Dauđi Baldrs : Burzum (1997) 

ノルウェーのブラックメタル/ダークアンビエントバンド、Burzumの5thアルバムを紹介。
イギリスのMisanthropy Recordsからリリースされた。

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北欧神話の登場人物であるBaldrの死をタイトルに持つアルバム。
当時はそれはそれはもう驚かされた作品で、
自分も完全にリアルタイムではなかったけれども、
前情報なしでアルバムをナンバリング順に聞いて仰天。

改めて聞いてみるとブラックメタルの要素をほぼ全てそぎ落とした従来の作品だ。
伝統音楽やダークファンタジーを想起させる旋律と徹底的なミニマリズム。

母親に持ってきてもらったシンセサイザーのみで獄中で作成したのは有名な話だが、
そのエピソードを横に置いておきながらこの音楽に浸ると案外聞ける。
逆にこれピンでエレクトロニカで評価すべきかどうかは微妙かと。
むしろチープなテレビゲームミュージックの趣きとして評価できるような気がする。

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タグ: Burzum  Norway  1996-2000 
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Rausch Der Misanthropie : Branikald (1998) 

ロシアのカルトブラック/NSBMバンド、Branikaldの6thアルバムを紹介。
ロシアのStellar Winter Recordsよりカセットでリリースされ、後にドイツのEwiges Eis Recordsより再発された。

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ファンからは通称「青盤」と呼ばれて愛されて(?)いる一枚。
この頃の音源はアトモスフェリックなアプロ―チを多用しているが、
それらに比べると幾分ブリザードリフとメロウさを重視しているように感じる。
…が、そこはもちろんBranilkald、どこからどう聞いても彼らの作品。

一曲一曲が5分程度で、他の音源は10分越えの曲が多いことから、
上記の特徴も相まって初めてBranikaldを聞く人にとっては、
入門編になりうる一枚だろう。

リイシュー盤はDiscogsで現在\400を切っている状態なので、
比較的入手が楽ということも加えて入門には最適といったところか。
このアルバムを聞いて次はこれかな。

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One Day of Psychopatmetal in the Hell : NB-604 (2000) 

エクアドルのブラックメタルバンド、NB-604のデモを紹介。
カセットによる自主リリースの後に2013年に日本のDeathrash ArmageddonよりLPでリリースされた。
本稿では後者を扱う。

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南米はエクアドルの00年デモの再発で、
しかもあのDxAxがレーベル立ち上げ最初にリリースしようとしていたというエピソード、
それだけでどれだけ強烈な南米ベスチャルブラックかと期待してしまうのだが、
聞いてみて驚き、これは寒々しいコールドなリフが特徴のブラックメタルである。

しかしそこは上記事項を決して裏切るものではない安心のロウさが蔓延していて、
いわゆる上質のコールドブラックとは異なる切り口で凍てつかせてくる。

一歩間違える(?)とSatanic Warmasterとかそこらへんにも近いのだが、
見えない線引きがリスナーを跳ね除けてくるというか迎合しないというか、
「解るやつだけ解りゃいいんだよ!」という雰囲気に満ち満ちている。

にしても写真にも掲載したレコード面は実は溝の入っていない面で、
B面にバンドの新ロゴエッチングしたとのこと。
めちゃくちゃ綺麗な出来で実物を是非見ていただきたい。

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Within : Embraced (2000) 

スウェーデンのメロディックデスメタルバンド、Embracedの2ndアルバムを紹介。
スウェーデンの今は亡きRegain Recordsよりリリースされた。

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ちょうどChildren of Bodomの2ndやArch Enemyの3rdなど、
国内でもメロデスが大きく注目されていた時期のアルバムで、
それらと比べると若干好事家に注目されていたのがこのバンド。

確かにこの頃のメロデス勢と比べると落ち着きのあるミドルパートを多用し、
またそこに非常に上手いドラマーがブラストを多用せずテクニックを見せており、
改めて聞いてみると当時の流行りのスタイルより気の利いた作品である。

ツインギターはもちろんのこと、なんとツインキーボードという編成で、
内容としてはシンフォメロデスのカテゴリにも当てはめられがちだが、
実際のところゴシックやプログレの要素も入っており、
一筋縄ではいかないメロデスとして今でも聞ける内容だ。

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Black Thrash Attack : Aura Noir (1996) 

ノルウェーのブラック/スラッシュメタルバンド、Aura Noirの1stアルバムを紹介。
ドイツのMalicious Recordsよりリリースされ、後にイギリスのPeaceville Recordsからボートラ付きで再発された。


Black Thrash AttackBlack Thrash Attack
(2011/10/31)
Aura Noir

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ブラックスラッシュというジャンルの金字塔にしてこのバンドの最高傑作。
この1stアルバムのインパクトが大きすぎてその後の作品がフィーチャーされない程。
このアルバムからMayhemのBlasphemer氏が参加して現在の編成になった。

1つ前の記事で紹介した1年前のEP盤に比べて、
特にギターのサウンドプロダクション、テクニックともに非常にシャープになり、
その結果、カミソリのようなリフを駆使するブラックスラッシュになった。
話によるとDestructionやKreatorの初期音源をヒントにしたという。

このジャンルに重要な"勢い"から編集まで奇跡的な完成度だが、
個人的にはDestrutionよりSodomなので
そうなるとNifelheimの方が好きみたいなポジショニング。

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タグ: Aura_Noir    Norway  Sodom  Destruction  Kreator  1996-2000 
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罪無人 : 雷矢 (1997) 

日本のOi!スキンズ/ハードコアパンクバンド、雷矢の1stアルバムを紹介。
日本のハードコア/ノイズ系レーベル、HG Factよりリリースされた。

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全く日本のスキンズシーンに造詣がなく、
NSBMからのOi!Punkへの興味からの、という連鎖でたどりついたアルバム。

流れ的に右翼的な表現をしているかと勝手に思っていたのだが、
歌詞を聞いていても左右云々以前の主張をしていて、
「労働者階級の反発という初期衝動の結果のスキンズ」を体現している。

ゆえに歌詞、そしてメロディラインともに非常に感情に突き刺さるというか、
本当の意味でとてもエモーショナルな音楽だった。
「エモい」みたいな軟弱な意味ではなく。
タグ: 雷矢  Japan  1996-2000 
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Filosofem : Burzum (1996) 

ノルウェーの一人ブラックメタルバンド、Burzumの4thアルバムを紹介。
イギリスのMisanthropy Recordsよりリリースされた。


Filosofem + BookletFilosofem + Booklet
(2010/08/10)
Burzum

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このアルバムはBurzumの作品群の中でも1,2位を争う人気だと思うが、
実は私はそこまで思い入れの無いアルバムでもある。

自分は幸運なことに家族に80-90年代アングラシーンに詳しい人がいたので、
Burzumも90年代に聞くことができたのだが、
そのときにこのアルバムは借りていないためである。

3rdアルバムを聞いた時の衝撃たるや、今でも記憶に残っているのだが、
その原体験に00年代に入ってから聞いたこの4thアルバムは超えることができなかった。
そのためかデプレッシブブラックメタルに大きくハマらなかったのかもしれないなあと。

というわけで作品のことに触れてもいないわけだが、
やっぱりこの空虚さを表現しているサウンドプロダクションとシンセワークは、
奇跡的な組み合わせだなあと感心するのだった。

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The Eyes Of The Beast : Astrofaes (2000) 

ウクライナのブラックメタルバンド、Astrofaesの2ndアルバムを紹介。
ウクライナのOriana Musicよりテープでリリースされ、後にフランスのOaken ShieldからCDリリースされた。

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Hate Forest、Drudkh、Khorsなどのウクライナ重鎮ブラックのメンバーが参加しているバンドで、
ジャケットが雪山の風景でネイチャー系ブラックかと思いきや、
結構地味でプリミティブなブラックメタルでThuriosの咆哮が実に邪悪。

一部ではNSBMと紹介されることもあるがDrudkh同様に、
ヒーゼニズムの類の歌詞は入っているがその手のレイシズム的アプローチはない。

地味ながらたまに挟んでくる妙にメロウなパートがきらりと光り、
ザ・ウクライナと言わんばかりのブラックメタルに仕上がっている。
やはりウクライナのブラックメタルは全く侮れない。

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人のために生きるか 自分のために生きるか : 屍 (1999) 

日本のファストコアバンド、の1stアルバムを紹介。
日本のMCR CompanyよりCD/12"LPでリリースされた。

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先日、小岩BUSHBASH presents 「SALAD DAYS」にて活動停止した
小生、現場には行くことができず現地販売のライブCDの購入をお願いし、
家でこのアルバムを聴きながら思いを馳せていたのであった。

元々、このバンドの存在を知ったのは2011年のことで
とてもじゃないけど大きい顔してこのバンドが好きだと公言できないが、
その2011年のライブで完全に心を奪われてしまった。

その時に味わったのは陰鬱なネガティブファストコアに移行した後のスタイルで、
もっとストレートなジャパコア系のファストコアをプレイしていたこのアルバムは、
完全に後追いで後から聞いたものである。

以前のファンジン(自分も参加した)に掲載されたインタビューの中では
「仏教的アプローチ」という言葉があったが造詣が足りず解らない。
しかし…

 人の痛みも感情も情けも愛情も、
 何も感じられなかったら
 他人のことを考えずに、
 どれだけ楽に生きられるだろうか?


インナースリーブに掲載されている文言だ。
この悲痛な叫びは外向的な情を持っているからこそ出るものだ。
その後、EP "自我と煩悩"以降、内向的な作風になっていく。

そしていつかこのブログでも紹介するであろうライブCDのラストトラックは
この1stアルバムのタイトルトラックを持ってきている。
つまり彼らは戻ってきたのだ。

輪廻であろう。

つまりこの活動停止は終わりであり始まりなのだ。
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La Masquerade Infernale : Arcturus (1997) 

ノルウェーのブラックメタルプロジェクト、Arcturusの2ndアルバムを紹介。
イギリスのMusic for Nationsよりリリースされ、国内盤もポニーキャニオンからリリースされた。
その後、しばらく再発も無くリリース元も消滅したが、最近ヴァイナル専門再発レーベルのBack on Blackから2LPで再発された。

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UlverGarmMayhemHellhammerが中心となったブラックメタルプロジェクトで、
1stアルバムでシンフォニックブラックメタルの名盤を叩きだした後、
このアルバムを経て3rdアルバムでは大仰でドラマチックなスペースオペラメタルへ。

ではこの2ndはというとそれら1ndと3rdを足して2で割ったような内容で、
3rdに向かうまでの過渡期にあった音楽性になっていて、
自分は3rdを聴いた後だったのでどうも物足りなさを感じたものだった。

しかし改めて(それこそ10年以上)久方ぶりに聞いてみると、
やはりタダモノでないメンバーによるタダモノでない音楽である。
特にHellhammerのドラミングがバッチリ決まっていて、
エクストリームとは言い切れない音楽性の中でも溶け込んでいるのが面白い。

Encyclopaedia Metallum - Arcturus
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