Leere : Kältetod (2005) 

ドイツの独りメロディックブラックメタルバンド、Kältetodの1stアルバムを紹介。
ドイツのWestwallEternity Recordsよりリリースされ、2010年にはEternity RecordsよりデジパックでのCD盤で再発された。本稿もその再発盤より。

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(左がオリジナル、右が再発)

 Kältetodは以前に紹介したEternity Recordsのレーベルコンピレーション盤で存在を知ったのだが、とにかくあの収録曲"Ätherwinde"の寒々しくも流麗でありながら疾走感のあるメロディックブラックメタルは素晴らしいものがあった。それが2005年に作られたものの当時の作品に使われなかった未収録曲だったということで、ではこの2005年にリリースされた1stアルバムは如何ほどのモノかと後追いで飛びついたのであった。

 アルバム名はドイツ語で「空虚」を意味し、神秘的なシンセサウンドによるイントロ"Einführung"から、10分超の長尺曲である"Wiederhall Der Leere"は期待していた疾走感のあるメロディックブラックメタルが展開されるが、そのタイトルが「空虚のエコー」ということでデプレッシブ感が強い。更にその後に続く楽曲はミドルテンポの実直なメロディをベースにした内容で想像とは異なるものだったがこれはこれでクオリティの高さが光る。

 再発盤はオリジナルで収録の有った"Hypnos"が削られて、代わりに2曲追加されており、そちらはややデプレ感が薄れているため、デプレッシブブラックが不得意な人にはこの追加曲の方が好みかもしれない。なお、その"Hypnos"とそれから"Ätherwinde"がめでたくBandcampにて公式で公開されており、楽曲コンプができずに困っていた人にはうれしい対応である。

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We Bring the Goat Massacre on the Men's World : Goat Vengeance (2005) 

ブラジルのゴートメタルバンド、Goat VengeanceのEP盤を紹介。
ドイツのNecromancer Recordsより7"盤でリリースされた。

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 "Goatwatchers United - Satans Goats Tribute"という4wayスプリットをご存じだろうか。Goatが名前についているバンドの企画盤である。そこにGoat Semenが参加したためごく一部のマニアからは有名になった作品である。そしてこのGoat Vengeaceも一曲提供している。その記憶があったためにこのEPを買ってしまった。きっとマニアックな内容であろうと。それは当たっていた。とてつもないマニアックな作品だった。

 かなりのゴミ感がある。リズムを取る気があまりない演奏や、絶妙にやる気が足りないヴォーカル(→ここが重要でただ単に気の抜けたヴォーカルなのではない)、間の抜けたギターリフなどなど脱力系のゴミ感なのだが、どうも謎の魅力を感じる。メロディの使い方に中毒性があるのだ。そうなってくるとそのそのリズムのズレ方にも魅力を感じてきてしまう。いかんぞ、これはいかん。

 こんなものを褒めてはいけない。こんなものを聞いていてもドヤ顔などしてはいけない。そういうものだ。こういう音源は評価されてはいけない類のものだ。たまたまこのアルバムを聞き終わった後、Hades Archerの"Penis Metal"を続けて聞いたのだが、やはりウォー・ベスチャルとしての質の差があまりに歴然としている。でもこういうゴミ音源もたまには楽しみたくなる時もある。

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Wisdom & Hate : Baptism (2004) 

フィンランドのブラックメタルバンド、BaptismのEPを紹介。
フィンランドのNorthern Heritage Recordsよりリリースされ、2014年に再発もされた。

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HornaSatanic Warmasterにも参加経験のあるLord Sargofagian氏のバンド。
このブログを前から見ている人はわかる通り、
自分があまり得意でない"フィニッシュブラック"の路線であるメロウブラック。

上記バンドに比べても同等のクオリティは感じるしなるほど人気があるのは頷ける。
但しやはりメロディ含めて"まとまっている"感が強く、
時にあざとさまで感じてしまうほどのメロウなトレモロにどうしても食傷気味に。

そのあたりはSargeistが奇跡的なバランスを保っていたのに対して、
これらのバンドはどうしてもなかなか受け入れづらいというのが本音。
何年も聞いてたらいずれ慣れるかと思っていたが。。。

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Nacht aus Blut : Forgotten Darkness (2004) 

ドイツのブラックメタルバンド、Forgotten Darknessの1stアルバムを紹介。
ドイツのEwiges Eis Recordsよりリリースされたのち、Art of PropagandaからLPで再発された。

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同じドイツのNargarothにも毛色の近いファストブラックだが、
こちらの方はよりテンションが高く何よりヴォーカルの金切り声が前面に押し出されていて、
寒々しいブリザードリフに対して妙に熱いという両極端な作品。

しかしやはりドイツ産なだけに時折垣間見れるミドルテンポの哀愁漂うメロディは、
楽曲のハイテンションさに対していいアクセントになっていて、
曲の展開も工夫されていることが伺える。

Dark FuneralImmortalを足して2で割って、
ドイツ産らしさを添えたというとなかなかそれっぽい内容な気もする。
上記でピンと来ればお勧めの音源ではなかろうか。

なお再発LPはAbsurdのカバーがボートラとして入ってるらしいがそちらは未聴。

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Corpses...Intense Stench : Impure (2003) 

スペインのブルータルデスメタルバンド、Impureの2ndアルバムを紹介。
アメリカのGoregiastic Recordsよりリリースされた。

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Carcass~Exhumedラインの延長でゴアグラインドをちょこちょこと聞いていた時、
ゴアグラインドだと聞いて手に入れたものなのだが、
内容としてはゴア要素を感じるブルデスという方が近い印象。

かなりドラムの力量は高いと感じさせる一方で、
どうも曲の問題か他のリズム隊に特別な印象を感じない。
しかしそういうところが逆にちょっとゴアっぽさを醸し出していて、
純粋ブルデスがあまり得意でない自分にも聞ける内容になっている。

まあ探し出して購入を推奨するような作品では全くないが、
その手のジャンル好きであれば楽しめる作品ではあると思う。

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Death Before Dishonour : Goatmoon (2004) 

[Goat Worship 特集]

フィンランドのNSBM/プリミティブブラックメタルバンド、Goatmoonの1stアルバムを紹介。
フィンランドのWerewolf Recordsよりリリースされ、2010年にも別ジャケで再発された。

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2002年に活動を始めてからアングラでデモを数枚リリースしていた後、
Satanic Tyrant Werwolf氏のWerewolf Recordsから鳴り物入りでリリースされた。
当時は自分も全くこのバンドの存在を知らなかったが、
どうやら日本国内でもあまり話題には上がっていなかったようで、
後にネットを通じたプリブラ/NSBMブーム(?)によって一気に過熱したと思われる。

内容としては初期Satanic Warmasterを思わせるメロウブラックに、
NSBMを思わせる民族調メロディと灰汁の強さの融合が図られている。
特にシンバルの鳴らし方が尋常ではなく忙しない。

というわけでその手のメロウブラックが好きならおすすめなアルバムだが、
この音源、再発も少数リリースだったため入手困難になっている。
Discogsを見ても結構高値で推移しているようだが、
個人的には高値で無理をして買うほどの内容では無いと思っている。

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Inhumanization : Goatpenis (2004) 

[Goat Worship 特集]

ブラジルのウォーブラックメタルバンド、Goatpenisの1stアルバムを紹介。
スペインのDie Todesrune Recordsよりリリースされた。

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元々1988年に結成したSuppurated Fetusというデスメタルバンドが前身。
1991年にGoatpenisというインパクトのある名前に変えて現在に至る。
また1997年に一度活動停止して、2003年に復活しての1stアルバムである。
そのため結成からフルアルバムのリリースに13年もかかっている。

以前紹介した初期音源コンピと比べるとグラインド色は幾分減退し、
いくらかソリッドなサウンドプロダクションに変更している。
また映画のSEなどをふんだんに盛り込み軍事オタク的なアプローチを多用。

勢い重視のスタイルでサディスティックブラックなんて海外では言われることもあるらしい。
なるほどそう言われてみると非常にしっくりくる。

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Soleil Noir : Akitsa (2004) 

カナダのブラックメタルバンド、AkitsaのEP盤を紹介。
メンバーがオーナーのTour de Gardeからテープでリリースされた。
今回紹介するのはのちにAutistiartili RecordsからリリースされたCD(lim.500)である。

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アルバム名はSun Wheelの類義語であるBlack Sunのフランス訳であり、
ケベック民族主義を掲げる彼らにとってネオナチと同じオカルトシンボルを用いて
ケベックプライドを主張する音源となっており、ほぼNSBMといってよい。

サウンド面ではハーシュノイズすれすれのガビガビさと、
薄っぺらいプリミティブサウンドということでは一貫するも、
単調なミサントロピックBMからパンキッシュなものまで自由でNSBMライク。

CD盤はラストトラックに20分弱の無音のブランクの後に、
スキンズの代表曲、 Ian Stuartの"Patriot"のカバー。
まさにNSBM好きならピンポイントな音源といえるだろう。

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Heavy Rocks : Boris (2002) 

日本のエクスペリメンタル/ストーナーロックバンド、Borisのたぶん5thアルバムを紹介。
日本のQuattroよりリリースされた。


Heavy RocksHeavy Rocks
(2002/04/26)
BORIS

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このアルバム、知り合いからとても強く勧められてお借りしたのだが、
天邪鬼なわたくしは強く推されるほどに抵抗感を感じ、
今の今までろくに聞くこともなく放置していた。

その後、業界関係の人からも当然のごとく勧められ、
とても素晴らしいバンドが日本にいて、
しかもその作品の中でも70年代ストーナー的良さが抜きんでいると聞いた。
(おまけにラインナップにはゲスト参加でMerzbowのAkita氏の名前も)

数年後、ようやく重い腰を上げて聞くに至り、
今までのすべての"押し"の声に賛同する。
いまさら「海外に比肩しうる~」みたいな修飾も不要だろう。

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Carelian Satanist Madness : Satanic Warmaster (2005) 

フィンランドのブラックメタルバンド、Satanic Warmasterの3rdアルバムを紹介。
ドイツのNo Colours Recordsよりリリースされ、その後も複数回リイシューされている。

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このブログでもたびたび申し上げている通りフィンランドのトゥルーなブラックとは、
BeheritArchgoatのようなレジェンドバンドの繰り出す音であり、
Hornaを端に発する第二世代フィンランドブラックのそれとは異なると思っているゆえ、
私はこのバンドをどうしても穿った見方で見てしまう。

それでもここまでのビッグネームの来日に対して見向きもしないわけにもいかず、
改めてこのバンドについて見直す時期が来たと思ったのだ。
(この項を書いているとき、既に公演1日目が終わっている)

さてこの3rdアルバムは世間的にも名盤と捉えられているであろう一枚だが、
聴いてみるとやはりDarkthroneの4thアルバムあたりの影響を感じるし、
またその他ノルウェイジャンブラックのメロディックな面を踏襲していると思う。
但しそれらが全て違和感なく取り込まれていることに大きな才能を感じるし、
彼がミュージシャンとしての才覚を持っていることの証左であろう。

歌詞やジャケット、ブックレットなど彼の作品にはナチをモチーフにしている事も多い一方で、
インタビューでは再三、NSBMではないと主張しているが、
恐らく個人的な見解としては彼は何らかの演出にナチを使っているだけだと思われる。
つまり彼にとってはテーマは自分のやりたい音楽の副産物にすぎないのではないか。

こんな風に書くと「トゥルーではないエセブラックメタルだ!」と言いたいのかということになるが、
そういうつもりでもなくてブラックメタル"ミュージシャン"としての一つのスタンスであろう。
そういう意味ではライブパフォーマンスなどは逆にとても楽しみであり、
さてはて私は明後日11/2の大阪公演に行く予定である。

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