The Headless Ritual : Autopsy (2013) 

アメリカはオークランドのデスメタルレジェンド、Autopsyの6thアルバムを紹介。
Peaceville Recordsよりリリースされた。

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 1987年にex-DeathのChris Reifert氏を中心に結成し4枚の傑作デスメタルアルバムを残して1995年に解散し、パンクメタルバンドAbscessの活動にシフトするも1stアルバム"Severed Survival"20周年を期にAutopsyを再結成、翌年にはAbscessを解散して、もう一度こちらに戻ってきての2枚目に当たる。

 再結成後の彼らの作品はベテランとしての気焔を目いっぱいに見せつける渾身のデスメタル群であって、1st~2ndアルバムのような死臭がこもったデスメタルではなく、3rd~4thアルバムのような聞く人をコンフューズドさせるようなデスメタルでもない。場数を経て明らかに大人になったかのようなデスメタルである。それをつまらないと思う人もいると思う。特にこの6thアルバムはどうも音の軽さがあり、彼らのズルズルサウンドを十二分に引き出す形にはなっていないように感じる。

 しかしそれでもだ。これをAutopsyというバンドがやっていることに意味があると解釈する人もいるだろう。自分もその一人だ。やはり彼らの紡ぐサウンドはAutopsyそのものである。根底にあるベイエリアのスラッシュメタルに血生臭さをまき散らしたようなオールドスクールデスメタルの魅力…それがこのアルバムはもっともわかりやすい形で提示されている。彼らのようなベテランが第一線で活動し続ける意味を考えればそこには進化とか停滞とは別の次元のサウンドが体感できるのではないだろうか。

 最後に一言。何とか来日してもらえないものでしょうか。

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タグ: Autopsy  Abscess  Death  USA  2013 
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Tahoma : Alda (2011) 

アメリカのフォーク/カスカディアンブラックメタルバンド、Aldaの2ndアルバムを紹介。
アメリカのEternal Warfareよりリリースされ、中国のPest Prod.などから再発あり。
現在ではBandcampでNYP配信されている。

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バンドサウンドにバウロンやチェロ、マンドリンなども織り交ぜた音色に、
敏腕女性プロデューサーMell Dettmerのマスタリングによって、
自然の雄大さ、温かさ、切なさを思う存分詰め込んだ作品。

初めて聞いた時の感想は初期Agallochにぬくもりを内包させたサウンドだと思ったが、
改めて聞いてみると近年のAlcestのようなシューゲイザー(not BM)アプローチも若干感じられ、
「原風景への憧憬」とも言えるような作風になっていて実に素晴らしい。

メンバーの若さからも鑑みて自らの体験というより「未知の原風景」という感じだ。
というのもこのバンドはアメリカのタコマ出身のバンドであり、
そしてこのアルバムのタイトルは昔の地名である"Tahoma"になっているからである。

去年、3rdアルバムがリリースされたがまだ未聴。
タグ: Alda  USA  2011 
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Blasphemous Cremation : Incantation (2008) 

アメリカはペンシルバニア州のデスメタルバンド、IncantationのEP盤を紹介。
アメリカのNecroharmonic Prod.より12"LPとCDでそれぞれリリースされた。本稿は後者を扱う。

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1stアルバムのプロトタイプにであったデモ音源(1991年録音)のリリース。
元々Amorphisとのスプリットとしてリリースされる予定だったがお蔵入りされ、
17年の歳月を経て世の中に出されたもの。
一部の曲は後のオフィシャルリリースと曲名が異なるものもあったりする。

基本的には1stアルバムのプロト盤ではあるが、
プロト盤がゆえの音質の生々しさがそのズルズルっとした感じと合っていて、
1stアルバムとはまた異なる感触を得ることができる。

Incantationファンならお勧めできるアイテムだが、
これから聞こうと思っている人はまずは普通に1stアルバムを聞いた方がよいとは思うが、
ロウな音質が故の感触はAutopsyファンもググッとくるのでは。

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Live May 16th 1993 Atco, NJ USA : Incantation (2013) 

アメリカはペンシルバニア州のデスメタルバンド、Incantationのコレクターズ盤を紹介。
リリースレーベル未記載のブート音源である。

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1993年に行われたライブ音源が収録されているブート盤。
どうやら150枚限定のリリースらしいが偶然、奈良のレコード屋で発掘したもの。
日本でもまだ売れ残っている(15'09/30現在)ので、
150枚のうち結構な数が国内に入ってきたのではないかと推測される。

閑話休題、レコード盤は掲載写真通り、Red wax仕様で気合が入っており、
また元々の音源の録音状態が良かったのであろうが、
ブートのライブ盤にしてはかなり高音質で期待(?)を大いに裏切ってくれた。

このライブ前年にリリースされた1stアルバムからほとんど選曲されており、
またVo.のCraig Pillardの咆哮ヴォーカルの迫力、そして邪悪さが生々しく、
初期Incantationのファンアイテムとしてはかなりおススメ。

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Septic Illumination : Von Goat (2010) 

[Goat Worship 特集]

アメリカはカリフォルニアのブラックメタルバンド、Von Goatの1stアルバムを紹介。
アメリカのNuclear War Now! Productionsよりリリースされた。

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泣く子も黙るカルトブラックのレジェンド、Vonの分家独立系バンド。
元のバンドは1992年に解散してしまい、その後はゴタゴタが勃発、
Gt.&Vo. のGoat氏がVon Goatと名乗って(ほぼ)ソロプロジェクトを立ち上げれば、
Ba. のVenien氏は Von Records を立ち上げてVonを再結成しちゃったのである。

そこらへんの経緯を眺めているとどうやら本流はむしろVon Goatの方にあることに気付く。
現に本作はまさしくVonと、あとはVonの別プロジェクトだったSIXXの融合という感じで、
ミニマルブラックと退廃的なニューウェーブ(非メタル)的アプローチが介在し、
何とも気持ち悪いウネウネとしたつかみどころのないカルトな作品に仕上がっている。

Vonだけだとあくまでブラックメタル界隈での人気が高いが、
このバンドにおいては実際、他ジャンルもよく聞く人の支持を多く集めそうな気がする。
初めて聞いた時の違和感と癖になる感じの両立は今も変わっていない。

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The Last Sodomy Of Mary : Goatlord (2007) 

[Goat Worship 特集]

アメリカはラスベガスのブラックメタルバンド、Goatlordの未発表音源集を紹介。
アメリカのNuclear War Now!よりlim.1000(内200がDigi)でリリースされた。

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このバンドを知らなかった頃はBlasphemyのフォロワーなのかと思っていたが、
まさかの結成は1985年で1stアルバムはあのTurbo Musicから、と
相当筋金入りのバンドであることが分かったのはこのアルバムを手に入れてから。

この音源は2ndアルバムの前に制作していた音源のお蔵入りになったものとのことだが、
なぜこれをお蔵入りにしたのか全く分からないほど超かっこいい。
"Autopsyがブラックメタルを始めたような音"で自分としては一つの理想郷だった。

しかも#05からラジオ番組で取り上げられた時の音源が収録されていて、
これはさすがにカルトすぎる!!!
出だしの紹介の音声を聞き取って訳してみると・・・

「ではいくつかローカルな音源を紹介しよう。
 バンド名はGoat…Lord…正しくはGoatlordだ。
 ドラマーのJeff、ギタリストのJoe、ヴォーカル兼ベーシストのAceだ。」

そう、このバンドは3人編成なのだ。
やっぱり3人編成のバンドは基本素晴らしいのである。

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Omen Ex Simulacra : Aevangelist (2013) 

アメリカのブラッケンドデスメタルバンド、Aevangelistの2ndアルバムを紹介。
フランスのDebemur Morti Productionsよりリリースされた。

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海外のアンダーグラウンドメタルメディアで「2013年のベスト~枚」によく選出されていた一枚。
個人的にはこのバンドはこのアルバムが初めてだが、
メンバーの一人はBenighted in Sodomもやっている若者。

彼らの公式サイトのアドレスは"http://www.newobliviongospelmusic.com/"で、
ジョークなのかどうかわからないがゴスペルだけあって宗教的荘厳さがよく出ている。
Incantation的な地獄系デスメタルに宗教的な奏でを混ぜて、
重厚で神秘的なエクストリームメタルに仕上げている。

曲の展開、緩急のつけ方なども凝っており、
アルバムの完成度が非常に高い一枚。

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Unbroken Spirit : Lascowiec (2011) 

アメリカのBBHシンパ系ブラックメタルバンド、Lascowiecの1stアルバムを紹介。
ドイツのHammerbund Kunstschmiedeよりテープリリースされ、のちにポーランドのWerewolf Promotionよりlim.1000でCDリリースされた。本稿は後者を紹介している。

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以前紹介した初期音源コンピの延長線上に存在する1stアルバム。
当時「1曲1曲の尺が短いBranikald」と紹介したが、
今作もまたその作風になっていてその筋は大喜びな内容。

アルバムジャケットが冬の厳しい森をイメージしていることに引っ張られる形で、
非常にコールドなブリザードを体感するようなノイジーなブラックでありながら、
さらにそういう体感面とは違う方向性の説得力を感じるサウンド。
アメリカ発っぽくないというかBBHの影響力というか。

#08はちょっとRAC/NSBMっぽい作風にガラッと変えて、
「抵抗の意志」が何に向けたものなのか気になるところだ。
なお#09は北欧神話の地名を指すタイトル。

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Berserker Savagery : Intolitarian (2012) 

アメリカのノイズブラックメタルプロジェクト、Intolitarianの1stアルバムを紹介。
SSPのサブレーベルであるAudial Decimation Recordsからリリースされた。

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Satanic Skinhead Propagandaのオーナーによるノイズプロジェクト。
むしろSSPのオーナーの音源だと聞いて飛びついたのでまさかノイズブラックとは。
というかほぼノイズグラインドっていうくらいブラックの要素は少ない。

SSPと長い付き合いをしているRecord Boyさんによると、
彼は「インダストリアル/ノイズ・ミュージシャンが本業」らしく、
それにウォーブラック/グラインドの要素を取り込んでいる作風になっている。

1曲20分越えで2曲、計44分の轟音地獄。
まさしくアングラ音源としてふさわしい瘴気を備えている音源だが、
それだけに敷居も高く、特にノイズの素養がなければ聞いていられない。
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s/t : Borrowed Time (2013) 

アメリカはデトロイドの正統派へヴィメタルバンド、Borrowed Timeの1stアルバムを紹介。
ドイツのHigh Roller Recordsよりリリースされた。

Borrowed TimeBorrowed Time
(2013/11/05)
Borrowed Time

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以前、2010年に発売されたデモで完全ノックダウンされた経験から、
発売即購入したもののその時点ではあまり手ごたえを感じず。
多分、あのデモと比べてシケシケな哀愁をあまり感じない楽曲が多いせいかと。

1曲目からすぐにBorrowed Timeっぽさは伝わってくるのに、
どうもプラスチック造型のようなそんな気もしてきてしまうのだ。
いや、確かに正統派HMとして非常にかっこいいのだけれども…。

と、そこで#6 "Of Nymph and Nihil"ですよ!
これは完全にあのデモ準拠のしっけしけ哀愁メタルゥ!!!
しかし個人的にはこの一曲しか記憶に残らなかったとも言える。

人によってはパワーアップした!と受け取る人もいると思うが、
個人的には期待外れだったと言わざるを得ない一枚。

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