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Ayat : Carry On, Carrion! (2017) 

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 中東国家レバノン共和国で初めてのエクストリーム・メタルバンドとして知られるAyatの2ndアルバム。1stアルバム "Six Years of Dormant Hatred" のリリースから9年の歳月を経てMoribund Recordsからリリースされました。レバノンといえば当ウェブジンの読者ならNWN!からデモ音源がリリースされたウォー・ベスチャルブラックメタルバンドDamaarを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。あのバンドの活動していた時期は2004~2006年という、もっともレバノンがシリアスなシチュエーションに強いられていた頃です。しかしこのバンドも結成は2000年と古く、同じ状況を生き抜いたバンドとなります。

 2008年にリリースされた1stアルバムはレバノンのメタルバンドという物珍しさに加え、Moribundという実績あるレーベルからのリリースであること、そして予想外に高品質なアングリーでハイテンションなブラック・デスメタルということもあり話題になっていましたが、この2ndアルバムも9年という歳月を隔てても同様のテンションの高いブラック・デスメタルになっています。より音質は硬質的に仕上がっているのも畳みかけていく曲調と相性が良く、いわゆるウォー・ベスチャルな志向からするとオーバーなプロダクションにも感じるところですが、このバンドの方向性には合っていますね。アティチュード的にはとにかくアングリーなので(政情、宗教などへの)、ブラックメタル的な一種の暗さなどは一切感じさせず、ハードコアの要素を強く感じさせてくれます。

 そういう意味では一番近いフィーリングとしてはImpaled Nazarene(中期)のスタイルではないでしょうか。初期のような辛口のスタイルとも違うので、聞く人はあまり選ばないのではないでしょうか。万人に、というと語弊はありますが、ハイテンションなエクストリーム・メタルを探している人には確実に気に入ってもらえそうなアルバムです。しかしこのアルバムからあふれてくる怒り、こればかりはレバノンという土地からだからこそ表現し続けられたものなのかもしれません。そうなると複雑な気分にもなりますが…。
タグ: Ayat  Lebanon  2017 
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