Interview with Voltaire 666 from DEIPHAGO 

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 拙著「ウォー・ベスチャル・ブラックメタル・ガイドブック」にて当該ジャンルの再重要バンドの一つとして2ページに渡り取り上げたフィリピン出身(現コスタリカ)のアジアン・ベスチャル・ブラックメタルバンドDEIPHAGO。紹介文末に「今後の来日にも期待される」とダメ元で記述するや否や、来日が決まった。というのも本を出して間もなく、メンバーのVoltaire 666氏より「記事の写真が欲しい」という連絡を受けて以来やり取りが続いていた折、来日の話(相談)を受けたので内心驚いたという顛末である。しかし何より関係各位の方々のご尽力があって「オーディオ拷問絶滅兵器」の来日が実現したわけであり、せめて自分も何かこの来日の成功に僅かなりに貢献して、今後のウォー・ベスチャル・ブラックメタルバンドの来日や日本における当該ジャンルの盛り上がりに繋げていければと思い、氏にインタビューを打診したところ快諾を受けたのでご覧いただこう。



―日本のエクストリームメタルマニアたちはDEIPHAGOのアジアツアーに日本でのショウが追加されると聞いて以来、浮き足立っています。日本に来るのは初めてですか?
 
 お初にお目にかかる!今回が初めての日本だから楽しみだよ!

―日本のイメージについて教えてください。

 サムライたちが切腹する前に行った寺(※1)を見に行くのが楽しみだよ。日本はフィリピンのように武神のいる国だ。伝統と膨大な文化遺産は必見だね。

―まず結成当時のことを振り返ってもらえますか?シンガポールのABHORERIMPIETYのようなブラック・デスメタルバンドは東南アジアのアンダーグラウンドメタルレジェンドとしてよく知られていますが、その頃のフィリピンにもメタルシーンのようなものはあったのでしょうか。

Deiphago-demo 1991 俺たちはSATANASとして1989年にフィリピンにブラック・デスメタル・シーンを作り出したのだ。その後、1990年にDEIFAGOと名前を変えて1991年に1stデモをリリースした。その頃、Occult Grinder Zine (※2) のマコトとコンタクトをよくとっていたものだよ。彼は俺たちに第3号でインタビューをしてくれたんだ。更に1993年と1997年にそれぞれ1本ずつデモをリリースしたんだが、これらはせいぜい身内と同志にしか出回っていないものだよ。ライブは国内でかなり精力的にやっていて、フィリピン国内でローカルなバンドであるKAMBINGEBWAとブラックメタルサークルを結成していたよ。

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―初期DEIPHAGOSARCOFAGOHELLHAMMERのようなサウンドで、徐々にBLAPHEMYBEHERITなどブラック・デス・グラインドの影響を受けたスタイルに変わっていきましたが、丁度その頃、実際フィリピンでそのようなバンドの音源をどうやって手に入れていたのでしょうか。

 その頃はたくさんのバンドとトレードをしていたよ。その頃、自分はWarewolf Zineというファンジンを作っていて、プロモデモも手に入れてたな。実際コンタクトした相手はEuronymous(MAYHEM)、BEHERIT、IMPALED NAZARENE、MARDUKなどだな。彼らがまだフルアルバムを出していなかった頃のことさ。彼らのなかには他のバンドの音源も入っているカセットを送ってくることもあったな。あとBEHERITDawn of Satan’s Milleniumの7インチは初リリースだった当時に直接Turbo Musicから購入したよ。
 
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―一方で1998~2004年に活動を止めてしまいます。コスタリカに移住したことと関係はありますか?

 フィリピンでの生活は他の国より多くの異なる文化に囲まれる。きっと君もバンドで飯を食べていくことはできない。我々は今後の己らの活動をやっていくためにフィリピンを出る必要があったんだ。活動を止めていた理由は自分たちの基準を満たすようなドラマーが見つからなかったからだよ。

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―1stアルバム”Satanic Eon”の再発予定はないのでしょうか。2ndアルバム”Filipino Antichrist”やAbigailらとのスプリットは知られていますが、現在1stアルバムは日本では手に入れにくいのです。

 カナダのVon Frost Records (※3) から6月にテープで再発するよ。100本の限定になる予定だ。ダイハード盤はサタニック鉄十字のペンダントが同梱される。売り切れる前に予約しておくんだね。

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―2ndアルバムはレーベルの紹介で「the ultimate annihilation in audio torture(オーディオ拷問での究極的絶滅(兵器))」と呼ばれていました。私もそう思います。あれはどうやって作ったのでしょう?何を動機やベースに作ったのですか?サタニズム、アンチキリスト、東南アジアのプライド、怒り、憎悪…?

 ”Filipino Antichrist”がリリースされたころを振り返ってみよう。我々を超えるようなハーシュノイズのバンドは居なかったし、今でもなおそうだと思う。あの時、俺たちは未だかつてないカオスなアルバムを出そうと思っていた。そうして最もサタニックで邪悪な音楽がレコードに刻まれ、2ndアルバムとして世に生み出されたというわけだ。あの作品は俺たちの歩みにおいてクラシックなものであり、世界中の多くのバンドに影響を与えたんだ。

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―3rdアルバム”Satan Alpha Omega”と4thアルバム”Into the Eye of Satan”は前作より深いカオスなスタイルになっていますね。私にはSIEGEのようなハードコアのスタイルを取り入れたような感じたのですがどうでしょう?

 2ndアルバムをリリースした時には既にブラックメタルにおけるSIEGEとか呼ばれたこともあったな。3rdや4thアルバムはカオスな狂気を含みながらももっとテクニカルな音源だよ。もし俺たちの音源全てを続けて聞いてみたら1枚ごとに新たな進化を目にすることだろう。誰も俺たちのような音は出していないし、また自分たちも他のバンドのような音は出していない。俺たちは唯一無比のDEIPHAGOなんだ。「オーディオ拷問での究極的絶滅(兵器)」である、ね。

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―日本で最も楽しみにしていることは何ですか?
 ステージでのプレイ、そして冒涜に徹することだ!

―アジアツアーでの目標はありますか?
 アジアの連中に音楽と共鳴した暴力を加えることだ!

―アジアツアーをマテリアルにライブ動画や音源を作る予定はありますか。
 考えてみたい。実際のマテリアル次第だね。

―最後に日本のメタルマニアたちにメッセージをどうぞ。
 黒き炎を燃やし続けろ!俺たちをサポートしてくれる日本のマニアたちすべてに感謝しているよ!

―ありがとうございました。3月、ぜひ日本でお会いしましょう!



注釈
※1:赤穂浪士の葬られた泉岳寺のことを指していると思われる。
※2:日本の90年代初頭に活動していたブラックメタルバンドOHURA-MAZDOのメンバーであるMakoto Takeuchi氏によるファンジン。日本におけるブラックメタルのファンジンとしてはかなりの老舗として知られている。1994年に発行された第四号はウェブ上でアーカイブ化されている。
※3:カナダのアナログ専門リリースレーベルVon Frost Records。筆者は本のリリース時にオーナーと交流を始めてトレードも行ったが、誠実な対応が期待できる良レーベルである。



 改めてまさか日本でDEIPHAGOが見られる時代が来るなんて想像もしていなかった。これは快挙である。同時に文字通り「またとない」機会である。読者の方の中にはこの来日に対する意味を解らない人もいると思うので紹介しておくと、「ウォー・ベスチャル・ブラックメタル・ガイドブック」で紹介したバンドの中でも特に過激で強烈なサウンドを持つバンドであり、当該ジャンルの第一人者たちであるBLASPHEMYBLACK WITCHERYなどのメンバーからも大絶賛されている。その理由の一つはインタビュー中にも触れたオーディオ拷問兵器と言わしめた2ndアルバムの存在である。



 更にバンドはこの2ndアルバムに留まらず、1989年から続く長いキャリアの成果として現在、4thアルバムまでリリースして、そのサウンドは深化を続けている。このアジアツアーにおける日本来日はその真価を目の当たりにする絶好の機会である。筆者も両日参加予定である。また来日ツアー記念としてコンピレーション盤"Anthology - E.P. AND SPLITS (2006 - 2012)"がOBLITERATION RECORDSより1000枚限定でリリースされる。2006~2012年の彼らのデモ、EP、スプリットからの編集盤であり貴重な音源が多数収録されている。来日ツアー両日、会場で先行販売されるらしいので是非ゲットしてショウを楽しもう。

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2017/03/25(土)  新大久保EARTHDOM e-plusなど
2017/03/26(日) 新横浜El Puente (当日券のみ)

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Anthology - E.P. AND SPLITS (2006 - 2012)
2017年3月31日発売(会場先行販売有)
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Holocaustik Metal Sexxxekution Whoreslaughters : V/A (2008) 

日本のAbigail、シンガポールのIronfist、元フィリピンのDeiphagoの3wayスプリットを紹介。
タイのSlava Productionsよりlim.666でリリースされた。

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日本が世界に誇るAbigailは非常にロウなサウンドプロダクションで
いつも通りのブラッケンスラッシュをプレイ(5曲)。
邪悪というよりどことなくいかがわしさを感じさせるAbigailの真骨頂!
Bulldozerのカバーも「らしさ」が存分に出ている。

Ironfist(あの方ではない)はこのスプリットが初見だが、
Sabbatともスプリットを出しており日本の大御所と交流があるようで、
志向性もそちらに近いがちょっと音が軽くて勿体ないと思う。
彼らはNuctemeronをカバー。

さてDeiphagoがこのスプリットを購入した一番の理由だが、
若干彼らの2ndと比べると曲の外形が浮かび上がってきており、
そこまでめちゃくちゃなことにはなっていないのはちょっとだけ残念。
彼らがカバーしたのはHellhammerで意外!

Encyclopaedia Metallum - Abigail
Encyclopaedia Metallum - Ironfist
Encyclopaedia Metallum - Deiphago
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Filipino Antichrist : Deiphago (2009) 

元フィリピン、現コスタリカのウォーブラックメタルバンド、Deiphagoの2ndアルバムを紹介。
アメリカのHells Headbangers Recordsよりリリースされた。

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(ジャケは複数あるみたいです)

血管ぶち切れ脳みそ爆発系の轟音ウォーブラックメタルを聴きたいならコレ!
ノイズウォーブラックといっても良いくらい何やってるか解らず、
アウトラインが見えてこないまま圧倒され続けて気が付いたら終わっているほど。

初期BeheritBlasphemy、そしてカバーも収録されているSarcofagoの影響を感じるが、
それらと比べてもこの轟音まみれっぷりは抜きんでいる。
勿論だから素晴らしいというわけではないのだが凄過ぎるアルバム。

多分これをライブで再現されても強烈なグラインドコア以上に呆気にとられそう。
しかし本当にライブが見れるようなことがあったら見てみたい。

Encyclopaedia Metallum - Deiphago
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