Sparks of Separation : Formless Devotion (2016) 

南アフリカのブラックメタルバンド、Formless Devotionの1stアルバムを紹介。
インドのCyclopean Eye Productionsよりリリースされた。

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 拙著もシリーズ入りしているパブリブ社「世界過激音楽」のvol.1を飾った『デスメタルアフリカ』によってアフリカのメタルというものが国内でフィーチャーされた。また世界的にはEdward Banchs著『Heavy Metal Africa』が昨年刊行されて話題になっている。この流れはまたネットなどの情報の氾濫による「辺境メタル」の定義のハードルの高まり、アフリカのメタルというミステリアスさなども背景にありそうだ。

 一方で今回紹介するこのバンドは南アフリカのケープタウン出身のバンドで、白人同士のデュオ編成。その楽曲のサウンドはオーソドックスなブラックメタルスタイルで、もはや国名を出さなければヨーロッパのどこかから出たと思わせるような印象を持つ。アルバムの収録時間は7曲33分で、しかもそのうち3曲がインストなのだが、そこまで収録時間の短さやインストの冗長さを感じさせないところにセンスを感じる。

 アトモスフェリックすぎず、リチュアルすぎず、アグレッシブすぎず、メロディックすぎず、綺麗すぎず、どの要素もうまく取り入れながら大仰になることがなくまとまっていて、小さくはまとまっているけれども完成度の高いブラックメタルになっている。但しそのまとまり方に最初に書いたアフリカンメタルへの期待感を裏切ることも間違いない。アフリカのメタルもここまで来ている、とも取れるが、アフリカという情報を取り去った時に特筆すべきアルバムとしてこの先語り継がれていくかどうか?その点では弱い。しかし拙著でもお世話になったCyclopean Eye Productionsからのリリースということで、このセンスについて今後の活動に注目してみたいバンドである。

Encyclopaedia Metallum - Formless Devotion
タグ: Formless_Devotion  South_Africa  2016 
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