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The best albums of 2018 

 年間ベスト記事ということで先に今年1年を振り返ってみますと、2月にZine "Outbreak of Evil issue #01" を自費出版しました。素晴らしいお店の数々に扱っていただきまして確か1ヶ月でSOLD  OUTしたと思います。また海外とのまとまった数のトレードを行いました。そこでそのようなトレード品を提供するためにディストロを3月に開始しました。こちらも身の丈にあった規模でやらせてもらっています。そろそろZine "issue #02" を出して、またトレードもやっていきたいと思いつつ、私生活や仕事がここ最近かなり忙しくなってしまい悩ましい今日この頃です。

 さて年間ベスト記事ということですが、今年は旧譜を合わせて170枚聞きました。プロモーションなどでレーベルやバンドから無償で提供いただいたものもありますが、とにかく豊作でした。2017年のベスト記事はZineに掲載しましたが、今回はこちらで本年リリースのベストを順不同でご紹介いたします。「こんな音源出てたんだ!」みたいな発見や、「解る!」「いやこれは違う!」みたいな共感/反共感含めて楽しんでもらえたらうれしいです。

■ illya - Microcosmos (Captured Records)
illya - Microcosmos 
 日本のメタリック・ハードコアバンドillyaの記念すべき1stアルバムです。Twitterの方でこのアルバムを今年上半期のベストに挙げたのですが、年間を通じてもやはり。2012年に自主リリースされたデモ音源が非常にツボにハマり、いよいよフルアルバム。本当に待ちましたよ。リリースされただけでも感慨深いのに、内容がね、本当に素晴らしくて。自分も若いとはとても言えなくなり、事象を自分の中だけで飲み込むことで切り抜ける場面も増えていく中で、それでも自分についてきてくれる人たちの前で毅然としなくちゃいけない立場にもなり、そんな毎日に忙殺されそうな時にこのアルバムは本当に効きます。今の自分の生活に根差している活力です。

■ Autokrator - Hammer of Heretics (Krucyator Productions)
Autokrator - Hammer of Heretics 
 フランスの独りインダストリアル・ブラックメタルバンド N.K.V.D.のLoïc.F氏が2014年に新たに始めたブラック・デスメタルバンド Autokratorの3rdアルバム。お恥ずかしながら2ndアルバムまではフォローしてなかったのですが、これは凄まじい。ジャケットにも表れているようなシックでカルトな瘴気が満ち満ちていて、単にスピーカーの前で音源を聞いているだけなのに、ある種の視覚・映像にも訴えるような感触を覚えます。哲学的だったり、儀式的なブラック・デスメタルは近年増えていますが、似て非なるモノですね。その辺りはN.K.V.D.の活動が活きているのかもしれません。

■ 
Rites Of Thy Degringolade - The Blade Philosophical
 (Nuclear War Now! Productions)
Rites Of Thy Degringolade - The Blade Philosophical 
 カナダのブラック・デスメタルバンド Rites of Thy Degringoladeの4thアルバムです。傑作3rdアルバムから13年…というか少し前に渋谷のディスクユニオンで3rdアルバムのLPが捨て値で売られていてビックリしましたよ。閑話休題、10年近く活動を停止していたため、感慨深い新作です。正直、再発とか編集盤かと勝手に勘違いしていましたが新作でした。このバンドの素晴らしいところはウォー・ブラックメタルにも通じる苛烈さを備えていながらにして、知的で冷静な視点を加えているところです(つまりベスチャルじゃない)。これは非常に難しいバランスで、高尚さに結びついてしまうと「これじゃない!」になってしまうのです。3rdアルバム、そして本作もそのバランスをうまく仕上げています。何度も何度も聞きたくなる音源ではないですが、聞いている最中の味わい深さは本物です。

■ 
Grizzly Fetish - Demo2018
 (GoatowaRex)
Grizzly Fetish - Demo2018 
 あのReek of the Unzen Gas Fumesなどによる極東ブラックメタルサークル "四死帝國" (Circle of 4444 Reich) の一員であるGrizzly Fetishのデモテープ。音楽的にはブラック・グラインドというべきなのかもしれませんが、この音源を聞いて私に想起させる原風景は1980年代に母親が日中にテレビで見ていた昭和のサスペンス番組です。怪しげで、猥雑で、淫猥。それらから生じる背徳感を子供心ながらに感じていました。この音源はそのような当時の感情を蘇らせる何かがあります。何なんだろう、この背徳感は。きっとそれはタブーに触れているということなのですよ。

■ 怒号 - FURIOUS BLACK METAL (自主リリース)
怒号 - FURIOUS BLACK METAL 
 日本のブラックメタルバンド、SSORCのex-メンバーが関わっているブラックメタルバンド 怒号の初音源。バンド名にも、アルバムタイトルにもある通り、とにかくこのバンドは怒っています。そもそもハードコア一本でやっていきたいというIronfist 辰嶋氏の意向が反映された形で当時のSSORCの脱退があったと記憶していますが、このジャンルに返り咲いたということの意味―そしてこの怒り、リスナーとしても単純に消費するだけではぶん殴られてしまいそうな1枚です。それでいて楽曲としてのコントロールが絶妙で、各メンバーの個性がうまく昇華されています。

■ Morbosidad - Corona de epidemia (Nuclear War Now! Productions)
Morbosidad - Corona de epidemia 
 アメリカ・テキサスの重鎮ウォーブラックメタルバンド Morbosidadの通算5枚目となるフルアルバム。前作EP "Tortura"では中心メンバーのTomas Stench以外メンバー総入れ替えで臨み、作風にも奥行きが出てきたというか「スペイン語感のあるBlasphemy」的な立ち位置から一歩前に出てきたような感触がありましたが、このフルアルバムではその感覚を継続してさらに前進したと言ってよいでしょう。マニアックでディープで原理的なポジションから、もっと広域に訴えかけるクオリティを隠さず出すようになっています。このアルバムをしてMorbosidadの最高傑作!と言いたいところですが、それを言い切らせない彼らの今後の歩みに期待です。

■ Deiphago - 2018 demo (自主)
Deiphago - 2018 demo 
 2017年には来日も実現したウォー・ブラックメタルバンド Deiphagoの最新デモ。色々縁があって唯一日本のディストリビューションもやらせてもらったので非常に思い出深いですが、内容の方も強烈です。ジャケットは恐らくメンバーの手書きなのでしょうが、まるでBandcampに思い出作りでアップしたかのようなロウ・ブラックメタルバンドのアルバムにも見えますけど、安心してください。まるで質が違います。こっちが本当にロウでグラインドでカオスなブラックメタルです。来日時に彼らに接したときに、意外やミュージシャンシップや知的な側面を感じたのですよね。そういったものは間違いなくこのデモに反映してますね。彼らの2ndアルバムが好きな人はこの作風は結構衝撃ではないでしょうか。来年リリース予定のフルアルバムが楽しみでしょうがないですね。

■ Abominablood - P Z Z U Sacrifice And Transmutation (Hell Productions)
P Z Z U Sacrifice And Transmutation 
 アルゼンチンのVomit of DoomでもプレイしているL. Warpig Venomous Abominatorによる独りベスチャル・ブラックメタルバンド AbominabloodのEPで、どうやらこれは2017年にリリースされたそうなのです。今知りました。今年だと思っていた…。アルゼンチンのベスチャル・ブラックメタルというと2度の来日を果たしたInfernal Curseが有名ですが、チリなどと比べるとシーンの勢いがあまり感じられずに、この地球の裏側まで到達する情報が非常に少ないのですね。そんな中でこのバンドは個人的にはかなりヒットで、Sarcofagoから続く伝統的な南米スタイルを崩さずにうまく現代にアレンジを施していて、あなどれないぞアルゼンチン!となった作品です。

■ 
Black Ceremonial Kult - Communion Of The Ancient Gods
 (Deathrash Armageddon)
Black Ceremonial Kult - Communion Of The Ancient Gods 
 チリのベスチャル・ブラックメタルバンド Black Ceremonial Kultの編集盤。元々はIron Bonehead Prod.が2016年にテープでリリースしていたものですが、個人的には当時はこのリリースを知らなかったのでCDでのありがたい再発ですね。このバンドはベスチャルスタイルを保持しつつもオカルティックな側面を深堀りしたようなスタイルです。リチュアルテイストかと言われると個人的にはそうはあまり聞こえなくて儀式的な要素は感じないのですよね。もっと実験的…とはいえアバンギャルドな方向ではないのですが、そういう探求心が出ているところがこのバンドの特長ではないでしょうか。そろそろフルアルバム出してほしいバンドですね。

■ Subduer - Death Monolith (Dunkelheit Produktionen)
SUBDUER - Death Monolith 
 ドイツのブラック・グラインド・ノイズメタルバンド、SubduerのEP。昨年はインドのTetragrammacideを中心としたブラック・ノイズメタルシーンが局所的に盛り上がりましたが、ドイツからの回答がこのバンドですね。そのあたりのバンドが好みならまず間違いのない作風です。そもそもこのようなスタイルの源流はNyogthaebliszでしょうが、現在の流れはより無機質なノイズを意図的にふんだんに取り入れることで、逆に人間の狂気のようなものを抉り出しているように聞こえますね。単なる直情的な行動とは異なる行動にも狂気は反映されるということです。まだまだこの流れは続きそうですね。

■ Xfago - NAMO NAKI SHURA (死体カセット)
Xfago - NAMO NAKI SHURA 
 Outbreak of Evil Distroでも取り扱わせていただき、即完売したウォー・ベスチャル・ブラックメタルバンド Xfagoの初デモテープ。一時期、凄い話題になりましたよね。「Xfago難民」だなんて言葉も散見されました。自分のreviewを各店舗でも商品紹介として掲載されるなど思い出深い一本です(なので音源の感想はここには書きません)。彼らはその存在自体が価値あるバンドです。しかし決してそれは道化ではないということを示した一本ではないでしょうか。

■ Oksennus - Kolme toista (Caligari Records)
Oksennus - Kolme toista 
 フィンランドの自称「死神メタル(KUOLEMAN METALLI)」バンド、Oksennusの3thアルバムです。一目見たら忘れられない味わい深いジャケットです。今年はこの作品をNWN!が再発した(のか共同リリースだったのかもしれない)のでだいぶこの界隈でも知名度が上がっています。私はたまたまCaligariのテープバージョンで入手していたのですが、この人参いったい何だろうと。しかし音を聞けばそのような疑問は晴れました。代わりに浮かんだ疑問は「何だこの人参バンドは」です。アヴァンギャルドと言われればそうかもしれませんが、とかく掴みどころがないです。構成要素を分解すればサイケとかグラインドとかブラックメタルなどが出てくるんでしょうけど、それらの融合のさせ方、もしくはそれで楽曲としての成立性に持ってくるまでの手法が今までに自分が体感したことのないものになっているようなんです。私の頭をめちゃくちゃにしてくれ!この音源のおかげで改めてCaligari Recordsは抑えとかなくちゃいけないレーベルだとも感じました。

■ Blasphamagoatachrist - Black Metal Warfare (Nuclear War Now! Productions)
Blasphamagoatachrist - Black Metal Warfare 
 BlasphemyのNocturnal Grave Desecrator and Black Winds、GoatpenisのSabbaothとTyrant Virrugus、そしてAntichristのIncinerator of Lacerated Angels and Coffin Destructionという夢のメンバーで構成されたインターナショナル・オールドスクール・ウォーブラックメタルバンド、Blasphamagoatachristの初音源です。あえてオールドスクールという言葉を使用しました。ウォーブラックはこの二十年間、全く姿を変えなかったわけではなくて、その中でこのようなオールスターメンバーによるプロジェクトが発足されたというのは意味深いことです。作風はもう完全にGoatpenisBlasphemyですよ。足して二で割っている。メロディラインはGoatpenisに引っ張られているけど、そこにとんでもない野蛮で獣性のあるリズムとヴォーカルが乗って北米のスタイルが反映されています。どちらも好みな人の脳味噌に直撃です!

■ Sex Messiah - Eastern Cult of Sodomy (Nuclear War Now! Productions)
Sex Messiah - Eastern Cult of Sodomy 
 日本のブラックメタルバンド Sex Messiahの1stフルアルバム。2014年にリリースされたコンピレーションに「日本でもこんなすごいバンドがいたのか」と衝撃を受けた人も多いと思うのですが、そういう人に二度目の衝撃を受けてほしいです。ガイドブックでインタビューなどもさせていただくなかで、このバンドは中心メンバーのMoenosの思念によって形成されたものだと感じたのですが、その思念は鋭利ではあるものの指向性はある程度の広がりを持っているのだと、このアルバムを聞いて実感しました。ソロプロジェクトのテープもこのアルバムより先に聞いていましたが、その活動も間違いなくフィードバックされていることでしょう。以前の活動よりアナーキーこそ減退したものの、よりディープな世界観を備えた傑作ですね。

■ Konflict - Trigger Universal Conflict (GoatowaRex)
Konflict - Trigger Universal Conflict 
 スリランカの反仏教・ウォー・ブラックメタルバンド、Konflictの最新EP。日本のReek of the Unzen Gas Fumesとのスプリットでも強烈な印象を残しましたし、収録曲の "Conflict is Control" のPVは凄い映像でした。今久しぶりに見たくなったのですがなんと"この動画は、YouTube 利用規約違反のため削除されました。”になっていました。ぬおー、チクショー!いつか我々が好きこのんで聞いている音楽自体もいつ弾圧の対象となるか解らないとも感じました。彼らから繰り出されるハーシュ・ウォー・ブラックノイズはそれを危惧してしまうほど病的なまでに圧力に対抗する姿勢を前面に押し出しています。ここまで強烈にハーシュな音源はかなり人を選ぶでしょうが、その背景も考えた上で圧倒されてほしい音源です。

■ Archgoat - The Luciferian Crown (Debemur Morti Productions)
Archgoat - The Luciferian Crown 
 フィンランドのブラックメタル・レジェンド Archgoatの通算4枚目のフルアルバムです。昨年2曲入りのEPが出ましたけど、曲は重複していないどころか、作風もArchgoatの核はそのままであるにせよ、もう少しスラッシーなスタイルに重きを置いた作品になっています。「そう来たか!」と驚かされました。個人的な意見になってしまいますが、彼らは同期のBeheritBlasphemyと何が違うって一番Carcassタイプのグラインドを基盤においたブラックメタルをプレイしているところにあります。そして今作ではどことなく中期Carcassを想起させるギターワークを挟んできているのですよ。まあ90%は今まで通りのArchgoatなんですけど。このおかげで近年の作品のダークネスなヘヴィさから抜け出しているような気がして、個人的には嬉しい変化ですね。

■ Infernal Execrator - Obsolete Ordinance (Pulverised Records)
Infernal Execrator - Obsolete Ordinance 
  シンガポールのウォー・ベスチャル・ブラックメタルバンド、Infernal Execratorの2ndアルバムです。あれ?まだフルレングスは2枚目ですか。私が個人的にこのバンドを知ったのは2010年にImperial Tyrantsとのスプリットを入手したときなのですが、あの頃からスタイル自体は全く変わっていないものの、演奏、楽曲など全てにおいてバンドのクオリティが上がっていますね。スラッシーなリフの魅力もグッと上がっていてキャッチーでもある。もうアジアを代表するウォー・ベスチャル・ブラックメタルバンドの一つと言ってもいいのではないでしょうか。Abhorer、Impietyときて、このバンドの存在というのはやっぱりシンガポールっていう国がそういう基盤を持っているとしか思えない(笑)。

■ Maledictum - El universo en sombras interminables (Minche Mapu Records)
Maledictum - El universo en sombras interminables 
  GoatoimpurityMiserycoreといったチリのバンドのメンバーが関わっているベスチャル・ブラックメタルバンドが2014年に自主リリースした音源の再発。正直Deathrash Armageddonさんが入荷してくれなかったら一生入手できなかった気がします。大変感謝いたします。このバンドのサウンドの特長というのは南米ベスチャル・ブラックメタルを基盤としながら、そこから喧しさを出していったスタイルにあります。ちょうどBlasphamagoatachristの紹介も上の方でしましたけど、ああいうスタイルの融合によって生み出されたものではなさそうなんですよ。ああ、でもじゃあDeiphagoっぽいのかと言われると全然違うな。Blasphemyは通ってなさそうな音というと説明になるでしょうか。近年活動してなさそうなのでもっと聞いてみたかったバンドです。

■ Evil - Evil Way Of Live (Electric Assault Records)
Evil - Evil Way Of Live 
 日本のブラック・スラッシュメタルバンド、Evilのライブ音源。2017年に出演した浅草デスフェストのものだというのだけれども、実に音質が良いですね!普段、ヤバいものをよく聞いているからかもしれませんが、スタジオ音源に匹敵する音質じゃないですか。当然、ってことはメンバーの技量も素晴らしいという事にもなりますよね。若い若い言われていた彼らも1stアルバムのリリースから6年も経っているんですけど、その期間の中でどれだけの積み上げをしてきたのか、ということになりますよね。それが全部出たライブなんじゃないでしょうか。それくらい素晴らしい。これは世界で勝負できますわ。ライブ盤をベストに載せるっていうのはあまりやってこなかったと思いますが、これは載せざるを得ない。名盤でしょう!

■ Witchcraft - Nightmare Goetia (Darkness Attack Records)
Witchcraft - Nightmare Goetia 
 Beheritチルドレン最先鋒、Witchcraftの最新デモテープです。前身Black FeastはNWN!からレコードで編集盤が出たので助かりましたがこちらのデモは音源が手に入りづらくて困っていました。しかしいつの間にDarkness Attack Recordsに所属していたのですか。というわけでこのデモテープはしっかりゲットできましたよ。まじで助かりました。このデモは初期Beheritのオカルト成分を抽出して作成したと思われる初期Beherit原理主義的な一品です。シンセの入れ方とかそういうやり方含めてしっかりモノにしているな、と。もしあの頃のBeheritがそのまま続いて曲を作っていたら…、そんな夢を具現化してくれて本当にありがたいです。

■ Reek Of The Unzen Gas Fumes - Buddha Composted Pond (Darkness Attack Records)
Reek Of The Unzen Gas Fumes - Buddha Composted Pond 
 四死帝國の中心的存在、Reek of the Unzen Gas Fumesの最新EP(テープ)です。思い返すとImpurityの大阪でのライブにいったときでしたかね、会場でデモCDを頂いたのが初めてだったと思います。後にメンバーにその話をしてみたら、その人はメンバーじゃなかったと聞いて。あれ?ではあの人はいったい誰だったんでしょうね。そんな話はさておき、その時に聞いたデモからずっとスタイルは一貫してシックなウォー・ブラック・グラインドです。マシンドラムを惜しみなく使い、和物を想起させるメロディを挟むことで何というかとんでもない強烈なサウンドで畳みかけてくるのにどことなく効きやすさがあったりして癖になってしまうところは今作も健在です。

■ Necroholocaust - Laudem Antichristus (Iron Bonehead Productions)
Antichristus.jpg 
 カナダのゴート・ウォー・ブラックメタル、Necroholocaustの最新EPです。実は年末になるまで存在に気付かず…しょうがなくてBandcampで購入しました。個人的にはカバーデザインは微妙ですね…。2曲入りということで物足りなさはあるものの、間違いなく4年も待ちわびた”Holocaustic Goat Metal"の続きです。これは先行EPなのかな?是非ともフルレングスのリリースを!なにとぞ!



 というわけで計22枚が今年のベストです。これ選びながら載せるか載せないか迷う音源が山ほどあって僅差で載らなかったものもたくさんあります。次点はリストで載せます。

  • Human Agony - Goring Christ
  • Sungoddess - 残骸
  • Goatrifice - Apocalyptic Torment of Hell
  • Profane Order - Tightened Noose of Sanctimony
  • CULTES DES GHOULES - Sinister, Or Treading The Darker Paths
  • GOATHAMMER - Ceremony of Morbid Destruction
  • Dakhma - Hamkar Atonement
  • Pseudogod - Sepulchral Chants
  • Broiler - BESTIALIZED IN DYSTOPIA CITY "魔境"
  • Communion - The Communion
  • Sarinvomit - Malignant Thermonuclear Supremacy
  • Hellfire Deathcult - Black Death Terroristic Onslaught
  • Retch - Anathema
  • Ascension - Under Ether
  • Demonomancy - Poisoned Atonement
  • Pheretrum - Alienated Demons
  • Sect Pig - Crooked Backs
  • Evil - The Gate of Hell

 今年は改めて粒ぞろいな一年だったと感謝しています。また来年も素晴らしい音源に巡り合えますように。それでは皆様、よいお年を!
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【備忘録】 2018年リリース・チェックリスト 

 今年リリースの注目しているものをリスト化しています。もしこのリストに入っていないものでチェックした方がいいものがありましたらコメントしていただけると嬉しいです。

Vessel of Iniquity (UK) - Vessel of Iniquity (from Xenoglossy Productions, date 1/19)
Necrobode (POR) - Metal Negro Da Morte (from Iron Bonehead, date 1/29)
Oath of Conquest (USA) - Oath of Conquest (from Bandcamp, date  1/30)
Sarinvomit (TUR) - Malignant Thermonuclear Supremacy (from Deathrune Records, date 2/1)
Demonomancy (ITA) - Poisoned Atonement (from Invictus, date 2/23)
Grave Upheaval (AUS) - (untitled) (from NWN!, date 3/15)
Rites of Thy Degringolade (CAN) - The Blade Philosophical (from NWN!, date 3/15)
Morbosidad (USA) - Corona de Epidemia (from NWN!, date 3/18)
Hellfire Deathcult (USA) - Black Death Terroristic Onslaught (from Deathrune Records, date 4/1)
Autokrator (FRA) - Hammer of the Heretics (from Krucyator Productions, date 4/10)
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ウォー・ベスチャル・ブラックメタルとは何か - II - 

⇒ 「ウォー・ベスチャル・ブラックメタルとは何か - I

■ Bestial Black Metalのルーツ①・サンパウロのハードコア・パンク

 前回は本コラムのイントロとして「ウォー・ベスチャル・ブラックメタルというジャンルがあるのか?」という切り口で概説を述べた。では実際にベスチャル・ブラックメタルについて、そのルーツを実際の音などを交えながら説明していこう。

 1970年代終わりから80年代初頭の南米はブラジルを見てみよう。1964年から続いていた軍事政権の限界が露呈した時期である(1985年に崩壊して民政移管された)。貧富の差の拡大などから国民の不満が募る中で、海外よりロックが流入して人気を博しはじめていた。そしてアンダーグラウンドにおいてはハードコア・パンク、そしてメタルも流入していた。

 そのような中で特に「過激化」というキーワードで掘り起こしていくとハードコア・パンクの影響は大きく、大都市サンパウロにおいてOlho Seco(1980年結成), Ratos de Porão(1981年結成), Brigada do Ódio(1983年結成)といったハードコア・パンクバンドが現れた。特にBrigada do Ódioは当時すでにグラインド・コアとも言える内容の音楽をプレイしている。



 掲載した音源は1985年のもので、グラインド・コアの始祖的存在と言われるNapalm Deathの1stアルバムがリリースされる以前のものなのである。当時はクラスト・コアのDischargeの影響を受けてフィンランドのハードコア・パンクが大いに隆盛になった時代であり、ブラジルにもその余波が到達していたようだ。フィンランドのハードコア・パンクバンドであるTerveet KädetはブラジルのSepulturaのMax Cavalera 氏が当時から聞き込んでいたことを後のインタビューで述べている。

 しかしいずれにしてもBrigada do Ódioは実に強烈なノイズコアを発している。この「特異点」こそが次の時代を生む分水嶺である。このハードコア・パンクが俄かにシーンを形成しつつあったサンパウロにて1980年に結成されたのがVulcanoである。しかし実は彼らが初めて世にリリースした1983年のEP "Om Pushne Namah" は何てことはない普通(?)のヘヴィメタルであった。



 後の彼らを知っていると笑ってしまうような作風である。しかし逆にこのEPしか知らないで次の作品を聞けばもっと驚くことであろう。いきなり路線を大きくブラックメタルにシフトさせてきたのである。1984年リリースのデモ "Devil on My Roof"だ。



 1984年とはヨーロッパではSodomの1st EP"In the Sign of Evil"、Bathoryの1stアルバム"Bathory"という二つの重要な音源がリリースされた年であり、この頃に当時は第三世界と目されていたブラジルにてこのようなスタイルの音楽が誕生していたのだ。これは彼らが当時、ハードコア・パンクバンドたちとギグを共にするなどして変化したスタイルなのだと言われている。もちろんアンチクライストな姿勢などはVenomの影響があったことが考えられるが、音楽的な苛烈さはむしろハードコア・パンクによるものが大きかったことは音を聞けば解る。

 彼らのスタイルチェンジはベスチャル・ブラックメタルの誕生を促すものであった。但し彼らの存在がこのジャンルのランドマークではない。ここで今回、あえて収録曲の紹介をライブ動画で行ったワケがある。というのもこのライブ、1986年にベロ・オリゾンテで行ったものなのである。ベロ・オリゾンテ…この地こそがベスチャル・ブラックメタルの発祥の地である。

■ Bestial Black Metalのルーツ②・Sodom

 ベロ・オリゾンテに1980年から続く一件のレコードショップがあった。その名はCogumelo Records。1985年にレーベル活動を開始してリリースしたのがOverdoseSepulturaとスプリットLPである。Overdoseはいわゆるパワー/スラッシュメタルであったが、Sepulturaはブラックメタル化したVulcanoの影響を強く受けていた。しかしこの作品がリリースされる前にSepulturaから出ていった男がいた。彼の名はWagner Lamounier。彼の目的はより冒涜的で獣性の伴う速くて重い音楽の創出であった。そして作り出したバンドが Sarcófagoである。

 Cogumelo Recordsが続いてリリースしたのが、そのSarcófagoを含む4-wayスプリット "Warfare Noise I"である。他の参加バンドはMutilator, Chakal, Holocausto。いずれも後にブラジリアン・メタル史に残るバンドたちであろうが、まず何といってもSarcófagoである。

sarcofago.jpg 
Sarcófago



 彼らのスタイルこそが後に「南米のトラディショナルスタイル」と世界中で称されるベスチャル・ブラックメタルの原型にして完成型である。彼らのスタイルは当時こそは「デスラッシュ」などとも呼ばれた。彼らの楽曲名からきていると思われるが、今では該当するジャンルは異なるスタイルを指すため、今ではベスチャル・ブラックメタルと呼ぶ方が区分けできる。

 本にも記載した通り、彼らの存在は後にヨーロッパで勃興する2nd waveとしてのブラックメタルにも大きな影響を与えたわけだが、同時にこのスタイルというものは世界中のアンダーグラウンドシーンに継承されながら現在に至っており、いわば一つの極値解を当時すでに出していたと言えるのではなかろうか。

 このようなスタイルはブラジリアン・ハードコアパンクシーンからSepulturaまでの流れ、そしてそこからより邪悪で過激な音楽を産み出そうとしたエポックメイキングな意思があった。一つには稀代のベスチャル・ドラマーであったD.D. Crazyの存在がそれを可能にしたと考えられるが、一方で"Warefare Noise I"ではまだドラマーは前任者のArmandoが担っていた。ではそのbarbaric(野蛮)でbestial(獣性)なスタイルの呼び水となった最も大きな存在は何だったのだろうか。筆者はSodomだったのではないかと推察している。



 当人たちが後年耳コピによるセルフカバーすら覚束ない崩壊した演奏は、その奇跡的なアンサンブルとして成立した。「無理しなさんな」というほどの楽曲は当時は「ハードコア・メタル」などと海外で呼称されていたようだ。特にChris Witchhunterのドラミングはそのもたつき方だけでなく、なぜだか最後に上手く締めるところまで味わい深いものであり、一時期は特に国内を中心に「汚物系スラッシュメタル」との呼び声も高かったが、実はブラックメタルの原型としてのサタニック・スラッシュメタルの名盤であることが00年代以降に世界的評価として固まっており、Sarcófagoにも大きな影響を与えたと思われる。実際、Sarcófagoを聞きながら随所にSodomへのworshipが滲み出ているのが解ることであろう。

 さてSodomへの影響といえばHolocaustoも同様である。



Holocausto War Metal 

 ブラジリアン・メタルの中で初期Sodomの「なぜだか最後に上手く締める」感を継承したバンドとしても有名であるが、もう一つ彼らを「過激」なバンドとして成立させたのは写真にも示す通り、そのアティチュードである。どうやら当時のブラジルはナチスのモチーフを使用するバンドが多かったことがヨーロッパのファンジンで言及されている(先のVulcanoは当時のインタビューで「幼稚な行為」だと指摘しており、ブラジルの中でも地域的に割れていたようだ)。その中でもバンド名、作品タイトルなど全てにおいて露骨だったのがHolocaustoである。彼らは思想に基づいた行動というより露悪趣味に近い行為であったのではないかと推測されるわけだが、いずれにしても物議を醸したバンドである。また違う見方をすると"War Metal"という単語が目に入る。現在ウォー・メタルが意味するジャンルは後に言及するがBlasphemy影響下のブラックメタル・スタイルを指すわけだが、彼らの存在も重要視すべきである。

 また1980年半ばから後半にかけて既に最先端でスラッシュメタルからデスメタルやグラインドコアに過激化のスタイルがシフトしつつあった中で(スラッシュメタルがマーケットにおいて存在感が出てメジャー化したことも一端であろう)、当時のブラジルのアンダーグラウンド・メタルにおいては第三世界であるが故の海外からの情報供給の乏しさなどから、古き良きスラッシュメタルスタイルの継続もなされていたわけで"Warfare Noise I"でSarcófagoと共演したMutilatorやChakalはそのようなブラジリアン・スラッシュメタルの流れを汲んでいったバンドである。補足までに言っておくとMutilatorは"Warfare Noise I"の収録曲に関してはベスチャル・ブラックメタル・スタイルであった。



 さて今回はだいぶ長くなってしまったので一旦、筆を収めよう。次回はSarcófagoの誕生以降のブラジリアン・ベスチャル・ブラックメタルの流れについて触れ、更に一方でコロンビアなどのブラジル外の南米で同時多発した南米カルト・ノイズメタルについても取り上げることで、80's ベスチャル・ブラックメタルをまとめたい。

 それでは次回をお楽しみに。

⇒ 「ウォー・ベスチャル・ブラックメタルとは何か - III -」
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2016年を振り返る 


 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。


 昨年は11月に本を出しまして、またその関係で新宿duesでのトークイベントの出演やHMVでのSIGH 川嶋さんとの対談などブログ外の活動もあり、貴重な経験をすることができました。


 本に関してはもうだいぶ触れましたので他のイベントについて触れますと、新宿duesのトークイベントにおきましては、私の他にはるまげ堂/Butcher ABCの関根さん、Record BOYの大倉店長、Sighの川嶋さんと4人で登壇し、パブリブのハマザキさんに司会進行を務めていただきました。まず「ウォー・ベスチャル・ブラックメタル」というテーマの本を出したというだけでも執筆者本人が「こんな本売れるのか…?」という不安があったわけで、更にはトークイベントだなんて3~4人を前にして喋らなくてはならないかもしれないと思いつつ当日を迎えました。当日、出演者としてduesに入ろうとすると既に入り口に数名入場待ちしている方もいて驚きました。始まってみればイスは満席で後方に若干の立ち見の方も。冷静に考えてみれば自分以外の3名が揃ってトークするというだけで動員は堅かったですね。内容の詳細は足を運んでいただいた方に敬意をこめて差し控えさせていただきますが、全く流れが止まることなくトークイベントとしては成功と言えるのではないでしょうか。惜しむらくは2時間は短すぎたことですね。そのくらい濃いやり取りが展開されましたし、消化不良な内容もありました。さて今後、新宿duesでは「デスメタル・ジャパン」と題したトークショーがシリーズ化されるそうです。実に楽しみです。


 続いてHMVでの対談におきましてはHMV本社ビルで川嶋さんと。






 実はほぼ打ち合わせなしの一発撮りでしたがいかがだったでしょうか。私としては川嶋さんのおかげというよりほかなかったですが、実は何をしゃべったのかもうよく覚えていません。動画を見るのも恥ずかしさが勝ってしまい(笑)。しかし何はともあれトークイベントの時もそうでしたが、概論を語るにはまとまった時間があっても足りなくてですね。もちろん執筆にかけた時間を思えば短時間で説明できない内容なのは当たり前なのですが、それでももう少しコンパクトにまとめあげるべきでしたね。今後、このブログで諸々のフォロー記事をアップしていくつもりなのでそこはぜひ期待してください。


 というわけで執筆活動からリリース後のイベントに至るまで今年はなかなか忙しく、音源を買ってもまともに聞く時間が取れませんでした。購入した音源は93枚、うち新譜(当年リリース)は25枚でした。新譜とは言えども再発物も多くまともなアンテナは張れていませんでしたね。今後聞き込みながら順次インプレッション記事も書いていきたいと思います。


 それでは今年もよろしくお願いいたします。

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『ウォー・ベスチャル・ブラックメタル・ガイドブック』リリースについての祝辞 

『ウォー・ベスチャル・ブラックメタル・ガイドブック』のリリースが決定し、インタビューに答えてくれたバンドメンバーより続々とお祝いの言葉を頂戴しているので、一部ではあるが紹介していく。


■ Sabbaoth (GOATPENIS)

 
SALUTE BROTHER...
NICE TO SEE YOU BACK HERE...
 
Yes, I´ve just looked the link.
It´s GREAT... congratulations, I hope it can show and spread the metal abroad
over your country and other ones as well... it´s very IMPORTANT to everybody having it!!!
 
KEEP THE OLD SCHOOL UP.....
Count on Goatpenis wherever you want, ok?
Sabbaoth


■ Adrien Weber a.k.a. Lord Genocide (VOCIFERIAN) and SKM (LÜGER)


Salutations Sho, 
Thanks for letting me know about the publishing of your War Metal dedicated guide book in Japan. 
Congratulations for the hard work. I'm sure you must feel prous for having accomplished such a collection treating about the bestialest side of extreme music, its main protagonists and underground History. 
Always welcome Keep in touch My sincerest regards to you and yours 
Take care 
Adrien


■ C.Trident (GENOCIDE SHRINES)


Salut brother this is great news indeed.
This is definitely a much needed publication as I have not heard of such a thing being published ever?
TOTAL SUPPORT for you and the rest of the relentless maniacs, this is one war that will NEVER stop until everyone is DEAD.
C.Trident 
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