Split : Begräbnis / Estrangement (2014) 

日本のフューネラルドゥームメタルバンドBegräbnisと、オーストラリアのフューネラルドゥームメタルバンドEstrangementのスプリットを紹介。

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 Begräbnisを始めて見たときの衝撃はなかなか忘れられない。バンド名はドイツ語で「葬式」を意味するとのことだが、自分の浅いながらも持っていたフューネラルドゥーム像とは異なる印象を受けた。演出を含めて世界観をはっきりと持っており、音像も独特だ。安易に使いたくない言葉ではあるが唯一無二と称したくなるバンドであった。後に楽曲作成の裏話を小耳に挟んだが、他国のフューネラルドゥームと異なる理由を垣間見た気がした。

 さて、そのライブに感動して購入したのがこのスプリット。両バンド、一曲ずつではあるが合わせて20分弱の収録。Begräbnisサイドは聞いているうちにその鈴の音やテルミンなどの効果的な使用によってジリジリと冥府へと誘われていきそうな作品。こういう作品で10分というと冗長に感じそうなものだが、それがないのが凄い。これがその「世界観」の賜物であるように思える。

 一方でEstrangementの方は様々な要素を混在しているBegräbnisとはある種の対角線にありそうなスタイル。クラシカルなメタルスタイルから、はたまたウォー・ブラックさながらのスタイルまで幅広い。特に後者のスタイルは個人的にかなり素晴らしく感じられ、前半の鬱屈さを粉々に磨り潰していくような音楽性にグッときた。

 両バンドともフューネラルドゥームというジャンルに根差しつつ、更にそこから独自の路線を突き詰めていく気概を感じさせる素晴らしいスプリットである。

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Satan's Fist : Bestial Warlust (2012) 

オーストラリアのウォーブラック番長、Bestial Warlustのデモ再発を紹介。
オリジナルは1996年にカセットのみでリリースで曲目もアンタイトルだったが、
Hells Headbangers Recordsより再発された際に曲名がついた。

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2ndフルアルバム後にメンバーが2人欠けて2名編成時のデモ音源(3曲)再発。
Bestial Warlust名義では活動期間が短く(93-97)、特に後半の活動はあまり有名ではなく、
自分も2ndアルバム以降のデモ作品はこれが初聴だった。

そのためかなり激烈なオセアニアンウォーブラックをイメージしていたのだが、
彼らの1st、2ndアルバムあたりと比較すると幾分落ち着いた作品で、
リフや構成にも気を使っているような印象を受けた。

もしかしたら2名編成による賜物だったのかもしれないが、
ちょっと期待している作風ではなかったという点でインパクトは薄い。
しかし上記のように恐らくマニアを除いてこの作品は知られざるものであったため、
資料的な価値は十分な一枚だと思う。

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タグ: Bestial_Warlust  Australia  2012 
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Paradigm Of Decay : Paroxysmal Descent (2009) 

オーストラリアの独りデプレッシブブラックメタルバンド、Paroxysmal Descentの1stアルバムを紹介。
スウェーデンのTotal Holocaust Recordsよりリリースされた。

Paroxysmal_Descent.jpg

海外ディストロから大量買いしたときに混入(サービス)していたもの。
THRからは当時Arkha Svaなんかも音源を出していたので、
もしかしたら比較的有名なバンドかもしれないがDSBMは不得手なので知らなかった。

あくまでブラックメタルとしての基盤を保っているタイプの典型的なDSBMで、
いわばBurzumXasthur由来の影響がバリバリ。
陰鬱かつメロイックなトレモロリフはこのジャンル好きなら美味しく頂けるであろうが
特に他のバンドに比べて際立つ要素も見当たらないのは残念なところ。

音をかなり硬質的に仕上げているのが逆効果だったかもしれない。
もう少しサウンドプロダクションを工夫することで面白い雰囲気は出せたかも。

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タグ: Paroxysma_  Descent  Australia  Burzum  Xasthur  2006-2010 
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Torn Beyond Reason : Woods of Desolation (2011) 

オーストラリアのデプレッシブブラックメタルバンド、Woods of Desolationの2ndアルバムを紹介。
ドイツのNorthern Silence Productionsよりリリースされた。

Torn Beyond ReasonTorn Beyond Reason
(2011/02/24)
Woods of Desolation

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同郷バンドであるAustere、Grey Watersの人脈筋のバンドで、
1stアルバムこそプリミティブな音質のスーサイドデプレブラックだったが、
Alcest旋風が吹き荒れた後だからか、結構メランコリックでシューゲイズな内容に。

とはいえAustere、Grey Watersに近づいたと言うか、
高品質なデプレ/ポストブラック方面に舵を切った感も有り、
いわゆるAlcest後のコピペブラックゲイズというほど安直な方向性ではない。

既にデプレブラックというとブームこそ過ぎてしまった感はあるが、
こういうアトモスフェリックな空気感を出せるバンドはまだまだ寿命が長いのではなかろうか。

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Nihilgoety : Eskhaton (2011) 

オーストラリアのウォーブラックメタルバンド、Eskhatonの1stアルバムを紹介。
ギリシャのNuclear Winter Recordsよりリリースされた。

eskhaton.jpg

Teitanbloodのコンピを出したこともあるNWRからのリリースで、
しかもオーストラリアということでBestial Warlustの系譜を期待してみると、
まさにその通り!という感じでグッド。

いわゆるオセアニアンウォーブラックらしく、
BlasphemyIncantationのような重厚なブラッケンデスを混ぜたような感じで、
しかもこのバンドはかなりギターがテクいのが面白くて、
ここらへんも結構デスメタルからの系譜を感じさせる。

とにかく粗暴でベスチャルで…っていうだけでなくて、
結構演奏のテクニックや緩急もついていてグレイトなアルバム。
当時は新人バンドだったらしいが新作はまだですが?

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タグ: Eskhaton  Australia  Bestial_Warlust  Teitanblood  Blasphemy  Incantation  2011 
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United By Heathen Blood : V/A (1997) 

ノルウェーのブラックメタルバンド、Det Hedenske Folk
オーストラリアのブラックメタルバンド、Abyssic Hateのスプリットを紹介。
オーストラリアのBloodless Creationsよりリリースされ、数多くディストリビューションされた。

SplitSplit
()
Det Hedenske Folk、Abyssic Hate 他

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先ほど紹介したAbyssic Hateがまだプリブラだった頃の作品。
Det Hedenske Folkはデモ"True Northern"
Abyssic Hateはデモ"Cleansing of an Ancient Race"が収録されている。

前者はゲストにImmortalのAbbathがドラムで参加しており、
まさに当時のノルウェイジャンブラックそのまんまと言えるサウンド。
ちなみに中心人物のTyrはこの音源の後、表舞台に現れていない。

後者は先に1stを聞いていた人からしたら拍子抜けするであろうプリブラサウンド。
そもそもデモのタイトルからしてNSBMに足を踏み込んでいた内容になっている。
なんであっちの方面にいってしまったのだろうと思う極悪ヘイトフルなブラック。

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タグ: Det_Hedenske_Folk  Norway  Abyssic_Hate  Australia  1996-2000 
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Suicidal Emotions : Abyssic Hate (2000) 

オーストラリアのデプレッシブブラックメタルバンド、Abyssic Hateの1stアルバムを紹介。
ドイツのNo Colours Recordsよりリリースされた。

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バンド名はDarkthroneのIn the Shadow of the Horns(2nd収録)から引用しており、
また当初はAbsurdをカバーしたりするなど
アーリアン思想傾倒のプリミティブブラックをプレイしたが、
このアルバムでは自殺系ブラックと言われるようなデプレブラックになっている。

当初から自傷的な歌詞テーマ、ジャケットのデモも出していたが、
このアルバムでサウンドともに完全にデプレブラックになった。
この頃はまだシーンにおけるデプレブラックの存在感は薄く、
プリミティブ時代から知っている人からしたら賛否両論出た作品だった。

今聞いてみると自殺系ブラックのパイオニアの一つとして、
この時期周辺にShiningやらForgotten Tombやらも
似たようなアルバムを出していることを考えると、
後のシーンを作り上げた"芽"のようなアルバムに聞こえてくる。

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Catacombs of Blood : Drowning The Light (2010) 

オーストラリアのディプレッシブブラックメタルバンド、Drowned the Lightの11thアルバムを紹介。
オーストラリアのDark Adversary Productionsよりリリースされた。

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Mütiilation、Satanic Warmaster、Sargeistといった大物バンドや、
Arkha Sva、Lone Sufferといった日本のバンドまで、
幅広くスプリットを出すなど精力的な活動をしているオージブラック。

自分は音源としてはこのアルバムしか持っていないが、
元々はもう少しプリミティブブラック寄りの音楽をやっていたはずで、
このアルバムではデプレ系のメロウなブラックをやっている。

大量の音源をリリースしているため集める気こそしないのだが、
このアルバムの質は結構高く、数あるデプレブラックの中でも質は高め。
あくまでブラックメタルとして聞かせようとしている姿勢を感じる。

また1,7,11曲目でLebensessenzのN. Schner氏がピアノ参加していて、
それが非常にアルバムの雰囲気にはまっていて素晴らしい。
ってかLebensessenzは素晴らしいのだよ。

Lebensessenz
Lebensessenz / Tu, Deorum Hominumque Tyranne, Amor

ブラジルのブラックメタルバンドもやっているN. Schner氏のポストクラシック。
最近、ポストクラシックってちょこちょこアルバム買ってるのだけど、
彼のアルバムはブラックメタルのアプローチを混入させながら、
ポストクラシックに昇華していて非常に面白いと思う。

本筋のDtLのアルバムよりこっちの方が好きだったりする。

Encyclopaedia Metallum - Drowned the Light
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Disciples Of Supremacy : Urgrund (2007) 

オーストラリアのブラックメタルバンド、Urgrundの3rdアルバムを紹介。
アメリカのBaphomet Recordsよりリリースされた。

Disciples of SupremacyDisciples of Supremacy
(2008/01/01)
Urgrund

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結構、オージーブラックシーンの主要メンバーが多く関わっている。
ファストブラックにも通じるアグレッシブな作風で、
なるほどいかにもオージーブラッケンスラッシュという感じ。

但しオージーのこの手のブラックといえば古くは
Sadistik Exekution、Bestial Warlustなどなど、
かなり強力なバンドが多い中で、
どうもあまり記憶に残らないアルバムになっている。

良い意味でも悪い意味でも楽曲が一本調子なためであり、
このバンドならでは、という特徴にかける気もする。

今ではドイツに移住して活動を続けているらしい。

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Domni Satnasi : Spear Of Longinus (1996) 

オーストラリアのNSBM、Spear Of Longinusの1stアルバムを紹介。
ドイツのBurznazgからLPでリリースされたのち、
2003年にはアメリカのVinland WindsからCDでリリースされた。

Spear_Of_Longinus_1.jpg

このアルバムの前に出したデモのタイトルが"Nazi Occult Metal"と、
超キワモノオーストラリアNSBMバンドである。
1993年結成と比較的長く活動していて今も現役なようだ。

NSBMといってもパンキッシュな内容で無く、
昔ながらのブラッケンスラッシュ(初期Mayhemとか)に、
更に思想的暴力姿勢を露骨に出した歪みまくったプロダクションと
憎悪感たっぷりなヴォーカルによるヘイトフルなブラッケンスラッシュになっている。

まあマニア向けだとは思うが思想などは抜きにして、
こういう露骨でむき出しな音楽は強烈で良い。

Encyclopaedia Metallum - Spear Of Longinus
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