Penis Metal : Hades Archer (2008) 

チリのブラックメタルバンド、Hades Archerの1stEP盤を紹介。
チリのKuravilú Productionsよりリリースされ、後に日本のDeathrash Armageddonより追加トラックを含む12"MLPで再発された。本稿は後者の物を紹介する。

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このバンドを知ったのはファンジン"野蛮ZINE 第五号"にインタビューが掲載されたためで、
知らない人のために注釈しておくとFatal Desolationのじんとく氏のDIYジンである。

そこにある「最も野蛮な本能への退行」「最も狂った名前を必要とした」という文面に、
惹かれながらもアナログ環境を揃えるという厚い壁に悩まされた数年間だった。
結果的にアナログプレイヤーを導入してすぐに購入したわけだが、
そこまでいくと期待が膨らみ続けて「思ったほど…」となりがちだがこの音源は違った。

むしろ期待を上回るほどの衝撃と高揚を受けた。
まずベースとしては1st Wave BMとしての南米ベスチャルブラックの流れを受けつつ、
追加トラックでカバーしているSodomの影響を強烈に感じる内容で、
まさに自分の中でドストライクそのものという作品に仕上がっている。

一つの理想郷にたどり着いたような一枚だった。
ちなみに野蛮zineは続刊でないのかしら。

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The Last Sodomy Of Mary : Goatlord (2007) 

[Goat Worship 特集]

アメリカはラスベガスのブラックメタルバンド、Goatlordの未発表音源集を紹介。
アメリカのNuclear War Now!よりlim.1000(内200がDigi)でリリースされた。

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このバンドを知らなかった頃はBlasphemyのフォロワーなのかと思っていたが、
まさかの結成は1985年で1stアルバムはあのTurbo Musicから、と
相当筋金入りのバンドであることが分かったのはこのアルバムを手に入れてから。

この音源は2ndアルバムの前に制作していた音源のお蔵入りになったものとのことだが、
なぜこれをお蔵入りにしたのか全く分からないほど超かっこいい。
"Autopsyがブラックメタルを始めたような音"で自分としては一つの理想郷だった。

しかも#05からラジオ番組で取り上げられた時の音源が収録されていて、
これはさすがにカルトすぎる!!!
出だしの紹介の音声を聞き取って訳してみると・・・

「ではいくつかローカルな音源を紹介しよう。
 バンド名はGoat…Lord…正しくはGoatlordだ。
 ドラマーのJeff、ギタリストのJoe、ヴォーカル兼ベーシストのAceだ。」

そう、このバンドは3人編成なのだ。
やっぱり3人編成のバンドは基本素晴らしいのである。

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タグ: Goatlord  個人的名盤  USA  2006-2010 
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Sulphur Seraph (The Archon Principle) : Charon (2012) 

ドイツのブラッケンドデスメタルバンド、Charonの1stアルバムを紹介。
ドイツのSepulchral Voice Recordsよりリリースされた。

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結成は1997年で、R.cc.なる人物を中心に2枚のデモと1枚のEPをリリースするも、
知る人ぞ知るカルトアンダーグラウンドな活動をしていたらしく、
恐らくこのバンドをリアルタイムで知っていた人は日本では数少ないと思われる。

その後、ドイツのデスメタルバンドHatespawnからヴォーカルと加入し、
ようやく1stリリースして陽の目を浴びたのがこのアルバムなわけだが、
実際、海外のカルトマニアな方々からは発売前から相当話題に上がっていたそうな。

個人的な2012年ベスト音源の一枚にも確か挙げさせてもらったと思うが、
これが1stアルバムだなんて末恐ろしいほどの完成度。

印象としてはウォーブラックのような熱量と勢いを持ちながら、
オールドスクールなスラッシュメタルから神秘的ブラックメタルまでの素養を組み込み、
結果としてデスメタルからブラックメタルまでのジャンルを包括した内容に。
何回聞いてもしびれる!

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タグ: Charon  Germany  Hatespawn  個人的名盤  2012 
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ナキニッシモアライズ : OLEDICKFOGGY (2006) 

日本は静岡のハードコア/ラスティック/サイコビリーバンド、OLEDICKFOGGYのミニアルバムを紹介。
ギャランティックよりリリースされ、後に再発もされている。

oledickfoggy_mcd.jpg

このバンドは近年、自分が日本のハードコアに興味が出たときに、
いろいろ人から教えてもらったりしていたなかのバンドの一つなのだが、
自分は天邪鬼で他人から勧められると…っていう人間であり、
その"障壁"を完全にブチ抜いてきた強烈な音を出すバンドであった。

このブログ読者だと縁がない人も多そうなジャンルであるが、
自分もこのバンド以外のラスティック/サイコビリーは全く知らない。
しかし根底にあるハードコアとポリティカルかつ根源的な歌詞が突き刺さった。

特に#06"歯車にまどわされて"、#7"月になんて・・・"の2曲は、
ジャンルとかカテゴライズとかそういったものをすべて貫通する破壊力がある。
素晴らしいの一言。
タグ: Oledickfoggy  Japan  個人的名盤  2006-2010 
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False Gestures For A Devious Public : The Blood (1983) 

イギリスのOi!パンクバンド、The Bloodの1stアルバムを紹介。
1983年リリースのものにボーナストラックを付けてCaptain Oi!から再発された。

False Gestures for a Devious PublicFalse Gestures for a Devious Public
(2005/03/28)
Blood

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以前に書いたNSBMのコラムでも少し取りあげたバンド。
あのコラムを書いてからも海外のOi!パンク勢は全然解らないのだが、
逆にこのアルバムは今でも聞き続けている名盤。

メタリックで哀愁の漂うギタープレイがメタル好きの琴線に触れること間違いなしで、
非常に男臭いヴォーカルとバックコーラスがこれまた熱い。

また4曲目などいきなりサキソフォンまで飛び出す自由な作風、
パンクはこうでなくちゃ、みたいな枠組みをぶち破って、
やりたいようにやっている感じがこれこそパンクってもんなんじゃないんか。
素晴らしい!
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NEVER : Think Again (2012) 

日本は横浜のハードコアバンド、Think Againの1stアルバムを紹介。
彼らの自主レーベルであるBREAK THE RECORDSからリリースされた。

NEVER(ネバー)NEVER(ネバー)
(2012/02/10)
THINK AGAIN(シンクアゲイン)

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どこぞやの説明文には「レイジングスラッシュハードコア」と書いてあったが、
まさしく彼らのサウンドはスラッシュなハードコアであり、
メタリックなハードコアというかスラッシュメタルナイズである。

いやそういうクロスオーバー的なものではなくてもはや"Think Again"そのものであるが、
スラッシュメタルファンは漏れなくグッとくるし、
そもそも私のようなメタル畑の者がハードコアの門を潜るに至ったのも
このアルバムがあまりに衝撃的で強烈な体験になったからである。

スリーピース編成というのにもグッとくるし3人が各々歌うのもとてつもなくカッコいい。
なるほど世界中のハードコアパンクスに一挙に注目されて、
様々なバンドとツアーに廻って認められているのも理解できるし、
どうぞメタル畑の人にも体感してほしい、これは名盤だ。
ライブも強烈にかっこいいので行ったことが無ければ是非一度。

THINK AGAIN official web site
タグ: Think_Again  Japan  個人的名盤  2012 
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United Aryan Evil : Fullmoon (1995) 

ポーランドのブラックメタルバンド、Fullmoonのデモを紹介。
GravelandのRob Darkenの運営してたIsengard Distribution(後のEastclan)よりカセットでリリースされ、後にBlutreinheit ProductionsからCD/LPリリースされた。
また昨年にはAncient Order Productionsからカセットでリマスター再発された。

fullmoon.jpg

ポーランドのブラックメタルサークル、The Temple of Fullmoonを象徴する1枚で、
また、このバンドのオフィシャルな作品はこのデモのみである。
1曲目のインストはRob Darkenがコンポーズしていてやっぱり女性の叫び声が。

まさにポーランドの街をハーケンクロイツ旗を掲げながら練り歩いていたときのもので、
サウンドの根底に流れるどことなく悲しげなケルト音楽のリフを基調に、
誇りと憎しみ、そしてどことなく感じる憂いがあわさったプリブラになっている。

後のOhtarにもつながるメロウかつミサントロピックな奏では、
ポーランドアンダーグラウンドの一つの基本にもなったし、
またプリミティブブラックメタルのクラシックな一枚として今も語り継ぐ作品だろう。

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タグ: Fullmoon  Graveland  個人的名盤  Poland  1991-1995 
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The Dark War Has Begun : Bestial Summoning (1992) 

オランダのプリミティブブラックメタルバンド、Bestial Summoningの1stアルバムを紹介。
スウェーデンのNo Fashion Recordsの初リリース作品であり、近年、CDやLPなど再発されている。

bestialsummoning.jpg

初期ブラックメタルを語る上で必ず挙げなくてはならないのがこの作品。
1990年に結成されたこのバンドはまだブラックメタルがブラックメタルとして、
完全に定義される前に超極悪なブラックメタルをやっていた。

時期としてはBlasphemy、Beherit、Mayhemなどと同じ時系列だと思うが、
そのMayhemのDeadとは交友があったようで彼はこのバンドに一目置いていたという。
そしてこのアルバムは自殺した彼に捧げた作品である。
そしてDead云々関係なく聴けば解る邪悪なカルトブラックだ。

このアルバムの後、デモ1本、ライブ盤1本を残して解散してしまったが、
シーンからの去り方も含めてカルトなスタイルを貫き通したといえる。
なおギタリストだったConscicide氏は2008年に自殺で亡くなっている。

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タグ: Bestial_Summoning  Netherlands  個人的名盤  Mayhem  Dead  1991-1995 
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Dead As Dreams : Weakling (2000) 

アメリカのブラックメタルバンド、Weaklingの1stアルバムを紹介。
アメリカのtUMULtよりリリースされた。

weakling

ブラックメタル愛好家たちからは名盤に据えられている1枚。
何しろこの1stアルバムで解散してしまったため(確かリリース前)、
Deathspell Omegaのような扱いにはならなかったが、
あのバンドの3rd同様、慣れ合いや変化の無いブラックメタルシーンに驚きをもたらした。

全く北欧ブラックと縁のない新しいフューネラルな雰囲気を持つブラックで、
キーボードも非常に有効に使われているバンドサウンド。
一部ではプログレブラックと言われるのは楽曲のアバンギャルドな一面が故か。

メランコリックなメロディでありながらリスナーに迎合せず、
テーマとして個人にフォーカスしない非常に重い楽曲になっているのは、
デプレブラックとは精神的 "質" の違いを見せていると言える。

現在ではカスカディアンブラックがこのバンドの延長線上にあるといえるだろう。

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Whore Of Bethlehem : Archgoat (2006) 

フィンランドのロウブラックメタルレジェンド、Archgoatの1stアルバムを紹介。
フィンランドのHammer of Hate Recordsよりリリースされた。

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1989年結成もブラックメタルのコマーシャル化を嫌って1993年に解散した伝説的バンドの、
2004年再結成後、初の1stアルバムがこの作品であり、
もうそのくだりだけで奇跡的な作品であることが窺い知れるだろう。

彼らの活動などは以前、コラムにまとめてるのでそちらを参考にされたし。
その作品群の中でも最もグラインドのスピード成分が色濃く出た、
かなり"速い"曲が揃っているのが特徴である。

彼ら自身も言っているがこのようなグラインドの要素のあるブラッケンデス/ウォーは、
一定のネガティブな反応があることは理解できるが、
同時にこのジャンルに足を踏み入れるなら"聞かねばならない"作品だろう。
私はこの物言いが嫌いだがそれでもそう言わざるを得ない。

Encyclopaedia Metallum - Archgoat
タグ: Archgoat  個人的名盤  Finland  2006-2010 
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