Split : Begräbnis / Estrangement (2014) 

日本のフューネラルドゥームメタルバンドBegräbnisと、オーストラリアのフューネラルドゥームメタルバンドEstrangementのスプリットを紹介。

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 Begräbnisを始めて見たときの衝撃はなかなか忘れられない。バンド名はドイツ語で「葬式」を意味するとのことだが、自分の浅いながらも持っていたフューネラルドゥーム像とは異なる印象を受けた。演出を含めて世界観をはっきりと持っており、音像も独特だ。安易に使いたくない言葉ではあるが唯一無二と称したくなるバンドであった。後に楽曲作成の裏話を小耳に挟んだが、他国のフューネラルドゥームと異なる理由を垣間見た気がした。

 さて、そのライブに感動して購入したのがこのスプリット。両バンド、一曲ずつではあるが合わせて20分弱の収録。Begräbnisサイドは聞いているうちにその鈴の音やテルミンなどの効果的な使用によってジリジリと冥府へと誘われていきそうな作品。こういう作品で10分というと冗長に感じそうなものだが、それがないのが凄い。これがその「世界観」の賜物であるように思える。

 一方でEstrangementの方は様々な要素を混在しているBegräbnisとはある種の対角線にありそうなスタイル。クラシカルなメタルスタイルから、はたまたウォー・ブラックさながらのスタイルまで幅広い。特に後者のスタイルは個人的にかなり素晴らしく感じられ、前半の鬱屈さを粉々に磨り潰していくような音楽性にグッときた。

 両バンドともフューネラルドゥームというジャンルに根差しつつ、更にそこから独自の路線を突き詰めていく気概を感じさせる素晴らしいスプリットである。

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タグ: Begrabnis  Estrangement  Japan  Australia  2014 
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Heavy Rocks : Boris (2002) 

日本のエクスペリメンタル/ストーナーロックバンド、Borisのたぶん5thアルバムを紹介。
日本のQuattroよりリリースされた。


Heavy RocksHeavy Rocks
(2002/04/26)
BORIS

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このアルバム、知り合いからとても強く勧められてお借りしたのだが、
天邪鬼なわたくしは強く推されるほどに抵抗感を感じ、
今の今までろくに聞くこともなく放置していた。

その後、業界関係の人からも当然のごとく勧められ、
とても素晴らしいバンドが日本にいて、
しかもその作品の中でも70年代ストーナー的良さが抜きんでいると聞いた。
(おまけにラインナップにはゲスト参加でMerzbowのAkita氏の名前も)

数年後、ようやく重い腰を上げて聞くに至り、
今までのすべての"押し"の声に賛同する。
いまさら「海外に比肩しうる~」みたいな修飾も不要だろう。

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タグ: Boris  Japan  2001-2005 
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Weather Systems : Anathema (2012) 

イギリスのゴシック/オルタナティブロックバンド、Anathemaの9thアルバムを紹介。
イギリスのKscope MusicとアメリカのThe End Recordsよりリリースされた。

Weather SystemsWeather Systems
(2012/05/07)
Anathema

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前作の"美しく空間的なサウンドにつつまれるポストロック"という方向性はそのままに、
どことなく儚さを感じさせるサウンドが聞いている身を包むように展開される。

儚さといっても寂しさとかそういうものではなく、
前作と違うところはすなわち"悟り"なのではないかと思う。
前作のタイトルがデカルト哲学的な自己存在についてであるのに対して、
もう少し超越的な視点からの世界観を謳っているように感じる。

ラストトラックの歌詞に目を向けてみると、
臨死についてJoe Geraciなる人物の言説を引用しつつ、
死別についての哲学が美しく書かれている。

徹頭徹尾、コンセプトを感じさせる作品としてお見事。
このバンドはどこまでいくのだろうか、興味が尽きない
(といいつつ最新作はまだ未聴)

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タグ: Anathema  UK  個人的良盤  2012 
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Last CD Before Doomsday : Worship (2004) 

フランス/ドイツのフューネラルドゥームメタルバンド、Worshipのデモ(CD再発ver)を紹介。
オリジナルはLast Tape Before Doomsdayというタイトルで、メンバーがオーナーだったImpaler of Trendies Productionsからカセットでリリースされ、後に日本のWeird TruthよりリリースされたのがこのCD再発盤。
この再発においてはAgathoclesとのスプリットの音源も収録されている。

worship1.jpg

Fucked-up Mad Maxの自殺の件はUnholy Arcangelのコラムでも触れたが、
その彼の遺作でもあるこの作品はまさに彼の怨念が宿っているかのような、
その迫真のドゥームスタイルはまさしく黒い音像として襲いかかってくる。

ギターのリフなどは結構メロいところもあったりゴスなところもあったり、
そういうところの"聞きやすさ"もまたこのバンドの魅力であろうし、
それがなければ恐らく自分のようなタイプには最後までは聞くに聞けなかっただろうし、
逆にいえば最後まで聞けてしまうところに驚かされた作品でもある。

強いていえば自分はこの音源をいつ聞けばいいか解らない。
落ち込んでいるときに聞けば死にたくなりそうだし、
寝る前に聞いたらとても悪い夢を見そうだなあと思う。
それはこのジャンルにおいては褒め言葉なのではなかろうか。

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タグ: Worship  France  Germany  2001-2005 
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Ars Subtilior from Within the Cage : As Light Dies (2010) 

スペインのゴシック/デスメタルバンド、As Light Diesの2ndアルバムを紹介。
ロシアのBadMoodMan Musicよりリリースされた。

aslightdies

スペインのメロデス~フォークメタルバンド関連のメンバーによるゴスだが、
プログレ風味やオリエンタルな雰囲気を持たせてみたり、
ちょっとOrphaned Landっぽいところもある気がする。

もちろんParadise Lostっぽい耽美ゴスデスなところもあり、
そこらへんのハイブリットなメタルをやっているのだが、
何となく散漫というか筋が一本通っていないようにも感じる。

色々、アイディアは豊富そうなのだが、
やっぱり曲の構築というかまとまりってのは大事だと感じさせられる。

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タグ: As_Light_Dies  Spain  2006-2010 
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Withered Shades : Ophis (2010) 

ドイツのデス/ドゥームメタルバンド、Ophisの2ndアルバムを紹介。
ロシアのSolitude Productionsよりリリースされた。

ophis2

デス/ドゥームといっても当然、Autopsyのようなデスメタルではなく、
フューネラルドゥームに片足突っ込んでいるような重いドゥームに、
デプレッシブブラックに近いメランコリックさを醸しだしているデスドゥーム。

日本のレーベルからEPをリリースしたThränenkindのメンバーも在籍しており、
あちらで見られたシューゲイザーブラックの要素もうっすら入っているようにも感じるが、
基本的にはひたすら絶望的で足元すら見えないような音楽性。

しかしそのメランコリックさがフューネラルドゥーム初心者に優しく、
この手の音楽の導入としては好適な内容ではなかろうか。
自分もそんなうちの一人です。

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タグ: Ophis  Germany  2006-2010 
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Dark Wisdom's Domain : Aetheres (2009) 

ポーランドのダークメタルバンド、Aetheresの2ndアルバムを紹介。
ポーランドのHell Is Here Productionよりリリースされた。

Aetheres2

Gontyna Kryのメンバーが絡んでいるがブラックメタルとは異なり、
歌詞などはペイガニズムをテーマにしているようだが、
内容としてはゴシックでモノクロトーンのダークメタルだ。

ギターの聞かせ方などはメロディックデスっぽいところもあったりして、
結構メロい聞かせ方をするが疾走することはなく、
かなりどっしり聞かせてくるタイプのダークメタルになっている。

手数は多いものの煩雑な印象は無く、
シンプルに聞こえるのは曲の組み立てが良いからだろう。
派手さはないがなかなかのクオリティである。

ちなみに今はGontyna Kryも含めてイギリスで活動しているとか。

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Epicus doomicus metallicus : Candlemass (1986) 

スウェーデンのドゥームメタルの第一人者、Candlemassの1stアルバムを紹介。
フランスのBlack Dragon Recordsよりリリースされ、その後様々な再発盤が出た。

EPICUS DOOMICUS METALLICUS : 25TH ANNIVERSARY EDITIONEPICUS DOOMICUS METALLICUS : 25TH ANNIVERSARY EDITION
(2011/05/16)
CANDLEMASS

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名盤2nd"Nightfall"のひな型的作品で、
アルバム名にもある通りエピックドゥームとしてあり方、
いや、更に言えばCandlemassとしてのあり方を示しあげた快作。

このアルバムではJohan Längqvistがヴォーカルを務めており、
2ndで交代したMessiah Marcolinと比べるのは酷だが、
こちらも十分エピックドゥームを大仰に表現する高音ヴォーカルの持ち主。

私は2ndを先に聞いていたので少し音源に対する思い入れは低いが、
こちらもドゥーム史に残る一枚と言っていいだろう。
Leif Edlingの才能は底抜けである。

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タグ:   Candlemass  Sweden  1986-1990 
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A Rose For The Apocalypse : Draconian (2011) 

スウェーデンのゴシックメタルバンド、Draconianの4thアルバムを紹介。
オーストリアのNapalm Recordsよりリリースされた。

Rose for the ApocalypseRose for the Apocalypse
(2011/07/05)
Draconian

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彼らの公式サイトを見るとゴシックドゥームとの記述があるが、
あまりドゥームって言う感じもせず、
女性ヴォーカルをフィーチャーしたゴシックメタル。

基本スロー~ミドルテンポで楽曲は進行し、
女性ヴォーカルが耽美な世界観を演出しているが、
男性ヴォーカルのグロウルが良い意味で甘さを緩和している。

サウンドプロダクションなども良好で、
ある程度完成されたバンドサウンドに仕上がっていると思うが、
このメジャー感は賛否両論だと思われる。
もう少し背徳的な要素も欲しいと思うのは個人的な意見。

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タグ: Draconian  Sweden  2011 
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Gothic : Paradise Lost (1991) 

イギリスのゴシックメタルバンド、Paradise Lostの2ndアルバムを紹介。
イギリスのPeaceville Recordsよりリリースされた。

Gothic (W/Dvd) (Spec)Gothic (W/Dvd) (Spec)
(2009/02/24)
Paradise Lost

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一介のドゥームデスメタルバンドに過ぎなかったバンドが、
アルバムタイトルをジャンルに使われるに至った歴史的アルバム。

内容としては4th"Icon"のプロトタイプのように感じる。
荘厳でどことなく退廃的な音楽とデスドゥームの名残が混ざり、
そして女性バックコーラスがどことなく背徳な雰囲気を彩っている。

完成度などで言えばやはり後の作品の方が高いし、
だからといってこのバンドを深く知りたい人は既に持っているだろうし、
どういった人にオススメすればいいのか今さら答えに窮する作品でもある。
まずはこのバンドなら私は4thアルバムをお勧めします。

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タグ: Paradise_Lost    UK  1991-1995 
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