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本を出しました。

コラム「ウォー・ベスチャル・ブラックメタルとは何か」連載中
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2017年上半期購入音源リスト 

 気付いたらもう7月になっていました。2017年も半分が既に過ぎ去っていました。最近、時間の流れが恐ろしいほど速く感じますが、これが年を取ったということなのかも。今年の上半期、購入した音源(トレード含む)を振り返ってみると計38枚。枚数としてはマニアの人から言わせれば少ないと思いますが、正直言うとそれらの半数以上はまだまともに聞き込めていなかったり…。そう考えれば自分の身の丈からいうとこれでも多いという状況でしょうか。良い意味で下半期は音楽に耳を傾ける時間を作りたいものです。

 以下、購入音源リストです。

【新譜:2017年】 10枚
Détruire - Goatvermin 
ABC Butchers Co. Ltd. - Butcher ABC レビュー済
Anthology - Deiphago
Detritivorous Kamigami - Reek of the Unzen Gas Fumes
Magnus Cruelty - Vomit of Doom
In... Requiescat in Pace - Gladiador
Master Satan's Witchery - Bestial Raids
Extermination Mass - Death Worship
War Metal Massacre - Holocausto
Sabbat of Behezaël - Perverted Ceremony

【旧譜:2016年】 12枚
Traitors to the Gallows - Blood Division
Blackground - Kalterit レビュー済
Ritual Goat Command 2003-2013 - Necroholocaust
Veneration of Armageddon - Goatblood
In Rebellion with Him by Nature - Maledictvs
Procession of Doom - Goatslave
S/T - Eucharist
Der Stürmer / Reek Of The Unzen Gas Fumes / Command / Fogged By Fleshflies - V/A
11a 666 - Sadistic Noise
Dusthall Desecrators Live Penang 2015 - Impiety / Infernal Execrator
Apocalypse War - Goatpenis
Utter The Tongue Of The Dead - Void Meditation Cult

【旧譜:その他】 16枚
Sparks of Separation - Formless Devotion
Devanation Monumentemples - Genocide Shrines レビュー済
Cult Of The Horns / Goatvermin - Cult Of The Horns / Goatvermin
Annihilation of the Kingdom of God - Necroholocaust / Zygoatsis 
Begräbnis / Estrangement - Begräbnis / Estrangement レビュー済
Wanderer of the Abyssal Plains - Indesiderium
Wrath of War - Thornspawn
Sacrilegious Unification Spawn of Abominable Darkness & Hate - Thornspawn / Istidraj
Gnosis Stained Khadga (Live in Kuala Lumpur) - Orator
Ritual de Obediencia a Lucifer - Goat Messiah
Superlative Darkness - Nigrummagia
Force Of Darkness - Force Of Darkness
United in Hell's Fire (Tribute to Goat Destroyer and Judas Isaksson) - Thornspawn / Kill
Live In Venray - Bestial Summoning
Culto de los Venenos - Anal Vomit / Ordo Caper 
Schizophrenic Noisy Torment - Necrobutcher

 下半期も良い音源に出会えますように。
タグ: 購入音源リスト 
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ウォー・ベスチャル・ブラックメタルとは何か - III - 

⇒ 「ウォー・ベスチャル・ブラックメタルとは何か - II -

■ Sarcófago以降のブラジリアン・ベスチャル・ブラックメタル

 アンダーグラウンドにおいて大きな衝撃を与えた1986年リリースの4-wayスプリット "Warfare Noise I" 、そして特にその収録バンドの中でもSarcófago(1985年結成)はメタルのエクストリーム化という観点において当時の極大値とも言える存在となり、サタニックな作品コンセプトと、アーティスト写真など多大なる影響をブラジル内外に与えた。海外への影響は後述するとして、まずブラジル国内の同時期にデビューしていたバンドについて注目してみよう。

 ウォー・ベスチャル・ブラックメタル・ガイドブックにて紹介した、Necrófago(1986年結成)、Sextrash(1987年結成)の紹介は割愛するとして、ここでは未紹介であったバンドについて触れておきたい(なぜ未紹介であったかというと筆者が音源を所持していなかったため)。まずはSextrashとメンバーが大いに被っていたInsulter(1986年結成)だ。あまりにもメンバーが重複していたため後年、Sextrashの前身という噂も出たがあくまで別バンド。2ndデモ"Black Church"にはSarcófagoの1stアルバム"I.N.R.I."で壮絶なドラミングを披露して名作と呼ばれる一因となったD.D. Crazyも参加している。Sarcófagoの流れをしっかり汲んだベスチャル・ブラックメタルだ。



 当時、ブラジルはある種の時代遅れなスラッシュメタルバンドが次々と現れ、それが逆に他の国からすれば貴重なカルト・スラッシュメタルバンドの産出国に見えていたわけで、その中でこのようなスタイルのバンドも同時に流出されたのだから聞く人によっては「聞くに堪えない」メタルだっただろう。Insulterも近年まで決して注目されてはいなかったが、00年代以降のベスチャル・ブラックメタルスタイルの再評価の機運が高まった結果、2012年に再結成を果たさせた。そして2015年には彼らの残していた4枚のデモをまとめたコンピレーション盤"Blood Spits, Violences and Insults"がNuclear War Now! Productionsからリリースされ、当時の偉大なレジェンドの一つにまで見直されたわけである。

 そのように当時はスラッシュメタルからの逸脱によって評価されない側面もあった中で、もう二つのバンドも紹介しておきたい。Exterminator(1986年結成)とNecrobutcher(1988年結成)だ。ExterminatorSextrashの中心人物Freddy Krueger氏が在籍していたバンドで、たった1枚のフルアルバム"Total Extermination"しか残していない。このアルバムはブートを除いて公式な再発盤が出ていないのだ。オリジナル盤はlim. 900しか出ておらず、これを持っている人は相当なコレクターであろう。まずジャケットにハーケンクロイツがある。Holocaustoはもちろんのこと、MutilatorやマイナーなところではEscola Alemãなども挙ってナチスをテーマにして過激化を追求していた時代のことだ。この辺りは当時のファンジンを読み漁ると内外から色々な見解が出てきて面白いが、ほとんどの場合はショック用法のような使い方をしていたようだし、その安易な姿勢に呆れているバンドもいたようだ。さてはて中身の方はというといわゆるブラック・デスメタルになっていて時代を先取りしている。南米におけるカルトメタルの枠から更に這い出ようとする姿勢が実に興味深い。



 Necrobutcherは他のバンドが大抵、ベロ・オリゾンテ出身だったのに対して西海岸のフロリアノーポリス出身のバンドであるということに面白さがある。ベロ・オリゾンテから1000km以上で、日本で例えると東京から九州内陸部程度までの距離である。フロリアノーポリスはメタルが全く盛んではなく、Encyclopaedia Metallumで検索してみてもブラックメタルどころかメタルバンド自体が歴代数えるほどしか存在していない。その中でこのバンドは明らかにSarcófagoの影響を受けたルックスであることが面白い。更に楽曲はグラインドコア並みのスピードと楽曲の短さ、そしてもちろんSarcófagoを思わせるイーヴィルなサウンドが面白い。



 このように当時のメタルシーンは地域性によって物理的距離による障壁から成り立っており、その中で逸脱するバンドの面白さがベスチャル・ブラックメタルを生んだ。更にその物理的距離の障壁を超えたところに波及した時、その新たな地域における化学反応が異なるサウンドを生んでいたと考えられるわけだ。ちなみにウォー・ベスチャル・ブラックメタル・ガイドブックでインタビューが掲載されたImpurityGoatpenisはまさにその二つを体現したバンドで、Impurity(1989年結成)はベロ・オリゾンテの生き証人であり、Goatpenis(前身1988年結成)はNecrobutcherと同様のサンタカタリーナ州のブルメナウ出身であるのが実に面白い。スタイルもまさに前者はトラディショナルなベスチャル・ブラックメタルを基盤とし、Goatpenisはグラインドコアを基盤としながら南米ベスチャルスタイルとの混和で新しいウォー・メタルスタイルを提示したわけだ。他にブラジルの北東部に位置するサルバドール出身のMystifierSarcófagoからまた一歩先のスタイルを持っていたわけだが、この辺りは本でも網羅してあるので是非読んでいただきたい。

 さて今回はブラジリアン・ベスチャルブラックメタルのバンドを音を交えて紹介することで、そのローカライズされたメタルスタイルとエクストリーム化による逸脱によって、新たなスタイルとしてブラジリアン・ベスチャルブラックメタル・スタイルが出来上がったことについて説明してきた。となると当然次に話すべきなのは同じ南米という地域性は同じにして、かつ異なるシーンを形成した他の南米諸国…特にコロンビアやペルーについて言及しなくてはなるまい。それはまた次回。

⇒ 「ウォー・ベスチャル・ブラックメタルとは何か - IV」
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ウォー・ベスチャル・ブラックメタルとは何か - I 

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■ はじめに

 拙著「ウォー・ベスチャル・ブラックメタル・ガイドブック」が世に出て1ヶ月以上たち、当初の予想を上回る反響をいただきました(購入できるショップ)。またその関連のイベントとして以下の現場で執筆者として立つという誉れにも恵まれました。


 拙著を購入いただきました方、上記イベントに遊びに来ていただいた・対談動画を閲覧いただきました皆様には改めて御礼申し上げます。しかし同時に、特にトークイベントと対談において、ウォー・ベスチャル・ブラックメタルについての概略を伝えようとしたものの、時間の問題で言葉足らずになってしまった節があり、結局のところ「ウォー・ベスチャル・ブラックメタルとは何なのか?」というシンプルな質問に対する詳細な回答ができていなかったという無念さが残ったのも事実です。

 そこで本稿から「ウォー・ベスチャル・ブラックメタルとは何か」と題して拙著の補足に当たるコラムを連載することにしました。あくまで「補足」の意味合いが高いですが、本をお持ちでない方にも読んでいただける内容にいたしますし、是非このコラムを通じて本を手に取っていただければ幸いです。それでは連載終了までお付き合いのほどよろしくお願いいたします。



■ 「ウォー・ベスチャル・ブラックメタル」というジャンルはあるのか?

 この名称そのものは拙著における便宜上のタイトルだと思ってください。しかし海外では1980年代から1990年代初頭にかけて生まれたエクストリームメタルとしてのスタイルとしてWar MetalBestial Black Metalという二つのジャンル名で2000年代以降カテゴライズされるようになりました。そして両者はその志向性に親和性があること、音楽的ルーツを共有していること、更に現代においては両者から共に影響を受けたバンドが多いことなどから、現在においてはWar Metal a.k.a. Bestial Black MetalやWar/Bestial Black Metalなどと称されて同一視されることが一般的になりつつあります。

 2000年に設立されたネット上でレーティングに特化した音楽DBサイトであるRate Your Music (RYM)にてメタルのサブジャンルの一つとして当該ジャンルを紹介されていることは上記の説明をフォローするものです。BBS機能によるディスカッションを主にしたRedditWar (Bestial) Black Metalというテーマが2012年には挙がっていたようで、海外のメタルに関するフォーラムなどを通じて00年代を通じてそのような同一視による名称が形成されていったことが想像できます。一方でそれらのジャンルの創始者にあたるSARCOFAGO、BLASPHEMYは80年代に結成されたバンドで、当時こそそのような名称は使用されていません。そのようにジャンル名というものは後年称されるものも多いです。特にこのジャンルはアンダーグラウンドなものだったのでなおさらだと思われます。

 ちなみに後述しますが、War/Bestial Black Metalはその音楽性からBlack/Death Metalとして扱われることもあります。しかし一方でBlack/Death Metalはブラックメタルバンドがデスメタル的な手法を多く取り入れたものを指すこともあり(ポーランドのBehemothなど)、区別することを好む人もいるようです。そんなときに使われるのはGoat Metal(Last.fm)だったりMetal of Death(Last.fm)などだったりしますが、そのように呼称が様々あるのは音楽的に細分化が進んだというより、ブラックメタルとデスメタルのいずれにおいても傍流と見られていた中で自分たちのアイデンティティを主張した現れであるように感じます。拙著における様々なバンドへのインタビューの回答を見ていただくとそのような主張が垣間見れる回答も多かったです。そのため細かい呼称をいちいち覚える必要もないですが、そのような呼称を理解しておくとこのジャンルでのバンド発掘がしやすくなることは補足しておきます。

 それでは次回は実際にベスチャル・ブラックメタルとウォー・メタルについて個別に説明していきます。次回もよろしくお願いいたします。

⇒ 「ウォー・ベスチャル・ブラックメタルとは何か - II
タグ: Column  War  Bestial 
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『ウォー・ベスチャル・ブラックメタル・ガイドブック』の購入先 

お取り扱いいただいているショップ様を紹介させていただきます(敬称略)。

随時、追加更新していきます。(2017/03/28更新)


■ 専門店系

⇒ 他にも取り扱いの決まっているショップ様も数件ございます。今後、追加予定です。

■ 大手流通系


もしショップ様で取り扱いにご興味がありましたら、お問い合わせはパブリブ社の方にお願いいたします。よろしくお願いいたします。
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『ウォー・ベスチャル・ブラックメタル・ガイドブック』リリースについての祝辞② 

 『ウォー・ベスチャル・ブラックメタル・ガイドブック』のリリースが決定し、インタビューに答えてくれたバンドメンバーより続々とお祝いの言葉を頂戴している。⇒ ①(前回)

■ 9300FGBB (REEK OF THE UNZEN GAS FUMES)

 この度は出版おめでとうございます。
 日本においてHM/HRを扱う紙面に目を向けた際、「おい!もっとディープなバンドがいるはずだろう!」という焦燥感を持った人は少なくないはずです。そのディープなバンドのさらに奥をいきなり研究した本書はまさに珍書と言えます。
 アンダーグラウンドとは直訳すれば地下ではありますが、真にアンダーグラウンドと他称出来る分野は実際なかなか存在しないものです。ベスチャル/ウォーブラックメタルのバンドはそのほとんどがアンダーグラウンドであり、それはまるで湿気だらけの森にある岩をひっくり返した、その底にへばり付いている見たことも無い数多の不気味な生物のようなものです。それを一匹づつ分析したようなものがこの書であり、そして、そのまだ土中深くにはまだまだ未知なるバンドが蔓延っております。
 その探求の扉となる本書を執筆したショウさんの今後の暗躍にも期待しております。

RotUGF_Logo.jpg 

 覆面ブラック/グラインド
 REEK OF THE UNZEN GAS FUMES







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『ウォー・ベスチャル・ブラックメタル・ガイドブック』を書きました 

 既にSNSなどを通じてお伝えしております通り、掲題『ウォー・ベスチャル・ブラックメタル・ガイドブック』をパブリブ社より11月上旬にリリースいたします。

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アウトブレイク・ショウ(著/文) 
発行:パブリブ
A5判 224頁 並製 
価格 2,200円+税
発売予定日 2016年11月10日

 当ブログでは11月のリリースまでインタビュー出演したバンドのコメントの掲載など本書に関わる様々な情報をフォローしていきます。チェックの方、よろしくお願いします。
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あのショップの在庫から勝手にリコメンド・2016/04/28 

腰を落ち着けてインプレッション記事などが書けない状態ですので、
お世話になっているショップさんの在庫が確認できているもの(16/04/28 22:50現在)で
お勧めなものを無作為に紹介します。

ZDR
Blasphemy - Live Ritual: Friday the 13th / CD
ブート盤ですが、それでも。

Insanity of Slaughter - Be at a loss + 1998-2000 (A5)
まだ限定セット版が売れ残っていました。日本のブラックメタルのアングラ感がまだ強かった時代の生々しさ。スタイルの未完成さも含めて楽しむような内容。

Ascension - Consolamentum / DigiCD
DSO 3rdのスタイル+ジャーマンブラックのような、一つの理想的な形。傑作。

Deathrash Armageddon
Sadokist - Thy Saviour's Halo, Held by Horns CD
フィンランドのブラックメタルを「あるべき姿」に戻そうとする若手の動き

Infernal Execrator - Thy demonization Conquers CD
シンガポールにおける00年代ウォーブラックの旗手

Unholy Archangel - The Wrath of Kosmosistis CD
崩壊系ウォーブラックの基本中の基本

Grand Belial's Key - Mocking the philanthropist CD
GBKの1stはやっぱり聞いた方がいいんじゃないでしょうか。

はるまげ堂
SADISTIK EXEKUTION / 30 Years of Agonizing the Dead (CD)
オセアニアベスチャルブラックメタルの原点にしてMayhemなどにも影響を与えた!

REENCARNACION / 888 Metal / Acompaname a la Tumba (CD)
ポンコツと天才は紙一重なのだと思わせる作品。彼らの存在が80年代ブラックメタルの多様性を物語る。

(ORCD108) INFERNAL CURSE / Apocalipsis (CD)
1stに比べると聞くほどに深みのある作品で、コグメロから一歩踏み出すも軸足はやはり南米!

BEGRABNIS / ESTRANGEMENT / Split (Paper Sleeve CD)
Begrabnisやばい!ライブ見るべき!妖しい!

Recond Boy
IMPURITY / SEX MESSIAH - Vomiting Blasphemies Over the World SPLIT REGULAR LP
Impurity来日のときに限定発売されたCDがNWN!からLP再発!アナログ最高!

VULCANO - Bloody Vengeance LP
VolcanoってBathoryよりデビュー早いんですよ。ブラックメタルはBathoryが原点と言い切るのは早い。

GENOCIDE SHRINES - Manipura Imperial Deathevokovil: Scriptures of Reversed Puraana Dharmurder CD
多くのウォーベスチャル/デスメタルマニアが2015年のベストに挙げたスリランカの至宝!

ignorant scene distribution
MORBOSIDAD (TX, USA) - TORTURA TAPE (Morbid Reality)
Morbosoメタルの最新EPのテープ化です!ドラマーがチェンジしてますますグレイト!

CATAPLEXY (Osaka) - ... Lunar Eclipse, Chaos to the Ruin ... CD (BLOODBATH)
今度ZDRより再発されるらしいのですがこちらのオリジナル盤もファンなら持っておかないとね。

以上です。
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2015年を振り返って 

■ 今年は個人的にアナログ元年

 もうそろそろ2015年も終わりを迎えますね。これを書いている傍らにはレコードプレイヤーが心地良いウォー/ベスチャルブラックを奏でています。そう、今まで意固地になって導入しなかったレコードプレイヤーをついに購入してしまい、歯止めが利かなくなった一年でした。自分が一番よく聞くのはウォーブラックメタルなので、アナログしか出ていないリリースも多く、思い切って環境を導入したが最後でした。

 というわけで今年買った音源は計118枚。内、アナログ(レコード+カセットテープ)は30枚、BandcampによるDLは12枚でした。 よく買う人からしたら少ないと思うかもしれませんが、個人的にはもうアップアップで、積み音源が続出しています。

 しかしせっかく年末なので、以下に新譜として買ったもので印象深かったものを書きます。


■ 新譜で印象深かったもの

 何といっても当初、なかなか入手困難だったArchgoatの新譜ですね。こちらはどうしても発売日に聞きたくてAmaz○nで頼んだら全く届かず…でその後、国内ディストロで頼むも今度は住所の問題で届かず…。苦難の末に聞いても当然のごとく鎮座するArchgoatらしさに平伏でした。Goatsemenの新譜、こちらもどうしてもすぐ聞きたくてBandcampでDL予約購入するもレーベル側の設定ミスで発売日が過ぎてもDLできず、ぐぬぬぬ…。レーベル側に掛け合って聞くことができました。その後、国内でピクチャーLPが出回ってすぐ購入。盤面が美しすぎて、これは墓まで持っていきたい一枚です。Revengeの新譜は海外でも賛否両論らしく、人によっていつものRevengeの"平均的"な作品と捉える人と、そうでない人がいたようです。自分としてはここまでグラインドナイズに爆走しといて妙に一撃一撃が重いのがとても印象的でした。

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引き続きウォー/ベスチャルブラックですが、まずDunkelheit Prod.の近年の充実ぶりを象徴するようなGoatbloodの新譜は本当に素晴らしいブラッケンデスメタルでしたね。彼らの存在が私の主張である「Goatに失敗なし」を裏付けてくれます。Deiphagoは個人的に前作があまりピンと来なかったため、ちょっとどうかなと思っていましたがやってくれました、傑作です。前作はちょっと深いところに潜って、同時に彼らの原初的な野蛮性が損なわれたと感じたので、今回は深みを感じつつ非常にバーバリアンなブラックメタルです。はい、そしてGenocide Shrinesです。下手したら今日紹介するものの中で今後の期待も含めたら一番推したいアルバムです。エクストリームってむやみに使っちゃダメ。こういうアルバムに対して使うものです。

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 ここで一息、ウォーブラック以外に目を向けると、ここでCohol。1stアルバム、スプリット、そしてこの2ndアルバムと連続的にも離散的にも見える作風ですが、共通して言えるのは他のバンドとは本気度が違う、ということ。彼らがライブなどで見せる姿もそうだけどエモーショナルなんですよ。あれは本気だからだと思うんですね。マジってやつです。ライブのイタルさんのMCだけ切り取っている人もいるけど、そこだけじゃないでしょ、って。人間性を抉り出すような歌詞をもって歌うヒロさんと、ライブ終わったら抜け殻になってるキョウスケくん、全部超本気なんだってば。って語りすぎはいけませんね、次。Enslavedは好きなら聞くしかない。はい、次。Miasma Deathですが、一応凶音の関口さんが、っていうのが枕詞に入って紹介されてますけどね、このバンドはちょっと従来の日本のブラックメタルバンドとは雰囲気が違う気がします。やっている音もそうですけど、すごい古臭い音をすごくフレッシュにやっている感じですね。だから関口さんみたいなベテランが比較的若手のメンバーを引き連れてですね、それでフレッシュにやっているのってすごく面白くないですか。そして2ndデモ、もう少し作ってください。まだ買えてません。

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 ちょっとブラックメタルから離れてみましょう。Exhumedの1stゴアメタルのリレコ盤です。何と太っ腹で、オリジナル盤も同梱されているんですよ。リレコもサウンドプロダクションは完全に今っぽいんですけどまあやっぱりExhumedは素晴らしいなと。続いてAnother Dimensionですが、これはTerror Squadの宇田川さんの率いるメロディックデスメタルバンドで、メロデスではないですよ、メロディックデスメタルバンドでとりあえずもうとにかく最高としか言いようがないですね。今年が2015年か確認したくなる音ですが、良いものは良いんです。最後にBachoですが、ちょっと今回のラインアップでは異色かもしれませんけど、再生回数見てみたら1曲目の"さよなら"をめっちゃ聞いていたという(笑)。ほんと良い曲です。サラリーマンとして通勤しているときに、なんかしっくりくるんですよね。この年になると雑踏と共に過ぎていく日がほんと切なくて、小さいときはもっと楽しい明日を見ていたはずなんですけど、そんなときに彼らから「一瞬を震わせようじゃないか」と言われると、よっしゃやってやろうかって思えるようなそんな曲です。

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 後、今年行ったライブですけど、印象に残ったのはやっぱりImpurityの来日と、Inquisitionの来日ですね。どちらのバンドのメンバーともライブ中やそれ以外でコミュニケーションをとる機会に恵まれまして、やはり昔からすげえなあ、でも日本に来るわけないよなあと思ってたバンドを日本で見ることができたことはやっぱりとても幸せなわけです。

 今年の秋から転職に伴って関東に来ました。ライブも見に行く機会が増えそうだと思ったのですが、いろいろあってまだ数回しか行けてません。でも来年に向けてしっかり弾を仕込んでいるところです。それはライブに行くぞっていう話も少しは含まれているんですが、それよりですね、もう少し大きいことをしでかそうとしています。また報告ができるところまできたらブログ上で報告させてもらいます。

 それでは皆様、よいお年を!
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Re: War Black Worship - vol. 3 

前回 → Re: War Black Worship - vol. 2

■ 十章: Nuclear War Now!

blasphemy_live.jpg Yosuke Konishi氏はアメリカはカリフォルニアにて自身のブラッケンドノイズバンド、ErebusのデモリリースとしてレーベルNuclear War Now!を設立する。1999年のことである。この時点では決して現在のようなレーベル活動を目論んでいたわけではなく、単純に自身のデモリリース起因だったようだが、やがて自身の音楽活動の限界と他者の作品リリースに考えが達し、2001年のバンクーバーにおけるBlasphemyのライブをMDプレイヤーで録音したものを、バンド側に掛け合ってライブ音源としてリリースすることになる。これが公式リリースとして初のNuclear War Now!のレーベル活動となった。

 この2001年という年は例えばOsmose Prod.もAngelcorpse、Blasphemy、Sadistik Exekution、Mystifierといったバンドのマテリアルの再発をリリースしており、ヨーロッパでも何らかの機運が高まっている時期であったし、Blasphemyが一時期的にでも再結成によるライブ活動を行ったこと自体、その何らかの機運とリンクしていることは間違いない。

Kult_Razor.jpg もしくは恐らくこのブログの閲覧者ならよくご存じであろう日本のDeathrash Armageddonもまた初リリースとして2002年にフィリピンのKorihorの作品をリリースしている。この音源ジャケットはあのGoat SemenのErick Neyraがデザインしたことで有名であり、いかに世界中でこのような同時期のムーブメントが勃発したかお分かりいただけるであろう。もしくは第八、九章でそれぞれ述べたように東南アジアと南米にそのようなつながりがあったこともまたトレンドと無関係だった地域の"同志関係"がうかがえるのだ。

 恐らくこれは北欧を起点とした2nd wave BMにおいてその勢いに陰りがみられたこと、もしくはよく言われるジャンルのポピュラー化、コマーシャル化による本質の衰退に対してアンダーグラウンドに引き戻そうというムーブメントが局所局所で勃発し、1st wave BMの流れを汲むバンドマテリアルの再評価が進んだのではないかと考えられる。その中で最も存在感があった、さらに言えばマテリアルのチョイスにアンダーグラウンドかつカルトなセンスがあったのがYosuke Konishi氏であり、Nuclear War Now!だったのである。Blasphemyが彼にライブ音源のリリースを許可したという事実自体が非常に興味深いものなのだ。もしくはDeathrash Armageddonもそうだが、極めてレーベルオーナーの個人的な趣味を動機としたリリースや再発がこのジャンルの再興を促したことはまさにこのジャンルの性質を表していると言える。

blasphemy1.jpg その後、Nuclear War Now!による重要な再発音源を以下に並べる。
  • VON - Satanic Blood Angel (2002)
  • Sarcofago - I.N.R.I. (2004)
  • Impurity - The Lamb's Fury (2006)
  • Reencarnacion - 888 Metal (2006)
  • Blasphemy - Fallen Angel of Doom (2007, 2015)
  • Conqueror - War.Cult.Supremacy (2011)

 特にRoss Bay Cult関連の再発は共同で行っており、Blasphemyのライブ音源リリースの後もアンダーグラウンドにおける交友関係は長く続いている。


■ 十一章: 志を受け継ぐ者たち

 Nuclear War Now!を中心とした過去音源のリリース群による再評価に呼応するがごとく、その志を受け継ぐかのように新しいバンドが出現する。それらをサポートした重要なレーベルはもちろんNuclear War Now!Deathrash ArmageddonOsmose Productionsの他に、ドイツのIron Bonehead ProductionsDunkelheit Produktionen、アイルランドのInvictus Productions、アメリカのHell Headbangers RecordsOld Cemetery RecordsDark Descent RecordsSatanic Skinhead Propagandaが候補として挙げられるだろう。

 そしてそれらrのレーベルがリリースに関与した"志を引き継いだバンドは以下の通りである
 
sadomator.jpg
    ヨーロッパ
  • Sadomator (ex-Sadogoat) (1998-)
  • Embrace of Thorns (1999-)
  • Anal Blasphemy (2002-)
  • Blasphemophagher (2002-2012)
  • Bestial Raids (2003-)
  • Proclamation (2003-2012?)
  • Teitanblood (2003-)
  • Pseudogod (2004-)
  • Wargoat (2006-)
  • Demonomancy (2008-)
  • Goatblood (2011-)
  • Witchcraft (2013-)

black witchry
    北米
  • Ouroboros (1997-2010)
  • Axis Of Advance (1998-2007)
  • Black Witchery (1999-)
  • Revenge (2000-)
  • Nyogthaeblisz (2002-)
  • Martyrvore (2002-)
  • Necroholocaust (2003-)
  • Amputator (2005-)
  • Nuclearhammer (2005-)
  • Antediluvian (2006-)
  • Nocturnal Blood (2008-)
  • Weregoat (2009-)
  • Abysmal Lord (2013-)

witchrist.jpg
    南米
  • Seges Findere (1999-)
  • Goat Semen (2000-)
  • Nihil Domination (2003-2013?)
  • Hades Archer (2005-)
  • Wrathprayer (2006-)
  • Bloody Vengeance (2009-)

    オセアニア
  • Diocletian (2004-2015)
  • Witchrist (2006-)
  • Heresiarch (2008-)
 
Genocide_Shrines.jpg
    アジア
  • Nechbeyth (2001-)
  • Zygoatsis (2003-)
  • Damaar (2004-2006)
  • Infernal Execrator (2005-)
  • Battlestorm (2007-)
  • Nocturnal Damnation (2010-)
  • Genocide Shrines (2011-)
  • Blasphmachine (2012-)


 これらのバンドを並べたのは一つは各地域から新しいバンドが出てきているということ、そして特に前述した2002年前後に多く結成されていることだ。この事実は過去のマテリアルの再発が促したシーンの活性化を表していると言えよう。なお、上記バンドリストは特定レーベルが関わったバンドという限定に基づいており、このジャンルの重要なバンドを全て網羅的に示しているものではない。しかしかなりの有名なバンドを網羅していることは確かである。

 また更に00年代後半から現在まで、アクティブなバンドを俯瞰的に見てみると、実はvol.1で触れた各バンドの要素が混在化されていったようなスタイルのバンドが増えていることがわかる。決してトレンドに振り回されず、自己のスタイルに進化ではなく深化していった結果としての、近いベクトルを持つ各スタイルの共鳴が図られているのである。例えばニュージーランドのDiocletianでいえば、オセアニアブラックメタルとしてのBestial Warlustのスタイルをベースとしつつ、Incantationスタイルを合わせたものになっているし、フィリピン(現在はコスタリカ)のDeiphagoはBlasphemyのスタイルをベースとしながら、さらに南米ベスチャルスタイルを融合というより掛け合わせたような感じでとにかくダーティーで破壊的なスタイルを確立している。

■ 十ニ章: 最後に

 最も1st wave BMの直系だといえるスタイルでありながら、シーンのオーバーグラウンド化を嫌って地下に潜った結果、ブラックメタルのサブジャンルとして認識されてしまったWar/Bestial Black Metalであったが、その後、再評価が進むような各"個人"の動きがそのアンダーグラウンド性を保ちながら世界中に広まり、重要な過去音源の再発のみにとどまらず、新たなバンドの始動や、もしくはArchgoatやBeheritのような重要バンドの再結成に至った。

 War (Black) MetalのパイオニアであるBlasphemyは、その重要な過去音源の再発という起爆材においてもやはりNWN!の行動と共に共鳴しており、過去から現在に至るまでこのジャンルにおいて最も重要なバンドであるということは言うまでもない。

 最後にそのBlasphemyの発言から引用してこのコラムを閉める。


 ―Would you say Blasphemy is Black Metal, Black/Death or something else?
 Blasphemy: Only Black Metal.
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