Sacrilegious Fornication Masscare... Filthy Desekrators! : V/A (2016) 

日本のブラックメタル・ヤクザ、Abigailと韓国のウォー・ブラックメタルバンド、Nocturnal Damnationのスプリット盤を紹介。
ポーランドのPutrid Cultからlim.500でリリースされた。

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 拙著掲載のインタビューにてNocturnal Damnationのメンバーからリリースすると公言されていたスプリット盤で、双方2曲提供の4曲入りとなっている。夏にリリースされた5thアルバムに対してこのスプリット盤は10月末にリリースされたわけだが、何やら凄いらしいと小耳に挟みつつも国内になかなか入ってこなかったために私自身は今年になってようやく手に入れて目をひん剥いた。

 Abigailサイドの1曲目が今までの彼らの作品のどれよりもブルータルなメタルになっている。用いられているリフやブリッジなどは元々の彼らの路線であるが、ドラムの強烈さもあわせて全体の圧が凄い。ひたすら圧倒される。いわゆるウォー・ベスチャルにも肉薄しているようなカオスさも持ち合わせた傑作だ。2曲目の煽情的なブラック・スピードメタルもまた素晴らしい。何しろタイトルが"We are True Evil"である。これら2曲はスプリットにしか収録されないのだとしたらちょっと勿体ないのでは、と思わせるほど。

 Nocturnal Damnationサイドは彼の新境地とも思わせるオールドスクール・デスメタルを思わせるスタイルに踏み込んでいて、当初のBlasphemy~Conquerorの影響とは異なり、もっとスロウに磨り潰しにかかってくる。ヴォーカルスタイルもより重く低いグロウルに変わっているように感じる。そういえば彼はSadistic Intentの影響を受けていると言っていたが、まさにその辺りを突いてきている一方で、それをもっとへヴィにバスブーストで仕上げたという感じだろうか。

 とにかくAbigailサイドの素晴らしさが際立っている一方で、クラシックなサタニック・デスメタルを選択したNocturnal Damnationの方向性も含めて実に興味深いスプリットである。

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The Final Damnation : Abigail (2016) 

日本のブラックメタル・ヤクザ、Abigailの5thアルバムを紹介。
アメリカのNuclear War Now! Productionsよりリリースされた。

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 漆黒をバックにChris Moyen氏のアートワークという出で立ちでAbigailの新譜が発表されてビビッと来た人は多いだろう。ブラックメタルをプレイするAbigailが戻ってきたのではないかと。1stアルバム"Intercourse & Lust"以前のスタイルは、例えば以前紹介したDrakkar Productionsリリースの”The Early Black Years (1992-1995)”で聞くことができるが、2ndアルバム"Forever Street Metal Bitch"から近年までのイーヴルなスラッシュメタルをベースにしたメタルパンク路線より、その源流となるVenom、Bathory、Bulldozerあたりの1st waveブラックメタルスタイルであった。

 この5thアルバムはそのような原点回帰を図ったという話だったが、いやいや聞いてみるとそんなAbigailたるオリジナリティを捨て去るようなことはしていない。確かにルーツのブラックメタル・スタイルはリフやヴォーカルスタイル、ヘヴィネスさに顕著に現れている。しかしそこに2ndアルバム以降のらしさも失われていない。むしろ築き上げたものは健在である。その結果としてイーヴィルかつヘヴィでありながら軽快さ・煽情さも味わえるアルバムに仕上がっている。#06"No Pain! No Limit!"の日本語歌詞も実に熱い。

 また曲中の展開、アルバム全体のバリエーションなどなど国内外のマニアたちを感服させてきた絶妙なバランスはパワーアップしており、今年結成25周年を迎えたバンドとしての気焔を見せつけてくれた快作と言えよう。感服。

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Satan's Shitfuckers : Bömber (2011) 

チリのブラッケンドスピードメタルパンク、Bömberのコンピレーションアルバムを紹介。
アメリカのOld Cemetery Recordsよりlim.1000でリリースされた。

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日本のプレブラック好きが高じてSabbatAbigailともスプリットを出して、
この日本でも知名度が急上昇したチリのバンドの初期音源集で、
デモ音源と、エクアドルのNSBMバンドLapidaとのスプリットの二枚から引用。
ちなみにそのデモタイトルは"First & Last Demo, FUCK OFF!!"で、
デモを乱発するアングラシーンに警鐘を鳴らしてるんじゃないかっていう反骨さが良い。

デモの方はMotorheadVenomの中間くらいの、
モータードライビングさといかがわしさの同梱的なスピードメタルパンクで、
D-Beatクラストな要素も入っている。

スプリットの方は録音状態が異なっていてかなりプリミティブな仕上がり。
作風的にもデモ音源よりオールディーズな印象を持った。

全体的にジャケットから漂っていた苛烈で地獄なサウンドという期待から外れたが、
スピードメタルパンクとしてなかなか聞かせる内容であった。

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Diabolical Psycholust : Mantak (2009) 

マレーシアのブラックメタルバンド、Mantakの4thアルバムを紹介。
マレーシアのEvil Dead ProductionとアメリカのOld Cemetery Recordsよりリリース。

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マレーシアはお国柄、宗教の問題でメタルがとてもやりにくい国だといい、
特にブラックメタルはライブで逮捕者が数百人出たこともあるという。
そんなマレーシアのブラックメタル番長である。

とはいってもプリブラというよりはブラッケンスラッシュに近いと思うし、
結構80年代の正統へヴィメタルの系譜を感じさせるメロディが入っていたり、
かなり"真っ当な"へヴィメタルを経由して完成された音に感じる。

過去には我らがAbigail、Barbatosとスプリットを出したり日本のバンドとも交流が深く、
更にex-Hirilorn、ex-DSOShaxulをゲストボーカルに迎えたり、
アジアのベスチャルブラックシーンを引っ張るバンドの一つだし、
それを音で証明しているのがこの音源であろう。

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Holocaustik Metal Sexxxekution Whoreslaughters : V/A (2008) 

日本のAbigail、シンガポールのIronfist、元フィリピンのDeiphagoの3wayスプリットを紹介。
タイのSlava Productionsよりlim.666でリリースされた。

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日本が世界に誇るAbigailは非常にロウなサウンドプロダクションで
いつも通りのブラッケンスラッシュをプレイ(5曲)。
邪悪というよりどことなくいかがわしさを感じさせるAbigailの真骨頂!
Bulldozerのカバーも「らしさ」が存分に出ている。

Ironfist(あの方ではない)はこのスプリットが初見だが、
Sabbatともスプリットを出しており日本の大御所と交流があるようで、
志向性もそちらに近いがちょっと音が軽くて勿体ないと思う。
彼らはNuctemeronをカバー。

さてDeiphagoがこのスプリットを購入した一番の理由だが、
若干彼らの2ndと比べると曲の外形が浮かび上がってきており、
そこまでめちゃくちゃなことにはなっていないのはちょっとだけ残念。
彼らがカバーしたのはHellhammerで意外!

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[Live] HAMMERSONIC 2012  

少し遅れましたが夏の風物詩、HAMMERSONIC 2012の二日目のライブ感想です。
そういえば1週間経ってたんですね。
逆に思い出しながら書くのも良いもんですね。

午後6時~午前5時というタイムテーブルを2日間行うという強烈なスケジュール。
私は仕事もあって2日目(土曜)のみの参加でした。
先に書いておくとまず2日目通しで、ライブも通しで見られた方はほんとに凄い。
特に1時くらいからかなりシンドく、初めてライブで過酷だ・・・と思いました。

という訳で中抜けも多かったり最後ドロップアウトしてしまったりでしたが、
印象に残ったものについて挙げます。

Sex Messiah
神戸のサタニックスラッシュメタルバンド、最強にかっこいい!
女性ギターのMoe氏と、Terror Squadの宇田川氏に、
サポートでカタプの人ともう一人参加されていた。
まだ一枚もCDを出しておらず全てEP。
聞きたいならアナログを買うしかない!?

Silverback
札幌のベテランHR/HMバンドで1987年から活動されている重鎮。
今回のイベントでは少し浮いていると思うようなまっすぐなメタルサウンドで、
またヴォーカルの方の凄く人の良さそうな柔和な雰囲気で、
会場が盛り上がりつつも温かい雰囲気になっていたのが印象的。
まだまだ精力的に活動されていてほんと凄いなあ。

Sabbat
三重の日本黒金属レジェンド!
国内より国外の方が評価が高いんじゃないのか、というくらい凄い。
あまりにもたくさん音源を出されていて私は1枚しか持っていないので、
知らない曲ばかりでしたがそれでも全部興奮しました。
なんつうかヴォーカルのGezol氏の格好が凄過ぎて、
女の方が激しく写真撮られていたのも妙に印象的。

Abigail
これまた日本黒金属レジェンド!
第一世代ブラックメタルとメタルパンクを混ぜたような、
ノリの良さがいつ聞いても凄く心地いいのがAbigail
彼らもまた音源出しまくりでしたが、
Forever Street Metal Bitchの中からもやってくれたので満足です。

Rossenfeld
ビジュアル系スラッシュメタルで結成は1986年!
恥ずかしながら私はあまり知らないバンドだったんですが、
ビジュアル系っぽい容姿でもサウンドは強烈なスラッシュ!
MCとかで現れるビジュアル系路線には賛否両論ありそうですが、
とりあえず出してる音はカッコいいことこの上なし。

Terror Squad
日本を代表するスラッシュメタルバンド!
勝手に思うけど彼らにはスラッシュと同時に
ハードコアの精神を感じるんです。
ライブパフォーマンスもそんな感じでがんがん客席に降りてくるし、
もうとにかくステージから楽曲まで全てカッコ良し!

本当はもっともっとたくさんのバンドがプレイしてたんですけどね、
ほんま凄いイベントでした。
次は昼から夜までのイベントにしてほしいかなあ・・・。
タグ: Live  Sex_Messiah  Sabbat  Abigail  Terror_Squad 
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Forever Street Metal Bitch : Abigail (2003) 

日本のブラック/スラッシュメタルバンド、Abigailの(多分)2ndアルバムを紹介。

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おっぱいネーチャンのジャケットからして素晴らしすぎて困る!
非常にノリの良いスラッシュメタルを展開しており、
以前紹介した初期音源コンピと比べるとブラックっぷりは幾分減退している。

最近メタルクラスト/パンクを聞いているとこのサウンドと結構近いように感じる。
あまりイーヴルさこそ感じないが貫録たっぷりのサウンドで、
さすが日本のアングラメタルシーンに長いこと活躍されているだけある。

とりあえずこのアルバム以降の音源があまりに乱打されており、
どれを聴けばいいのかわからないことだけが問題である。

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タグ: Abigail  Japan  2001-2005 
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Rise to Offend : Anvil Bitch (1986) 

アメリカのスラッシュメタルバンド、Anvil Bitchの1stアルバムを紹介。

Rise to OffendRise to Offend
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Anvil Bitch

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いわゆるB級以下のカルトスラッシュメタルであり、
リズム隊もサウンドプロダクションもへっぽこなスラッシュで、
結構ゆるゆるなところにある意味とても惹かれるものがある。

なんといっても日本のスラッシュプロジェクト、Cutthroatがカバーした、
07 / Maggot Infestation
はスラッシュチューンとして素晴らしい出来だと思うし、
当時から日本のスラッシュマニアにもこの曲が好まれていたことを示している。

このアルバムを出した後、活動を休止していたが、
20年飛んで、どうやら2008年にEP盤を出した模様。
スラッシュ再評価の波に乗って新しいフルレングスが出るのかどうか、ちょっぴり期待。


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タグ: Anvil_Bitch  Cutthroat  Abigail  Sigh  USA  1986-1990 
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The Early Black Years: 1992-1995 : Abigail (2007) 

日本のブラックメタルバンド、Abigailのコンピレーションアルバムを紹介。

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1992年から長く活動を続けている東京のカルトスラッシュ/ブラックメタルバンドであり、
その初期音源をまとめたものであり音質はバラつきがあるものの、総じて悪い。
それが逆にイーヴルさを倍増させている。

カバーでBathory、Bulldozer、Sodomをプレーしている通り、
サタニック/ブラックスラッシュの影響を大いに受けたサウンドを展開している。
特にBulldozerは相当お気に入りらしく、
楽曲名をサイドプロジェクトのバンド名(Cutthroat)に用いている。

確実にマニアが手に入れるべきアルバムなわけだが、
日本にもこんなにも邪悪を身にまとったバンドがこんな時代から存在していたことを、
再確認できるアルバムであり、そのような価値も高い。
タグ: Abigail  Japan  Sodom  Bathory  Bulldozer  2006-2010 
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