白い。

Carcassのカバーが無かったのは意外だが、
ゴアでない楽曲をゴアメタル化させているセンスは素晴らしく、
このバンドの実力を如実に表している良カバー作品だろう。

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タグ: Exhumed  Master  Metallica  Sadus  Pentagram  USA  2001-2005 
Grind Core/Gore  /  tb: 0  /  cm: 0  /  △top

Obsessed By War : Unholy Archangel (2010) 

ギリシャの古代ウォーブラックメタルバンド、Unholy Archangelの1stアルバムを紹介。

UnholyArchangel1.jpg

南米崩壊系ウォーブラック/グラインドに匹敵するポンコツウォーブラック。
サウンドだけで判断すると銃弾、ガスマスク、重火器な連中を想像するが、
何しろギリシャだけあって古代武装のウォーブラック。

ギリシャのブラックメタルバンドは強力なものも多いが、
それらのバンドとは異なる方向性で異様な存在感を示した作品。

96年から活動しているとは思えない綱渡り演奏も特徴。
南米・東南アジア系崩壊ブラック好きはマストアイテム!

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タグ: Unholy_Archangel  Greece  2006-2010 
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Talvitunnelmia : Gandr (2011) 

フィンランドのブラックメタルバンド、Gandrの2ndアルバムを紹介。
カナダのVersets Noirsからリリースされた。

Gandr2.jpg

1stアルバム"Yöllisen Ylistys"と同日発売の2ndフル。
1stに対して何が変わったかというと基本的に同じ路線である。

少しミドルパートというか静を見せるようにもなった気がするが、
同日発売ならもう二枚組で出してほしかったという程度の違い。
こちらは北欧の冬を表現しているらしいが…。

それよりジャケットでPeste Noireのパッチを見せびらかしたかったとしたら、
それはそれで微笑ましい。
まあ前作同様、Ildjarn好きならツボだと思う。

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タグ: Gandr    Ildjarn  Finland  2011 
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Yollisen Ylistys : Gandr (2011) 

フィンランドのブラックメタルバンド、Gandrの1stアルバムを紹介。
カナダのVersets Noirsからリリースされた。

Gandr1.jpg

先ほど紹介したGaldrと名前が似過ぎてて間違えそうな感じだが
あちらが幽玄なサウンドだったのに対してこちらはジャガジャガサウンド。
いわゆるIldjarnというかそのものである。

そしてIldjarnと同じように自然愛をテーマにしているようなのだが、
フィンランド語が全く分からないのでどうしようもない。
でも問題ない、これはIldjarnである。

という訳で好き嫌いの分かれそうなノイジーなブラックだが、
私を含めてこの手のサウンドを好む人ならおすすめ。

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タグ: Gandr  Ildjarn  Finland  2011 
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Galdr : Galdr (2011) 

アメリカはウッドストックのブラックメタルバンド、Galdrの1stアルバムを紹介。
ドイツのDarker than Black Recordsよりリリースされた。

Galdr1.jpg

テーマとしては自然系ペイガニズム、ヒーゼニズムといったところで、
最近流行りのカスカディアンブラックにも近い志向かと思いきや、
ノイジーなギターと幽玄なシンセワークを組み合わせたサウンド。

という訳でBBH系のBranikaldForest、同郷でいえばLascowiecにも近いが、
それらよりもう少し音が澄んでいるというかアトモスフェリックな印象を受ける。

ジャケットワークからも感じる霧の中の虚無感を表現した作品。
抑揚のある作風ではないがそういうものが好きな人にはお勧め。

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タグ: Galdr  BBH  Branikald  Forest  Lascowiec  USA  2011 
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【column】 NSBMとは一体何か? - I 

■ はじめに

 NSBMとはNational Socialist Black Metalの略であり、国家社会主義をブラックメタルと融合させたジャンルのことを指す。ただしその音楽性は一意に定まらず多岐に渡っている他、国家社会主義に対するバンドのアプローチ、アティチュードも各々異なっている。そもそもブラックメタルを政治的思想と結びつけた動きとは一体何なのであろうか。更に言えばナショナリズムはペイガニズムへの志向とどのように異なるのか、もしくはNSBMとペイガンブラックの違いはどういったものがあるのか。

 超有名バンドを除いてNSBMを突っ込んで聞き始めてからおよそ1年程度になるが、上記のような疑問を常々感じていたため、今回調べ物をしコラムを記すに至った。そのため目的として政治的な意図は一切含まないことを御理解いただきたい。あくまで音楽ジャンルとして紐解くものである。また、今までこのようなデリケートな問題に対して深く調べ物などしてこなかったため些か誤りがあると思われるが(特に歴史問題には疎い)、もし誤りなどあればご指摘いただきたい。宜しくお願いします。

■ 国家社会主義とは

 音楽ジャンルについてのコラムとはいえ、一通りのバックグラウンドは記述する必要がある。まずは国家社会主義(National Socialism)について触れる。

 国家社会主義とはナショナリズムと社会主義を結合した思想である。ナショナリズムとは民族、文化、国家を一元化したものであり、社会主義とは国家が資産を所有して労働者である民衆に平等分配するという、格差社会を生んだ資本主義の問題点を克服しようとした政治思想である。

 ここでナショナリズムと社会主義を結合させた場合、ナショナリズムによる民族と文化を包括した国家を中心に考えることで、その民族、文化の優秀さによって社会主義の働きが決定される。つまり優秀な民族、文化を持つ国家は素晴らしい社会主義による政治形態が形成されるわけである(しばしば社会主義は独裁国家と結びつく。なぜならば「優秀」な人間によって国家が動かなければ、社会の不安定さに直結するからである)

■ ナチズムについて

 そこでかの時代のドイツの話に移る。第一次世界大戦の敗北は植民地や一部の領土を割譲するに至り、また莫大な賠償金を課せられたことで、ドイツ国内の情勢は悪化していた。さらに世界恐慌によるダブルパンチはドイツを困窮に追いやった。当然その状態は民衆に皺寄せが向かい、危険な状態にあった。

 そこにナチズムが現れた。ナチズムとは「アーリアン学説」に基づくアーリア人の民族的優越性において、特にゲルマン民族が最も至上であるという思想を国家社会主義に組み込んだものである。その場合、国家社会主義のナショナリズムの部分で民族的高揚が得られる。また社会主義において最も優秀なゲルマン民族による国家が主導することになるわけでシナジー効果は絶大である。この頃、ユダヤ人の世界的な移民による世界経済での存在感は非常に大きく、その世界進出はゲルマン民族の血の薄れを意味する。更に、その中で起きた世界恐慌による経済破綻もまたユダヤ人に責任がある、と彼らは見た。つまりナチズムは当時の困窮するドイツにおいて余りにも眩しく輝いていた思想だった。自分たちの現状に対する問題視を「外」に背けることができるが故である。基本的に世界を動かすのは民衆である。民衆に蓄積された歪みの結末は新たな歪みを生んだ。その後のドイツについては皆様も御存じの通りである。

■ ネオナチとNSBMの結びつき

 一方でネオナチは戦後、ナチズムを形式上継承したものであるが、同時にナチズムの範疇にあるものではない。というのもドイツのネオナチは当時、思想の拡大化を計るために民族優越性の拡大解釈を行った。戦時中までは東欧やソ連などのスラブ民族はゲルマン民族に比べて劣等種族とされ、戦争終結後は占領した彼らを支配して労働者として従わせるか、「血の浄化」を行う予定だった。しかしアーリア人の拡大解釈に伴い、スラブ民族もまたその優越性を有するとされ、思想を浸透させていった。

 現代においても移民問題は大きい。特に若者において就職難という生活にかかわる問題は大きい。移民の増加はますます仕事の数が減ってくることになる。そのような中で第二次世界大戦当時にもみられた民衆に蓄積されていく歪みは大きくなってくる。ドイツ以外の国においても当然に。フランスやイギリスなどは他に国家社会主義的政党がある(ファシズムとは異なる)ため、ネオナチは浸透しないようだが、民族優越性の拡大解釈は一部の民衆に魅力的に見えているのである。

 お気づきだとは思うが、NSBMがドイツ国内にとどまらず東欧やロシアなどでも活動が見られるのはこのようなネオナチの思想浸透が一つの要因だと考えられる。例えばギリシャやポーランドに強烈なNSBMバンドが現れるのも、やはり民衆の不満が一番大きな原因であるように感じる。またロシアにおいては旧ソ連型社会主義思想が未だに残存しており、それがナチズムの社会主義部分と呼応して浸透しているというのが現状である。

 一方でネオナチに関しては反社会的活動と目されているために、大規模な組織が形成されない。さらにアナーキズムの思考もあり、無政府主義が組織的な活動を行わせていない節もある。また反社会的活動を続ける過程で、既に社会主義としての政治形態は形骸化されている。残されている志向はアーリア人の民族的優越性というナショナリズムということになる。彼らはRHW(Racial Holy War)が起きると信じていて、しばしば武装組織を形成する。NSBMバンドがしばしば武装をコスチュームとしているのはこれが理由だと考えられる。

■ おわりに

 今回はここまで。結局、NSBMの音楽性については触れる前に十分な分量になってしまった。このような民族的思考は島国である我々には中々理解しにくいところであるが、ある程度の知識としては持っておかねばNSBMについて理解できないと考えている。次回は実際にNSBMの興りと、具体的なバンドなどについて紹介していく。また更にペイガニズムについても説明していく。
タグ: column  NSBM 
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