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Skyforger : Amorphis (2009) 

フィンランドのプログレッシブ/メランコリックメタルバンド、Amorphisの9thアルバムを紹介。

SkyforgerSkyforger
(2009/06/16)
Amorphis

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フィンランドの民族叙事詩「カレワラ」を元にした作品で、
なるほど「カレワラ」をひも解くと単なるエピックファンタジーではなく、
フィンランドの土着的信仰とそれをめぐる歌謡が根底にあるものであり、
このアルバムを聴きながらにして想像を働かせることができる。

そのようなエピックヴァイキング/フォークとは全く異なる民族音楽と70年代プログレが、
高い次元で融合して、しかも非常に聴きやすい好盤。
時折入るデスヴォイスが良い意味で楽曲をタイトにしている。

ちょっと冗長とも思える展開もある意味Amorphisらしさかな。
"Opeth + Sentenced"のようなアルバムでどちらも好物の自分には非常に良かった。

Encyclopaedia Metallum - Amorphis
タグ: Amorphis  Finland  Opeth  Sentenced  2006-2010 
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Lateralus : Tool (2001) 

アメリカはカリフォルニアのプログレッシブメタルバンド、Toolの3rdアルバムを紹介。

LateralusLateralus
(2001/04/18)
Tool

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プログレッシブメタルというとDream Theaterを想起する人が多いかと思うが、
このバンドのプログレ的趣きはかなり違いがあると言ってよい。
(自分はDream Theaterは爽やかで聴きやすい楽曲に魅力を感じるのだが)

同じなのはミュージシャンがテクニシャン揃いでありながら、
テクニックに走ることが無い「節度」をもったプロフェッショナルバンドということくらいか。

サウンドはPink FloydBlack Sabbathからの影響を感じる。
プログレッシブロックに、現在でいうドゥームメタル成分が交わっている。
とはいえサウンドは重すぎず、適度な暗黒世界が描かれているように感じる。
(歌詞も人間関係とその破綻とかそういうものをテーマにしているようだ)

ISISConvergeからハードコア成分を抜いたような感じ。
特に前者とは楽曲の共通部分と、その孤高さが似通っている気がする。

現地アメリカでは非常に根強い人気を誇っており、別タイトルでグラミー賞も獲得している。
日本でもフジロックやサマソニなどに出演して好評を博したようだし、
もっと有名になってもおかしくなかったように思うのだが…。
タグ: Tool  USA  ISIS  2001-2005 
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Dimensions : Believer (1993)  

アメリカのクリスチャンメタルバンド、Believerの3rdアルバムを紹介。

Dimensions (Reis) (Dig)Dimensions (Reis) (Dig)
(2008/03/18)
Believer

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メンバーが熱心なキリスト教信者であり、このようなジャンルを標榜しているが、
実際のところスラッシュメタルとプログレッシブメタルを高いレベルで融合させたサウンド。
ここでは特にプログレッシブメタルとして紹介したい。

1-6曲まではMegadethとかDestructionなどのインテレクチュアルスラッシュの領域に感じるが、
7曲目からの4部作の組曲が神がかって素晴らしい。
女性コーラス、弦楽器などを大胆に用いてのサウンドは凄すぎる。
テクニカルな演奏陣、変拍子の数々に後期DeathCynic好きの人々も大満足だろう。

なお、このアルバムはこの手の音楽としては異例にも、
The Gospel Music Association (GMA) Dove Awardsに1993年にノミネートされた。
また、このアルバムを未だにフェイバリットな一枚にしているバンドもジャンルを問わず多い。
タグ: Believer  USA  1991-1995 
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Elements : Atheist (1993) 

アメリカはフロリダ産、プログレッシブデス先駆けの一つ、Atheistの3rdアルバムを紹介。

Elements (Dlx)Elements (Dlx)
(2005/08/30)
Atheist

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(2005年のRe-issue盤はラジオのライブプレーが6曲収録されており、お得)

後期DeathCynicと並んでプログレッシブ/テクニックデスをプレイしているが、
こと日本ではそれらに比べてやや知名度は低いように感じる。
しかしながら、どのバンドよりも「プログレッシブ」だと思う。

何しろジャズの要素を極限まで取りこんで、もはやデスメタルから完全に脱却している。
そこにラテン音楽の要素まで入り込んでいて、
もはや「何でもあり」の仰天テクニカルデスだ!
緊張感と驚きをここまで味わえるメタルアルバムはなかなか存在しないのでは。

2006年活動を再開し、ついに今年アルバムがリリースされる(タイトルはJupiter)らしい。
非常に楽しみだ。
タグ: Atheist  Death  Cynic  USA  1991-1995 
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Our Twilight : Barren earth (2009) 

フィンランドのプログレッシブ/サイケメタルバンド、Barren EarthのデビューEPを紹介。

Our Twilight

やたらメンバーが豪華なプロジェクト。

Mikko Kotamäki - Vocals (Swallow The Sun)
Olli-Pekka Laine - Bass (ex-Amorphis)
Sami Yli-Sirniö - Guitars (ex-Kreator, Waltari)
Janne Perttilä - Guitars (Moonsorrow Tour musician)
Kasper Mårtenson - Keyboards (ex-Amorphis, Ben Granfelt Band)
Marko Tarvonen - Drums (Moonsorrow)


集うメンバーからも解る通り、トラッドで美しい旋律を多用しながら、
迫力のあるグロウルをベースに迫ってくる大人のプログレッシブデスメタルだ。

Paradise Lost, Opeth, Pink Floyd, Jethro Tullの影響を公言しており、
サウンドもそれらへのリスペクトを感じると同時に、
彼らだからこそ出せる新しい領域に突入している。

これは当時、フルレングスだと思って買ってしまったのだが、
たった4曲しか収録されていないのに非常に満足できた一枚。
今年3月にフルレングス1stが発売されたので、そちらも要チェック。
タグ: Barren_Earth  Amorphis  Kreator  Waltari  Moonsorrow  Finland  2006-2010 
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Scenes from a Memory : Dream Theater (1998) 

アメリカのプログレッシブメタルの草分け的存在、Dream Theaterの5thアルバムを紹介。

Metropolis Part 2: Scenes from a MemoryMetropolis Part 2: Scenes from a Memory
(1999/10/22)
Dream Theater

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2ndアルバムを最高傑作と考えていたことから、
その中のMetropolis, Pt. 1: The Miracle and the Sleeperを主軸に置いて、
コンセプトアルバムとしてこのアルバムを作り上げている。

このアルバムのコンセプトは海外のウィキペディアが詳しいので参照されたし。
もちろん全文英語だが読み応えがあるし、アルバムの印象が変わるので是非。

そんなアルバムなので通して聞かないと良さが伝わらない。
ここまで"しっかりとした"コンセプトアルバムだとそれが問題で、
気軽に一曲一曲を切り取って聞いても面白みがない。
ここがこのアルバムの評価を分けるだろう。
タグ: Dream_Theater  USA  1996-2000 
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Train of Thought : Dream Theater (2003) 

泣く子も黙るプログレッシブメタルの第一人者、Dream Theaterの7thアルバムを紹介。

トレイン・オブ・ソート(SHM-CD)トレイン・オブ・ソート(SHM-CD)
(2009/06/24)
ドリーム・シアター

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6thに比べてかなりヘヴィな音作りを持ってきたのでびっくりたまげたのを思い出します。
そういやFintrollの4thも似たような黒基調のジャケットになってて、
前作よりも凄くヘヴィな音作りになっていて驚いたなあ…黒基調ジャケがスイッチなんでしょうか。

それはともあれ、とにかくヘヴィなメタルをプレーしていますねえ。
でもどこからどこまでもDream Theaterなのはさすがとしか言いようがないです。
なんだかんだいって「ぽい」んですよねえ。
もしかしたらベテランバンドの良い点であり、悪い点でもあるのかもしれませんが、
でもやっぱり彼らしかできないプログレメタルなんでしょうね。
特に本作品は明確に「メタル」というものを意識して制作されたわけですね。

ここまでくるともはや「Dream Theaterに何を求めるのか」という問いかけですよね。
人によってはこのヘヴィなアルバムを受け入れて喜ぶと思うし、
またもう少しポップな作風を求めていてがっかりする人もいると思うし、
評価はまちまちなのも頷けます。

自分としては後者だったりしますが、
だからといってこのアルバムが駄作だとは思いません。
彼らのメタルへの思いをひしひしと感じますしね。

とはいえ「Images and Words」が高評価である理由は、
ポップなものからヘヴィなものまで揃えていたからなんじゃないかなあと思います。
だから最後まで聞きとおすことができた。
このアルバムはちょっと息切れしてしまっている気がします。
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Images and Words : Dream Theater (1992) 

泣く子も黙るプログレッシブメタルの第一人者、Dream Theaterの2ndアルバムを紹介。

イメージズ・アンド・ワーズ(SHM-CD)イメージズ・アンド・ワーズ(SHM-CD)
(2009/06/24)
ドリーム・シアター

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(今回、Amazonの引用によって今月にSHM-CDとしてリリースされるのを知りました。
 自分のCDは初版ですが、機会があったらSHM-CD盤を聞いてみたいです)

このCDは確か、小学生高学年?中学生のとき聞きまくった記憶があります。
その頃、幾つかのメタルバンドのアルバムを聞きまわしていましたが、
やはりこのアルバムの記憶はかなり根強いです。

確か兄から借りたアルバムをカセットテ?プに録音して、
ウォークマンで持ち歩いて聞いていたのですが、
(今の人たちはカセットテープを知らない世代もいるのでは…)
重ねて録音をしていたせいか、前回録音した音楽が後ろの方で聞こえてました(^^;

その頃の自分は音楽とかメタルとか、能書きを全く垂れられない疎いガキだったのですが、
当時のヘヴィロテを考えると、何となくこのアルバムの凄さに気づいていたようです。

Dream Theaterというバンドは、
(初期のスラッシュより以降の)Metallicaといったヘヴィメタルと、
Rushなどのプログレッシブロックの、
二つのジャンルの影響を強く受けてプログレッシブメタルというジャンルを打ち立てました。

特にRushの影響が大きいらしく、
なるほど、このアルバムにはプログレッシブロックに必要な技巧的な曲の設計と、
ミュージシャンの技量にあふれている一方で、
もう一つ、Rushからポップさも引き継いでいることが特徴でしょう。

耳馴染みの良さ…単なる安易なメジャーサウンドへのすり寄りではなく、
技巧的なサウンドを、聞きづらく思わせないですんなり消化できるようにしているという、
まさしくセンスの良さをDream Theaterは持っているということです。

一方で、へヴィメタルからの影響も、そのセンスの良さに一助しています。
このアルバムがいまだに彼らのアルバムの中で最高傑作にあげられるのは、

プログレッシブでありながら、耳馴染みがよく、
へヴィメタルからのアプローチも程よく入っている

というバランスの良さにあるのではないかと思います。

プログレとして面白いことをやっている、とか、
ヘヴィなサウンドを追及している、など、
そういう観点では最高傑作は他の作品になるかもしれませんね。

今、久々に聞いていますが、懐かしさも手伝って、聞き入ってしまいました。

自分としてはプログレが得意でないこともあり、
他のアルバムはどうも高尚過ぎるというか難解に聞こえてしまうので、
バランス面に優れたこのアルバムを彼らの最高傑作に推します。
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Clown in the Mirror : Royal Hunt (1993) 

デンマークのプログレッシブ/ネオクラシカルメタルバンド、Royal Huntの2ndアルバムを紹介。

クラウン・イン・ザ・ミラークラウン・イン・ザ・ミラー
(2008/09/24)
ロイヤル・ハント

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デンマークのヘヴィメタルバンドとしてはかなり有名な部類に入るバンド。
プログレッシブメタルとカテゴライズされていたが、
いわゆるネオクラ系のサウンドで、70年代?80年代のHR/HMとシンセサイザーの融合を図っている。
そのため当時にしても特に新しい音とは言えない気がする。

At Vanceのようなクラシックとの融合をはかったわけではなく、
あくまでシンフォニック風味ということで非常に聞きやすい。

にしても、この小学生?中学生が歴史の教科書にした落書きのようなジャケットは、
いったいぜんたい、なんとかならなかったのだろうか。

Encyclopaedia Metallum - Royal Hunt
タグ: Royal_Hunt  Denmark  1991-1995 
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Damnation : Opeth (2003) 

スウェーデンのプログレッシブデスメタルバンド、Opethの7thアルバムを紹介。

ダムネイションダムネイション
(2008/09/24)
オーペス

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Opethといえばプログレデスの大御所だが、このアルバムはアコースティックアルバムであり、
デスの要素を排除したプログレロックになっている。
(実は何の前知識もなくこのアルバムを聞いたので、全編クリーンパートで驚愕した)

元来のプログレデスというジャンルから鑑みて、
暴虐性と静寂性の二律背反な要素を絡めたセンスのある音楽をやっていて、
デスパートがないとはいえアンニュイとカタルシスが混じり合ったような感覚に陥る。

このバンドの実力派計り知れず、演奏のテクニックも凄いし、楽曲センスも飛びぬけているし、
実は今世紀のメタル界の中でも頭ひとつ抜けているバンドなんじゃないだろうか。
タグ: Opeth  Sweden  2001-2005 
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