Sado Perverser Goat Insulter : Nihil Domination (2010) 

[Goat Worship 特集]

エクアドルのウォーブラックメタルバンド、Nihil Dominationの1stアルバムを紹介。
日本のDeathrash ArmageddonよりCDで、エクアドルのBlack Goat Terrorist 666よりカセットでそれぞれリリースされた。

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ウォーブラックはBlasphemyが一つの大元であることは間違いないが、
その後の系譜においては様々な表現の変化がある。
その中においてはある意味その枠を突き抜けているようなノイズスタイルが存在する。
Deiphagoもその一つだろうし、そしてこのバンドもそうだ。

収録されているカバーがSarcofagoであることが面白く、
Blasphemy直系ではなくむしろ南米ブラック直系なのだろう。
それを南米のしかもエクアドルという土地で純粋培養された結果として
とにかくノイジーでグラインディングな強烈ブラックを作ってきている。

とにかく激烈なブラックメタルが聞きたければ非常におすすめ。
そして何よりこのCD/LPが日本でリリースされたという事実が素晴らしい…。
リリース元でまだ現品あるので今のうちに買わないと!
因みにバンド自体はもう解散済みの模様です、残念。

Encyclopaedia Metallum - Nihil Domination
タグ: Nihil_Domination  Ecuador  Blasphemy  Sarcofago  2006-2010 
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■ 様々なGoat Metalの形 - バンド名編 その2

 前回はGoatlord、GoatPenis Goat SemenといずれもGoat界隈においては王道バンドを紹介したが、引き続きバンド名にGoatを冠するバンドを紹介していこう。

 オランダのFuneral Goatはex-Sauronのメンバーによって構成されていて、音楽性はArchgoatに近いロウブラックメタルだが、曲調を落とすとHellhammerっぽさも出てくるのが特徴。歌詞を見てみるとほとんどが単語の羅列でしかなく、ひたすら天に唾棄するだけの音楽だ。"Goat Metal"好きには残念なことに昨年改名してIbex Angel Orderとなった。オカルティズムにフィーチャーしたブラックメタルらしく、新作も完成しつつあるようだ。

 ブラジルのMighty Goat Obscenityは白塗りならぬ赤塗りのペイントを施していることが特徴のバンド。サウンド自体にオリジナリティは全くないが粗暴で南米らしい演奏と北欧ブラックの合わせ技のようなスタイル。とりあえず見た目ありきでかっこいい。

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 チリのGoatoimputiryは完全に初期BeheritフォロワーなサウンドでGoat WorshipというよりかはBeherit Worshipという感じである。ボーカルスタイルなど含めてトレースに近いのだが、それも含めて楽しく聞ける。昨年、新EPを出したがカセットテープでチリの地元アングラレーベルからリリースされており、さすがに手が出なかった。

 カナダのGoatwarは正直、相当にヒドいブラックメタルで、様々なプリミティブブラックの死線を潜り抜けてきた人でも「こいつはヒドイ!」と唸らせるパワーを持った強力なバンドで、活動も完全オブスキュアなバンドである。1996年に結成して二枚フルレングスを出しているが、いつの間にか解散していた。しかし昨年、オーストラリアのTotenwerkというレーベルから突然"Untitled"と題したテープがlim.23 (!?)でリリースされたが新作なのか至って謎である…。

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 他にデンマークのSadogoat、ロシアのBlack Goatあたりは比較的この界隈では有名なバンドだが、私が聞いていないため今回は取り上げていない。

goat11.jpg 未聴といえば最近出てきたGoatバンドで注目しているのはGöät Dëströyër 666というオーストラリアのバンドだ。何しろバンドメンバーの名前が、Goatzilla、Ghoatst、Goatlord、Goatkuというステージネームらしい(笑)。昨年結成の新しいバンドで、今までに二枚のデモをデジタルのみでリリースしてるが、なかなか良いGoat Soundを持っているし、何しろBandcampでNYPなので気になる人は一枚フリーでDLしてみてはいかがだろうか。もし気に入ったら二枚目はお金を落としてあげてほしい。

 なお、Goatといえば有名なGoatmoonGoatwhoreなどもいるが今回はあえて割愛させてもらった。


■ 様々なGoat Metalの形 - アルバムタイトル編

 アルバムタイトルで最もこのテーマにあっているのはNunslaughterの2ndアルバム"Goat"だ。ブラックメタルにも親和性の高いサタニックデスメタルをプレイしている非常にストレートなタイトルで、1987年以来とてつもない量の音源を出している中でもGoat Metalを嗜好する人ならぜひ手に入れておきたい。また1stアルバム"Hell's Unholy Fire"のジャケットも一家に一枚と言っておこう。

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 Goat界隈に多大なる影響を与えてリスペクトを受けているのは先のArchgoatBeherit、そしてもう一つがフィンランドブラックのレジェンドであるImpaled Nazareneだ。初期作品に"Goat Perversion"と"Sadogoat"というEP盤をリリースしており、後に同名バンドが出てくるに至った。また1st、2ndアルバムにもたくさんのGoat関係の曲名、歌詞が残っている。基本的にImpaled Nazareneは非常に下品な表現をわざと使っていることが多く徹底的に冒涜の限りを尽くそうとしている関係で"Sado-Goat"という単語を用いていたようだ。

 さて毛色を変えて次はアメリカのGrand Belial's Keyのデモ"Goat of a Thousand Young"だ。音楽性は今まで紹介したGoat Metalとはかなり異なり、Mercyful Fateの影響を大いに受けつつ独自に完成させたサウンドである。このデモの収録曲もかなりユニーク。その後の1stアルバムに比べてサウンドのヘロヘロ感があるのも初期デモらしく面白い。

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 近年出たアルバムの中でGoat MetalらしいアルバムといえばNecroholocaustの"Holocaustic Goat Metal"やNihil Dominationの"Sado Perverser Goat Insulter"あたりだろうか。両バンドとも歌詞テーマにGoat Worshipを掲げており、最近のGoat Metalシーンの中では最重要バンドと言って過言ではないだろう。

 Necroholocaustはカナダらしい突進力のあるブラッケンデス/ウォーブラック。最新作をLPとデジタルでリリースしておりCDリリースがないのが残念だが、このアルバムではデンマークのSadogoatの曲をカバーしているなどニヤリとすること請け合いの作品。

 Nihil Dominationはエクアドル産のかなりグラインド色の強いブラッケンデスメタルで、日本のDeathrash Armageddonから国内盤がリリースされているのでご存知の方も多かろう。しかし今回のコラムを書くうえで最近の動向を再確認したらいつの間にか解散していた…。2013年にGoatbaphometという、これまた我々をくすぐるバンドとスプリットをリリースしたのが最後であった。ちなみにGoatbaphomet自体はNihil Dominationのサイドプロジェクトで印象としてはもう少しウォーブラック色が強くなった感じである。いずれにしても彼らの活動の再開を切に願う。

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■ 終わりに

 今回は前回に引き続きバンド名やアルバムタイトルなどで"Goat"を使っているものについて紹介してみた。有名なものから比較的マイナーなものまで取り上げてみた。何かしら琴線に引っかかるものがあればぜひチェックしてみてほしい。

 次回は今回紹介したもの以外で曲のテーマにGoatを採用しているバンドなどを紹介して、では"Goat Metal"とは何か、まとめることで本稿の終わりとしたい。遅筆ですがよろしくお願いします。

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コラムを締める前にGoat Worship特集と題して単独で音源を取り上げる記事を複数本あげます。
タグ:   Column  Funeral_Goat  Goatoimputiry  Goatwar  Nunslaughter  Impaled_Nazarene  Grand_Belial's_Key  Necroholocaust  Nihil_Domination 
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