The Return Of Hate : Bustum (2010) 

ポーランドのブラックメタルバンド、Bustumの1stアルバムを紹介。
ドイツのDarker than Black RecordsよりCDで、ポーランドのWerewolf Promotionよりカセットでそれぞれリリースされた。

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結成は1992年の古参バンドだが90年代にデモを3本出したきりで、
そのうちの1本は"First Day of the Aryan War"というタイトルで思いっきりNSBMっぽく、
今作品でもゲスト参加にDark FuryのRaborymやSelbstmordのNecroといった元Ohtar勢が並ぶなどそれっぽいメンツである。

内容としては "Temple of Fullmoon"系統といってよいであろう、
ノルウェイジャンブラックに作風としては近いもののフォーキッシュな奏でが挿入され、
若干ミサントロピックな印象が強いサウンドである。

正直、18年越しのフルレングスデビューでメンツも豪華でDarker than Blackから出ると言うことで、
どんなに強烈な音源なのかと思っていたのだが、
聞いてみるとそこまで記憶に強く残るようなインパクトはなかったのも事実。
ちょっとサウンドプロダクションがクリアな分、損しているかもしれない。

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タグ: Bustum  Ohtar  Dark_Fury  Selbstmord  Poland  2006-2010 
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Spectre Of Hate : Selbstmord (2002) 

ポーランドのブラックメタル/NSBMバンド、Selbstmordの1stアルバムを紹介。
ポーランドのOld Legend Productionsよりテープ/CDでリリースされた。

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OhtarのDiathyrronとNecroのもう一つのプロジェクトで、
特にこのアルバムではGravelandのRob Darkenがサウンドミックスを手掛けており、
ポーリッシュブラックの豪華どころが揃った作品である。

Ohtarに比べてメロウさを撤廃した非常に攻撃的でブルータルな作品。
バンド名はドイツ語で"自殺"を意味するがその手の印象は一切受けない。
バンドの持つテーマも考えると"血""歴史"の衰退(自殺)への憤りを表わしているのでは。

Darkenのミックスもかなり気合が入っているようで、
サウンドプロダクションもこの手のジャンルにしては音がしっかり分離して聞こえる。
ブルータルブラックが好きならお勧めの一枚。

ちなみに同名バンドがヴェトナムにいるらしく気になる。

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Petrified Breath Of Hope : Ohtar (2006) 

ポーランドのブラックメタルバンド、Ohtarの2ndアルバムを紹介。
アメリカのForever Plagued Recordsよりリリースされ、後にポーランドのWerewolf Promotionから再発された。

ohtar2

1stアルバムのバランスのとれたメロウブラックにして、
この2ndアルバムも1曲目の出だしから期待感はマックスだったのだが、
メロウブラックとしては残念ながら失速してしまったアルバムでもある。

ジャケットにこんな写真を持ってきてその態度は外向的攻撃かと思いきや、
そのサウンドはミサントロピックであり内向きに変わったように感じる。
特に6曲目の"Insomnia"においては歌詞だけ見ているとデプレに見えるほど。

いわば音楽的に"地味"になったという感覚の中で、
その危険思想の発露は逆にジャケ写という形で押し出されただけに、
前作に見られた奇跡的なバランスの良さが失われたと言わざるを得ない。

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When I Cut the Throat : Ohtar (2003) 

ポーランドのブラックメタルバンド、Ohtarの1stアルバムを紹介。
アメリカのSupreme Artよりリリースされ、後にポーランドのOld Legend Productionsから再発された。再発盤では2000年のデモ"Wolfschanze"も収録されている。
今回、紹介するのはこの再発盤の方です。

ohtar1 ohtar1_2

FullmoonDiathyrronSelbstmordNecroによるバンドで、
いわばポーランドのアンダーグラウンドの重鎮のコンビ。

Fullmoonのスタイルを更に深化させたようなメロウなブラックメタルで、
非常に優れたメロディラインとプリミティブブラックの粗暴さが、
ガッツリ四の字で戦っている形でバランスをとった傑作である。

リフ一つとってみれば甘いと感じるほどのメロウなリフに関しても、
楽曲1つ、アルバム1枚で取りあげてみると決して"甘口"ではないのが特徴。
このバランス感覚の良さが素晴らしい。

NSBMにおいての名盤として取り上げられるのも納得の1枚。
デモ音源の方も素晴らしいので是非、再発盤をお勧めする。

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May The Hammer Smash The Cross : Thor's Hammer (2000) 

ポーランドのNSBMバンド、Thor's Hammerの2ndアルバムを紹介。
ドイツのAncestral Researchよりリリースされ、イギリスのSupernal Musicから再発された。

thorshammer2

GravelandCapricornusによる独りNSBMプロジェクトで、
このアルバムではギターにBoleslawなる人物が参加している。
また友情出演?でGravelandのRob Darkenがイントロを製作している。

音質、演奏ともにロウなサウンドで、陰鬱でミドルテンポも多いが激しさが見え隠れするプリブラ。
歌詞を観ればいかにもNSBMチックな文言が並んでいたり、
最後にはAbsurdGates of Heavenをカバーしていたり、
いかにもなのだが、音自体はポーランドのプリブラらしい内容と言える。

個人的にはGraveland、Fullmoon、Ohtarあたりの最重要ポーリッシュブラックバンドに比べると、
内容としては一つ格が落ちるような気もするのが、
ポーランドのプリミティブブラック人脈筋を追っていくと避けられないバンドだろう。

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【column】 NSBMとは一体何か? - VI 

■ 前回

【column】 NSBMとは一体何か? - V
http://staymetal.blog8.fc2.com/blog-entry-575.html

■ 続き

 前回に引き続き、NSBMの重要と思われるバンドを紹介していく。今回は従来のプリミティブブラックメタルを踏襲した作風のバンドを国別に紹介する。前回同様、このジャンルを知らない人向けなので、詳しい方向けの記事ではない。

■ ドイツ

 ドイツは法律による抑止力もあいまって、表立ってNS思想を公表するバンドは少なく感じる。また"Absurdの生まれた国"だけあって、従来のプリブラを踏襲した作風のNSBMは思ったより少ない。

 Totenburg (1998-)

totenburg2 バンド名はヒトラーが戦勝後に立てるはずだった兵士の慰霊モニュメント名から引用されている。1stアルバム"Weltmacht Oder Niedergang"でBurzumとAbsurdの両方のカバーを行っているが、そのどちらに似ているわけでもなく、淡々と曲が進行していくコールドブラックをプレイしている。その分だけ彼らの思想に単なる熱病的なものではない重みを感じ、必ずしも激することが初期衝動ではないことを示している。


 Bilskirnir (1996-)

Bilskirnir このバンドもTotenburgと同様にBurzumのカバーをしており、こちらはかなりBurzumのサウンドに影響されたようなサウンドになっており、その後はディプレッシブブラックメタルに作風を推移させていった。全体的に地味な作風のため聞く人を選ぶ。ブラジルのEvilにもゲスト参加したことがあるとか(未聴)。近年、Darker than Black Records(Absurdの元メンバーが運営)に移籍し、1stアルバムなども再発されて手に入れやすくなった。

 Faagrim (2009-)

 最近のバンドとしてこのバンドも取り上げておく。彼ら自身はポリティカルな姿勢ではないことを表明しており、どちらかというとルーツと誇りがテーマであるペイガンブラックなようだ。スタイルはプリミティブかつメロウなスタイルで同郷のNargarothやOdalといったブラックにも近く、その手のバンドが好きならお勧めだ。

 他にそこそこ有名どころでいえばWehrhammerなども上げられるが、筆者が未聴なため今回はリストアップしなかった。その他にはBlutkultや5:45あたりも比較的有名だが、同様にリストアップしていない。
 
■ ポーランド

 重鎮Gravelandについてはペイガニズムの項で既に触れたが、先述したFullmoonと共にポーランドブラックに大きな基盤を形成しており、従来のブラックメタルスタイルのNSBMバンドが非常に多い国である。この国のNSBMシーンは人脈が入り混じっており、どのバンドも何らかの相互関係を持っている狭い世界である。そのために双方の音楽性による影響も大きく、それらを辿っていくのも面白い。

 Ohtar (1996-2012)

ohtar FullmoonのDiathyrronが在籍していたバンドで、従来のプリミティブなブラックメタルスタイルと、そのFullmoonを更に深化させたようなメロウなスタイルをドラマチックに扱うことで強烈な音源を残した。彼らの音源はデモ~1stが強烈過ぎて、2nd以降の作品の印象は薄い。逆に言えば特に1stアルバム"When I Cut the Throat"は必聴盤である。まさにFullmoonの深化といって過言ではない。歌詞はミサントロピックな内容が多く、憤りよりも絶望を感じるような内容だが、ときおりにじみ出るNS思想に危うさをヒシヒシと感じる。今年に入ってOhtar自体は解散してしまったのだが、新しく"Boudlessness"というプロジェクトバンドを結成したとのことで、今後の活躍も期待される。また、Fukkmoon人脈としては他にDark Fury、Tho's Hammer、SelbstmordといったバンドもまたNSBMとしてカテゴライズされるので、Ohtarが気に入った人はそちらの方も掘ってみるのも面白い。但しOhtarのようなレベルを求めるのは厳しい。特にDark Furyはミサントロピックなサウンドすぎてかなり人を選ぶ。

 Infernum (1992-2005)

Taur_Nu_Fuin 今度はGravelandの分家的な存在であるバンド。ほとんど当時のメンバーが被っていてサイドプロジェクト的な感じだったが、1st"...Taur-Nu-Fuin..."がGravelandには持たざるメランコリックかつダークでありながら芯の強さを感じるメロディを持つプリミティブブラックメタルの名盤に仕上がっており、かつその溢れるNS思想からポーランド政府当局からも目を付けられていた内容である。このとき既にメンバーのKarcharothは精神疾患を患っており、いわば"常識的な右翼思想"を持つDarkenと確執が発生して、バンドとしては空中分解してしまった。その後、Karcharothは2002年に同名バンドを結成して、当時は2つの"Infernum"が存在していた。しかし彼の病状は治らないまま、2004年にワルシャワのタワーから飛び降り自殺してしまっている。そちらのInfernumは今でも活動しているはずだが、オリジナルのものではないので注意する必要がある。その後、オリジナルメンバーのDarkenとCapricornusは彼の追悼のために正式なInfernum名義で2nd"Farewell"をリリースした。因みにCapricornusは先述したTho's Hammerのメンバーでもあり、更にCapricorusとしてもNSBMをプレイしていたが、彼は重度の薬物依存症を患っており、2005年に現役ドラマーとしてのキャリアから降りている。

 Thunderbolt (1993-2007??) / Kataxu (1994-)

thunderbolt_kataxu ポーランドのNSBMとしてはArkona (1993-)が有名であるのだが、Arkonaに関してはバンド側は「ペイガンブラックであり、一切の政治的主張を持たない」と表明している。しかし関連バンドであるVeles (1994-)、Thunderbolt (1993-2007?)はそれぞれNSBMにジャンル分けされており、特にThunderboltはKataxu (1994-)と共にリリースしたスプリット"Black Clouds Over Dark Majesty / Roots Thunder"がNSBMにおける超重要名盤として位置づけられている、元々は両方のバンドのデモ音源を1枚のスプリットにしただけのものなのだが、どちらの音源もドラマチックな展開とプリミティブブラックらしい展開が程よく混ざり合い、一気に感情的になれる素晴らしい作品である。Thunderboltはその後、ファストブラックへと重きを置き、そのデモ音源以上の作品は残せなかった。また、Kataxuの関連バンドであるGontyna KryもNSBMとして評価の高いバンドでこちらも要チェック。

■ ギリシャ

 ギリシャのNSBMとなれば何はともあれLegion of Doom(1990-)だろう。初期音源はオーソドックスなプリミティブブラックだったが、その後思想の発露と共に音楽性も劇的に変化していて唯一無比の存在となった。このバンドに関しては今回のファンジンで詳しく触れられているので割愛するが、関連バンドとしてStutthofやAcherontasもチェックすることをお勧めする。但し双方ともNSBMでは無い。

 The Shadow Order (1998-)

The_Shadow_Order そのLoDにもゲスト参加したAithirが在籍しているのがこのバンドである。NSBMという枠組を超えてブラックメタル史上においても重要な名曲"End of Journey"を残しただけでも素晴らしい。メロウな旋律から曲の展開に至るまで、一つの究極を示した名曲だ。この曲が収録されている1st"Raise the Banners"はCD-Rでリリースされたが、その後にAutistiartili Recordsからジャケット変更、2曲追加されてCD盤で再発されている。しかしその後にNykta Recordsに移籍してリリースした2ndアルバム"Untold"がどうしてまたあんな作風になってしまったのだろうか、非常に残念だ。まだ活動はしているようなので、是非ともまた名曲を作り出してほしい。

 Der Sturmer (1998-)

Der_Strumer The Shadow Orderの関連バンドであるが、思想面においてはよりNS色の強いバンドだ。バンド名は英語名で"The Striker"。これは大戦中のドイツに実際に存在した反ユダヤ新聞の名称であり、かなり強烈な主張を行っていることがわかる。歌詞も非常に直接的なもので、Totenkopf Propagandaから昨年リリースされた3rdアルバムでもそのスタイルは全く変わることが無い。というのもバンドメンバーは全員Golden Dawnというギリシャの極右政治組織に所属している。Golden Dawnといえばギリシャのベテランブラックメタルバンド、Naer Mataronのメンバーも所属していたと思うが、最近の世界不況の中心であるギリシャでは民衆の支持を集め始めているとか。

 他にはAbsurdタイプで言及したGauntlet's SwordとWolfnachtを含めてシーンとしてはかなり骨太なものになっている。これに関してはやはり国の内情に因ると思われ、このジャンルに関しては今後も注目が必須である。

■ フランス

 既に触れたKristallnachtの関連バンドとしてはDesolation Triumphalis、Seigneur Voland、Osculum Infame、Blessed in Sinなどが挙げられるがいずれもNSBMではない。但しKristallnachtが好きならば聞いてみるべきバンドたちだ。このようにフランスではどうもNSBMシーンに向かない土壌なようだ。恐らくフランス人の気質が影響しているのではないだろうか。

 Bekhira (1995-)

bekhira_demo そんな中でこのバンドはあのThe Night and the Fogにも参加しており、作風としてもポーランドNSBMに近いサウンドを発している。最近はデモ音源がやはりDarker than Black Recordsから再発されるなど、今でも評価の高いバンドである。但しNSコンピに参加した割にどの音源についてもあまりそのような思想が現れることも無く、更に1stアルバムにはシークレットトラックとしてIron Maidenのカバーを収録したり、なかなかお茶目なバンドだったりするのかもしれない。

■ まとめ

 従来のプリミティブブラックスタイルのNSBMについて国別に紹介してきたが少々長くなってきたので、一度この辺りで切ることにして、次回はロシア、フィンランド、南米、北米のNSBMバンドについても紹介していく。
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